【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

獣王国サベレズと武道大会

謝罪と何に？

前回のあらすじ

 どーしよう。アヴェ泣いちゃったんだけど........



｢ふぇぇぇぇん｣

 どうしよう。

 アヴェが泣いてしまった。

 今、私は自分の屋敷(自分の部屋)にいるのだが、どうやってアヴェを慰めればいいのかわからずオロオロしているだけだった。

 アヴェが泣いてからすぐに、クリスさんにあとを任せアヴェと一緒に屋敷に転移したのだが........そもそも女の子に泣かれた事など一度もない。

 更に、泣いた女の子を慰めれる程のコミュ力もない。

 あったら前の世界で友達いたわ。

｢うぅぅぅ........ぐすん........ふぇぇぇぇん｣

 ど.........どうしよう。

 私がどうやってアヴェを慰めればいいのかわからず、右往左往していると、部屋にfourth fiveがやってきた。

｢あれ？マスターどうしたんですか？｣

｢あー.......アヴェが泣いちゃって.....｣

 fourth fiveは、ベットの上で泣いているアヴェを見る。

｢ふーむ.....マスター。一旦部屋から出てってください｣

｢えっ......でも.....｣

｢出てってください？｣

｢.......はい｣

 私は、大人しく部屋を出ていった。

 怖っ、fourth fiveのにっこりと笑った顔怖っ。

 それから15分後、私はfourth fiveに呼ばれ、部屋に入る。

 どうやらアヴェは泣き止んだようで、目を赤く腫らしていたが、落ち着いたようだ。

｢ごめんなさい、ご主人様。泣いちゃって......｣

 素のアヴェだ。

 私の前ではあまり見せないが、普段のできるメイドキャラから、年齢相応の可愛いアヴェになっている。

｢あ、あぁ、こっちこそごめ──────｣

｢何に対してですか？｣

 fourth fiveが私の謝罪を遮る。

｢マスター？何に対して謝ろうとしてるんですか？｣

 ........何に対してだ？しまった。何も考えてなかった。

 アヴェはなんで泣いたんだ？

｢マスター。謝るのであれば、自分が何に対して謝るのかを正確に理解してなければなりません。マスターは、アヴェちゃんに対して何を謝るのですか？｣

｢...........泣かせた事？｣

｢泣かせた原因は？｣

｢...............｣

｢そこまでわかった上で、きちんと謝るのです。それが謝罪というものですよ｣

 そう言って、fourth fiveは部屋を出ていった。

 その後、私とアヴェは話し合い、何に対して泣いたのかを聞いたのだが、私の笑った顔が怖かったと言われ、かなり凹むのだった。



fourth fiveオカン爆誕。