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獣王国サベレズと武道大会

ゼノスとクリス

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前回のあらすじ

 豪酒のシルク。なんかかっこよくね?



 注文した料理が届き、みんなで食べているとコンコンと扉がノックされる。

 気配からして、只者ではない。

 もちろん、私たちよりは格段に劣るが。

「どうぞ」

 私が許可を出すと、ガチャリと扉が開かれる。

 そこには、筋肉ムキムキの獅子の獣人が佇んでいた。

「久しぶりだな!!クリス!!」

「あら?ゼノスじゃない」

 ゼノスの呼ばれた獣人は、嬉しそうにクリスさんの肩をバシバシ叩きながら、ガハハと笑う。

 クリスさんは嫌そうな顔をしながら、肩を叩く手を素早く捻り上げると、そのまま投げ飛ばした。

「うぉ?!何すんだよクリス!!危ねぇじゃねぇか!!」

 ゼノスは空中で上手く体制を建て直し、着地する。

「黙りなさいこの馬鹿。叩く力が強いのよ」

「それはクリスが軟弱なだけだ!!筋肉をつけろ!!」

 わーお、これぞ脳筋って感じの人だな。

 ちなみにステータスだけで見れば、クリスさんの方が圧倒的に多い強い。

「ん?クリス。お前子供のお守りでもやってるのか?」

 ここでようやく私たちの存在を認識したゼノスは、私たちを見ながらクリスさんに質問する。

「違うわね。むしろ私がお守りされている方だわ」

 いや、違うでしょ。

 お守り職権乱用してくれてるじゃん。

 とはも思ったが、ここで言っても話がこじれるだけなので黙っておく。

「ゼノスさんだっけ?よろしく」

 私はステーキを食べる手を止め、挨拶するが直ぐにステーキを食べ始める。

 冷えたら、美味しくなくなってしまうからな!!やっぱり料理は美味しいうちに食べるに限る。

「なぁクリス。あのガキンチョにお守りされてるのか?お前が?」

「口の利き方には気をつけなさい?あの子がその気になれば、今頃あなたはゴブリンの餌よ。あとこの子達本戦出場者だから」

「この子達?」

「今紹介した子がアルカンの優勝者、ノア君ね。そこのメイド2人と若い執事1人、白いローブを被った少女の5人が出るのよ」

 白いローブを被った.......おっと殺気を感じるぞ。

「ほう?全員強そうには見えないがな」

 じろりと値踏みをするような目で見てくるが、見た目で私達を判断している時点で不合格だ。

 ステータスも全然強くない。

 ちょっと期待したのだが、やっぱり身内が1番戦ってて楽しいな。

「ま、戦ってみればわかるんじゃない?順当に勝てば何処かでは当たるでしょうし」

「それもそうだな!!楽しみにしてるぜ!!」

 そのままゼノスはガハハと笑いながら、部屋を出て言ったのだった。
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