【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪

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獣王国サベレズと武道大会

マーリンとノア2①

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前回のあらすじ

 普通に負けそうだった!!危ねぇ!!




 アヴェとの戦いが終わり、私の決勝進出が決まった。

 危なかった......今回はマジで負けたかと思った。

 試合が終わった後、アヴェは残念そうな顔をして私のところにやってきた。

「負けました.......ぐすん」

 残念そうどころか、泣いてたわ。

 おそらく、本戦の為に残した奥の手ですら私を倒せなかったのが、相当悔しかったのだろう。

 私も同じような経験は何回もした事が有るので、痛いほど気持ちはわかる。

 私は、下を向いて涙を流すアヴェの頭を優しく撫でてやる。

「負けちゃったのはしょうがないさ。相手が私なんだから。でもねアヴェ。私をあそこまで追い詰めたのは、この世界ではアヴェが、初めてだよ。初めて会った時から成長したね」

 なんかこのセリフ、時分の負けた相手に言われると腹立ちそうだな。

 もしかしたら、言う言葉をミスったかもしれない。

「私は......私はご主人様の、ご主人様の本気を見たかったから.......あそこまでやったのに......結局、本気は見れなかった」

 え?十分本気だったんですが?いや、全力ではあったけど、本気ではなかったか。

 今持てる手札は全て切ってはいないが、今使える手札は全部切ったという感じだな。

 でもそれ以上やるとアヴェを殺すか、この国が消し飛ぶかの2択だったのだ。

 流石にそれは出来ない。

 その後、私は何も言えず、ただ悔しがるアヴェに胸を貸してその頭を撫でてやるだけだった。

 翌日、アヴェは気分では無いという事で大会を欠場。不戦勝により、fifth oneの3位が決定した。

 そして決勝戦。

 私とマーリンの対戦だ。

「この日を待っていたよ、ノアさん。悪いけど今日は勝たせてもらうよ!!」

「そういうセリフ言ったやつは、大抵負けるって知ってる?」

「そういう事を言わないでくれ!!なんかフラグが立つじゃないか!!」

 現にたっているんだよ。

「まぁ、いいや。そう言ってられるのも今のうちさ!!私が作った最強魔術でも今日こそノアさんを見返してやる!!」

 もうフラグビンビンだよ。

 一言一句全てがフラグになってるよマーリン。

 なんかちょっと、見てるのが可哀想になってくるよ。

「あーうん。頑張って」

 私は、マーリンはどこまで行ってもネタキャラなんだろうなと思いながら、決勝の舞台に上がるのだった。
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