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エルフ国リナルドと暴風龍テンペスト

エレナとババルバ③

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前回のあらすじ

 ワークスさん......頑張れ。



 クランさんに案内された部屋は2つ。

 3階にある5人部屋だ。

 男女で分けろという事だろう。

「部屋割りは勝手に決めてくれていいわよ~。私は受付にいるから何かあったら呼んでね~」

 そう言ってクランさんはエレナさんの元へ戻って行った。

 ワークスさん今頃ドワーフのお父さんに絞られてるだろうから、しばらく部屋でゆっくりするか。

「部屋はどうする?」

 アヴェとセバスチャンは私と同じ部屋に来ると思うが、シルクさんとクリスさん、リリーはどうするか分からない。

「どっちでもいいわよ。全員信用してるし」

「私もどっちでもいいですかね。欲を言えばノアさんとアヴェちゃんとは一緒に居たいです」

 少し鼻息が荒いシルクさんに若干引きつつ、も他の3人にも聞く。

「ご主人様と同じ部屋がいいです」

「私はどちらでも構いません。ぶっちゃけ傍から見れば1人だけ男なので肩身が狭いです」

「わ、私もどちらでも構いません」

(わたしもどっちでもいいでぞ!!)

 1人ぐらい我儘言ってくれた方が部屋決め楽なんだけどな....

 私もどっちでもいいし。

 あとセバスチャン、軽く私をディスるな。

 結局話し合いをした結果、全員同じ部屋に泊まる事に。

 ベットはひとつ足りないなと思ったら、アヴェが一緒に寝たいですと言ってきたので5人部屋でも問題なかった。

 インに至ってはベットなんていらねぇしな。

 部屋の中はキレイに掃除が行き届いており、かなり広い。

 更にエルフの営む宿な為か、あちこちに植物が飾られていた。

 しばらく馬車での旅の疲れを癒し、1階に降りる。

 インには毎度と如くこの国の情報を集めさせる指示を出した。

「は?何を言っているんだお前は?そんなこと出来る訳ないだろう!!」

 1階に降りるとエレナさんのお父さんの声が響き渡る。

 どうやら裏で話しているようだが、かなり声が大きいため表でも余裕で聞こえる。

「あら、いい所に来たわね~。エレナ達が変な事を口走っているのよ」

 1階に降りてきた私達を見つけるやいなや裏に案内される。

「変な事?」

「そうなのよ~。なんでもあなた達がエレナ達を王国から転移させただのアルカンの英雄だの言うのよ。ましてやタダで家を貰っただの言うのよ?」

......すいません全部事実です。

 転移させたし、アルカンでは戦争を勝利に導いた笑う仮面だし、家も買いました。

 まぁ、私がクランさんの立場だったら同じ反応するだろうから何もいえない。

 これは説明が面倒くさそうだ。
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