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絶対不可侵中立国アルカンと第二次勇者戦争

託された少女と見習いメイド①

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前回のあらすじ

 セバスチャン有能すぎる、でも過労死待ったなし。



 それから2週間、とっても平和だった。

 冒険者ギルドで依頼を受けて、依頼を達成して報酬受け取り、そのまま帰宅。

 クリスさんとシルクさんの帰宅を待ってみんなでご飯を食べる。

 マーリンも冒険者登録しておいた。

 クリスさんと手合わせをしてみてランクはDから。

 本来は実績とか積まないといけないんだけど、職権乱用だね!!

 そんな平和な日常を過ごしているある日の事だった。

「ご主人様、盗賊に襲われている人達がいます」

「ここら辺だと珍しいな」

 場所は帝国とアルカンの境目の山だ。

 定期的にアルカンと帝国が盗賊狩りをしているので、あまり盗賊がいない。

 と言うかいる方が珍しい。

「どう致しますか?」

「見捨ててもいいけど、たまには善行しないとな」

 という訳で盗賊達のいる所までダッシュして盗賊全員の首をへし折った。

「おい、大丈夫か?」

 襲われていた.....多分家族だな、家族の1人に話しかける。

 血だらけで生きているのがやっとな感じだ。

 大丈夫か?って聞いたけど見たら分かる、ダメなやつやん。

「.....た....の.....め.....け......て.....れ」

 おっさんカッコイイ事言うじゃねぇか。

 いいねぇ、私そういうの結構好きだよ。

「分かった、助けてやるよ」

「......た......だ」

 ここでおっさんは力尽きた。

「アヴェ、ここら辺に少女がいるはずだ。探してきてくれ」

「分かりました」

 アヴェは走っていった。

(なんて言ってたのですかな?)

 インが聞いてくる。

 マーリンも頷いていた。

「『頼む、娘を助けてくれ』って言ってたぞ。自分が死にそうな状態で、自分よりも先に娘を案じたんだ。カッコイイよな」

「ノアさんならこの人を助けられたんじゃないの?」

「確かに助けることはできたし、今からでも生き返らせる事も可能だ。」

「なら───────」

「だが、このおっさんの覚悟はどうなる?このおっさんは娘を助けてくれって言ったんだ。男としてその覚悟は汲んでやらなきゃいけないんだよ」

 私にも私なりのルールがあり、美学がある。

 何でもかんでも助ければ言い訳ではないのだ。

(とても戦争中に笑ってた人のセリフとは思えませんなぁ....)

 やかましいわ。

「そう言えば戦争はノアさん1人で終わらせたんだよね?どんな感じだったの?」

(それはですな───────)

 そのあとアヴェが少女を見つけて保護してくるまで、インが戦争中の私の事を話していたのだが、マーリンはドン引きしていた。
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