【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

獣王国サベレズと武道大会

ノアとサベジ

前回のあらすじ

 アヴェは可愛い異論は認めん。



 fifth oneの試合が終わり、帰ってくる。

｢ただいま戻りました｣

｢おかえり。ところでさ.......｣

｢はい？なんでしょうか｣

｢なんでシェナードさんいるの？｣

 fifth oneが帰ってきた。シェナードさんを連れて。

 シェナードさんは私を見るやいなや、1人で勝手に盛り上がっている。

 なんか、ふぉぉぉ!!完璧男の娘キタコレ!!とか聞こえるんだけど。

 それに、シルクさんが分かります。貴方は同士のようですね!!と絡みに行き、アヴェは警戒心MAXだ。

 何このカオス。ほんの数秒でめちゃくちゃ騒がしくなった。

 クリスさんは少し酔ってる為か、マーリンに愚痴ってるし、マーリンはそれを聞きながら飯を食べてる。

 頼みの綱のセバスチャンは、そんな様子をニコニコしながら見てるだけだし.......

｢気が合いそうなので、連れてきました｣

｢いや、まぁ、いいけどさ。このカオス何とかしてね？わたしが帰ってくる前に｣

｢あー........頑張ります｣

 不安しか残らない返事だが、いいや。

 私は煩い部屋を後にするのだった。多分帰って来ても煩いままだろうな。

『2回戦第6試合!!アルカン代表『性別詐欺』ノア選手対正教会国代表『双剣乱舞』サベジ選手!!それでは、試合開始ィィィィィ!!』

 今の実況の言葉を聞いてのとおり、私の二つ名はまだ変わっていない。まだだまだ諦めんよ!!

｢氷の騎士たちを出すそうだな？この俺様の剣の錆にしてやろう｣

｢あーはいはい。がんばってね｣

 もう煽りに反応するのを面倒くさい。

 私は氷の騎士達を召喚する。

 その数100体。シャーナクロイツルさんの奥の手で、ようやく一体倒せる騎士が100体だ。

 せいぜいがんばって、騎士とダンスを踊ってくれたまえ。

 その後、やはり予想通りろくに騎士達を破壊することも出来ず物量に押されてサベジは敗北した。

 予想通りすぎる負けかたで、一周まわって笑えてくる。

 私は湧き上がる歓声に手を振りながら、VIP席に戻る。

｢ただいま｣

 部屋に戻ると、カオスさはさらに増していた。シェナードさんとシルクさんが騒ぎまくり、クリスさんはさらに酔って愚痴をマーリンに話す。

 マーリンは天井まで届きそうな程皿を積み上げ、セバスチャンは静かに茶をすする。

 それを何とか収めようとfifth oneが奮闘するが、効果なし。

 唯一アヴェとリリーだけが普通である。

 まぁ、騒ぐだけだしほっといてもいいか。

 私は慌てふためくfifth oneを見ながら、ジュースを飲むのだった