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獣王国サベレズと武道大会

模擬戦とだいぶアウト①

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前回のあらすじ

 断る?いや無理.....食べる?否、死!!




 fourth fiveの殺人的料理?を何とか食べ終えた私はしばらく気を失った後、インと共に庭に出ていた。

 食後の運動というやつだ。

「イン、軽くやるか」

(わかりましたですぞ、我が主)

 軽くストレッチをしながら体を温める。

 さてやるかという時、後ろから声をかけられた。

「少しよろしいでしょうかご主人様」

 アヴェとリリーだ。

「どうしたんだ?」

「魔術が完成したので、ご主人様にその評価をして頂こうと.....ダメでしたか?」

 こてんと首を傾げるリリー.....可愛い。

「いや、ちょうど食後の運動をしようと思ってたんだ。ついでだし、見てあげるよ」

「「ありがとうございます!!」」

 ぺこりと頭を下げる2人を見ながら、私はどんな魔術を使ってくるのかワクワクしていた。

 最初に模擬戦をするのはアヴェだ。

 いつものメイド服を見に纏い、服の中、正確には右腕の袖辺りに完全不可視短剣アサシネイトタガーを隠してある。

 いつもの戦闘スタイルのようだ。

 対する私は、手ぶら。

 武器を一切持たず、更に氷結魔法は使わないと自分で勝手に縛りをつけている。

「それでは行きます」

「おーいいぞー」

 私が返事をしたと同時にアヴェの姿がブレる。

 一瞬で距離を詰めると、完全不可視短剣アサシネイトタガーを振るい、私に攻撃してくるが、そんな見え見えの攻撃に当たるほど私は優しくない。

 素早く攻撃を躱すと、アヴェのお腹に目掛けて掌底を放つが......

「おや?」

 私の掌底はアヴェのお腹を通り抜けていた。

 流石に予想外だ。

 異常状態耐性を持っている私に幻覚の類は効かない。

 つまり今、私の目の前にいるアヴェは本物のはずなのだ。

 しかし、攻撃が当たっていない。

 どういう事だ?

 そんな事を考えていると、アヴェが次の攻撃を繰り出すところだった。

 アヴェの繰り出す左フックを、スウェーして避けると、アヴェから距離をとる。

「残念、もう少しで当たりそうだったのに.....」

 この初撃で攻撃を当てるつもりだったのだろう。悔しさの余り、少し素のアヴェが出ているようだ。

「中々面白い魔術だなアヴェ。正直びっくりしたぞ」

「攻撃が当たらねば意味がありません」

「それは残念だったな。私とは基礎値が違いすぎるのだよ!!」

 そう言ってアヴェに一瞬で肉薄する。

「..........っ!!」

 私の右ストレートをギリギリで躱すと、カウンターを狙った右膝を私の鳩尾に叩き込もうとするが

「甘い」

 その右膝を左手で受け止めつつ、アヴェの左足を払って転ばせる。

「......負けました」

 どうやら私の勝ちのようだ。
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