【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

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エルフ国リナルドと暴風龍テンペスト

エレナとババルバ④

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前回のあらすじ

 部屋割り結局みんなで一緒になった。まぁ、いいか。



 クランさんに連れられて店の裏に案内される。

「おう来たか。さっきは挨拶もせずにすまなかったな。俺はガビルだ。ここにいるエレナの父親だ」

 裏に案内されると向かい合ってソファに座っているエレナさん達とその親父さんがいた。

 さっきはエレナさんが帰ってきたことがよほど嬉しかったのか、私たちには目もくれずにエレナさんの元に走っていってたからな。

「ノア」

「アヴェです」

「セバスチャンです」

「リリーです」

「シルクです」

「クリスよ」

 サラッと自己紹介を終える。

 ちなみにワークスさんと目が合ったのだが、軽く顔が死んでいた。

 余程親父さんにいびられたのだろう。

 だって死体と変わらない程青白くなってるんだもん。

 人間ってここまで青白くなれるんだって感心しちゃったよ。

「それで、お前らのおかげでエレナ達がアルカン引っ越したって聞いたんだが本当か?」

「そうだよ」

 ガビルさんが聞いてくるので素直に答える。

「ほとんどが女子供のお前達がか?」

「見た目で判断するな。私がその気になればこの国ぐらい10秒もあれば消せる」

「は?それは言い過ぎだろう。ガキの戯言に付き合う義理はないぞ」

 ちょっとイラッとするが、ガビルさんの言っている事は分からなくもない。

 人を最初に判断するのは見た目だ。

 第一印象の8割は見た目で決まると言っても過言ではない。

 私の見た目は?女の子ですよこんちくしょう。

 私はため息をつくと、指を鳴らす。

 パチンと鳴らした音と共に部屋から、アルカンの私の家の庭に転移する。

 ソファなどは転移させなかったため、座っていたガビルさんとエレナさん達は尻もちをつく。

「.....こ...ここは何処だ?」

 急に景色が変わり唖然とするガビルさん。

 エレナさんとワークスさんは転移させられて直ぐにここがどこか察したので、何事も無かったのように平然と立ち上がる。

ちょっと悪ノリしてみるか。

「ここは私の家。みんなおいで」

 私が呼ぶと契約魔物達が集まってくる。

 私が家に帰ってきたから構って欲しいのもあるだろうし、まだ帰ってくるには早いから不思議に思ったのもあるのだろう。

 全員が集まるのにそう時間はかからなかった。

「どうしたんだ?主。エルフの国に行ったんじゃないのか?」

 バハムートが聞いてくるので私はこう答えた。

「私を疑う愚か者がいるんでな。少し分からせてやろうと思ったのだよ。バハムート、久々に手合わせするか?」

 ガチガチになっているガビルさんをよそに、私の実力を示すためにバハムートに提案する。

「おう!!やるぜ!!あっ、でも人間の姿でやってくれよ?じゃないとただの嬲り殺しだからな」

 この後ガビルさんが土下座して謝ってくるまで契約魔物達と戯れた。
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