【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

獣王国サベレズと武道大会

予選と借り⑤

前回のあらすじ

 マーリンが中々やばい。



 今回参加する面々に、広範囲での魔法、魔術、召喚獣等の迷惑をかける行為を禁止させる。

 ものすごく言い聞かせたけど、理解しているかどうか少し不安だ。

 特にアヴェとマーリン。

 fifth部隊からはfifth oneが出場するが、彼は対１が強く、広範囲系の魔法、魔術を持っていないので問題無い。

 リリーもきちんと理解してそうだが、後の2人はどれを使っていいのかものすごく聞いてきた。

 そしてそのほとんどがアウト。

 九頭大蛇ヒュドラなんて以ての外だし、死霊最終兵器アンデッドガルガンチュアも私は見たことは無いが巨人らしいし、超広範囲大爆炎プロミネンスノヴァなんて名前に超広範囲ってそもそもついてるし。

 本当に人の話聞いてた？この子達。と心配になる。

 クリスさんが言うには、時の箱庭ツァイトガーデンの効果範囲はは200mの正方形らしい。

 時間は、1時間前まで遡ることが可能。

 その範囲、時間内であれば、怪我をしようが死のうが関係ない。

 全てが巻き戻るそうだ。

 会場につくと、受付を済ませる。

 それなりに人はいるらしいが、その殆どが観客。

 選手は大体30人ほどしかいないらしい。

｢少なくない？｣

 私はクリスさんに質問する。

 仮にも大規模な大会だ。

 少なくとも1000人以上いるのかと思ったのだが.......

｢あなた達が出るからよ？国の騎士団達は貴方が参加した戦争を知ってる訳だし、仮にも国を守る騎士が、こんな可愛い子に負けたら面子が丸潰れでしょ？おそらく騎士団長あたりが止めてるわよ。冒険者は私が止めたわ。だから今出場しているのは、私の言うことを聞かなかった馬鹿とどっかの道場の師範とかじゃない？｣

 清々しいほどの職権乱用だ。

 騎士団は分からないでもない。

 fifth one以外は見た目女の子だし(私も含まれているのは不本意だが)、fifth oneもスーツ姿のオールバックイケメンで、正直強そうには見えない。

 そんな人達に、ボッコボコにされる国の守り人とかお笑いものだ。

 私たちの強さを知っているなら、尚更無謀な戦いを挑む事にデメリットしかないのは分かりきっているのだろう。

 冒険者は知らん。

 とりあえずクリスさんが、職権乱用をしたことしか分からない。

 この人偶にエグい職権乱用するから怖いんだよなぁ.....

 この国のギルドマスターになる為にお願い脅しとかした人だし。