【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪

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獣王国サベレズと武道大会

fourth fiveとクソまず飯③

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前回のあらすじ

 カオスは楽しい。これはちょっと煩過ぎるけど.......



 2回戦第7試合、第8試合は順当にリリーとアヴェが勝ち、その日のトーナメントは終了した。

 明日は準々決勝と準決勝、明後日が3位決定戦と決勝戦だ。

 リリーは血操魔術を一切使うことなく勝利、アヴェに至ってはその場から一切動かずに、軽く振るった右手の風圧だけで勝ちやがった。

 流石である。

 そして、私は今、トーナメントで戦った誰よりも強い敵と戦っていた。

「う......おえ.........」

「どうですか?新しく作ってみたプリンは!!」

 そう。私は、唯一私を殺し得る相手であるfourth fiveの料理を食べていた。

 エルフの国に行った時のように、急に宿に転移してきたと思ったら「新作が出来ました!!」と意気揚々と私を屋敷に戻してきたのだ。

 アヴェに助けを求める視線を送ったが、ゆっくり視線をそらされ、リリーにも助けを求めたが同じく目をそらされ、セバスチャンには合掌された。

 アヴェもリリーもセバスチャンもfourth fiveの料理は1度だけ食べたことがあり、その殺人的な不味さを知っている。

 まぁ、助けを求めても無駄だとは知っていたが、求めずにはいられなかった。

 今回はプリンで、珍しく、本当に珍しく見た目も匂いも普通だった。

 今回こそは、まともな料理にありつけるのでは?と思った俺が馬鹿だった。

 味が死ぬほど不味い。

 とんこつラーメンの中に、チョコレートケーキとショートケーキをぶち込んでコトコトと煮込んだような不味さだ。

 え?味が想像できないって?でも、これ以上の表現方法が無いもの。気になるなら、試してみろ。

 喉を焼くような不味さではなく、ただただ純粋に不味い。

 見た目や匂いが普通だから尚更だ。

 頭の中ではプリンの味がしているのに、口の中は地獄。

 そのギャップが、さらに不味さを加速させている。

 もしもし神がこんなのを食ったら、まず間違いなく禁忌として深淵に封印されるだろう。

 .........神っているな。正教会国に。

 今度、彼女を巻き込んでみようか。

 こうして、普通に不味いプリンを何とか完食した俺だったが、「まだまだありますよ!!」と言って5カップ追加された時は、笑うしかない私だった。

 殺す気かな?



女神バルフルンテ「なんか背筋がゾッとする........」
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