【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪

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絶対不可侵中立国アルカンと第二次勇者戦争

戦争終結とノアの復讐④

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前回のあらすじ

 しばらくオムライスは見たくない。思い出しただけでも......おえっ。


※今回の話では、不快なシーンがあります(念の為)。それでもいいよという方はどうぞ。

 インから報告が上がったので王国へ転移。

 オムライス?頑張って全部食べたよ。

 今居るのは私とインとアヴェの2人と1匹だ。

「そろそろかな?」

 王国の王宮で出るタイミングを伺うこと約30分、王室?らしき場所からクソ女と豚の声が聞こえる。

『一体誰がやったのだ!!あれ程の勇者達を殺せる程の兵力があの国にある訳ないだろう!!』

『お父様、ですがアルカンも無傷という訳ではないでしょう。もう一度攻めれば恐らく占領できるかと....』

 こんな感じの会話だ。

 すげぇなこのバカ共。

 勇者は全員殺された挙句、兵士もかなり失ったはずなのにまだ寝言ほざいているのか。

 まぁいいや、出るタイミングは今っぽいので登場と行きましょう。

「やぁやぁ、腐れビッチと人間の皮を被ったお豚さん。私はノア。君達が追放した勇者の称号が無かった異世界人だよ。さて、ここで話をしてもいいんだけど騒がれて誰か呼ばれても面倒だからね──────」

 私は指をパチンと鳴らす。

 するとそこは王室から亜空間に変わった。

 予めこの為に作っただ。

「ここなら誰も来ない。さぁ、ゆっくりと絶望に染まれ。」

 さぁ復讐の始まりだ。

※視点が3人称に変わります。

 王室に取り残されたインとアヴェは、誰も王室に入れないように鍵を掛けた。

「これで大丈夫ですね。ところでイン様、その水晶はなんですか?」

 インが取り出した水色の水晶には魔法陣が刻まれており、いかにも占い師が使いそうな雰囲気を出している。

(これは見たい場所を見ることができる水晶ですぞ!!我が主が復讐するなら、間違いなくわたし達には見せないと思ってマーリン殿に作って貰ったのですぞ!!)

「なぜ見せてくれないのですかね?」

 アヴェは疑問に思った。

(それは見れば分かりますぞ!!わたしは何となく想像できますがな!!)

 そう言ってインは水晶を起動。

 魔力が注ぎ込まれ映像が映し出される。

(うっわぁ......想像の3倍ぐらいひでぇわ)

「うわぁ....ちょっとこれはエグイですね…」
 
 ドン引きするインとアヴェ。

 水晶に映し出された映像、そこには拘束され10体のオークに泣きながら犯されている王女と、それを見て泣き崩れながらゴブリンに腹を食べられ痛みに悲鳴をあげる国王の姿だった。

 そりゃ見せないわけだ、とインは思った。

 インはともかくアヴェは15の少女だ。

 血を見るならまだしも、流石にオークに泣きながら犯されているのを同性であるアヴェは、いくら復讐だからと言って快くは思わないだろう。

「私もあんな感じにご主人様に乱暴に.....」(小声)

(..........)

 アヴェの呟きが聞こえてしまったインだが、何も言わないのが正解だろうと思い、若干呆れつつ水晶に魔力を注ぎ込むのを止めた。

(我が主が帰ってくるまで暇ですなぁ)

 あからさまに話題を変える。

 このまま水晶の映像を流し続けれるほど、インの精神は図太く無かった。

「それでは『亜空間』で手合わせして貰えますか?最近新しい魔術を完成させたので」

 ノアが戻ってくる約2時間、インとアヴェは時間潰しに手合わせするのだった。


イン:何故わざわざ世界を作ったのですかな?
ノア:ほら、以前ダンジョン行った時に時間軸のズレって言ったじゃん?
イン:あーそんな事言ってましたな。
ノア:そこで思いついちゃったのさ。ズレではなく回ったら?
イン:時間軸が回れば元に戻る.....?
ノア:そゆとこ。つまり時間が巻き戻るんだよ。記憶も全て巻き戻る。この世界だと『時限魔法』の制約が厳しすぎるからね。自分で世界を作った方が楽だったのさ。
イン:あの王女と国王は2時間経つと綺麗さっぱり記憶を忘れ、また1から苦痛を味わう.....ということですかな?
ノア:That's Right
イン:想像の5倍ぐらい酷かった。


※この章はこれで終わりです。次からは正教会国の話になります。
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