【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

絶対不可侵中立国アルカンと第一次勇者戦争

暴露と家族①

前回のあらすじ

 私が勇者として召喚された事を話さなきゃならないんだよな。あとスライムだって事も。あぁ憂鬱だ。



 1階にある食堂に来た。

 長い机が置いてあり、なんか貴族がご飯を食べる場所みたいな感じだ。

「ご主人様、ご飯の用意が出来ております。どうぞこちらへ」

 家の管理はアヴェがやってくれている。

 もう完全にメイドって感じだな。

「ありがと、アヴェ」

 そう言って頭を撫でてやる。

 うん、可愛い。

 ご飯は美味しかったです。

「あーシルクさん、クリスさん、ちょっといいかな？」

 ご飯を食べ終わり、片付けをしようとするシルクさん特にクリスさんを止める。

 え？お前は片付けしないのかって？ちゃんとバカでかい庭の手入れしているからセーフです。

「なんですか？ノアさん」

「問題ないわよ」

 シルクさんとクリスさんを座らせる。

 インには万が一の為にスライムちゃん達を呼んでもらっている。

「あーその....私はこの世界の人間じゃない。勇者として別の世界から召喚されたスライムだ」

 あまりウダウダしててもしょうがないので、単刀直入に言った。

「「......は？」」 

 まっ、急にそんな事を言われればそうなりますよね～

～少女？事情説明中～

「つまりノアは勇者として召喚され、勇者の称号がなかったから王宮を追放。その後行き倒れているアヴェを助けて今に至るってわけ？」

「正確にはスライムになってからアヴェを助けたんだけどね」

 ぴょんっとジャンプしてスライムになる。

『おぉーノアさんが言ってたのは本当なんだね～』

「「.........」」

 マーリンはともかくシルクさんとクリスさんが固まってしまった。

「まっ、スライムの姿が本来の私の姿だよ。2人とも～戻ってきて～」

「「は!!」」

 さて、話すことは話した。

 後は2人次第だ。

「へーすごいわね。勇者じゃなくても全然強いし、相変わらずノアって感じね」

 どうやらクリスさんは受け入れてくれそうだ。

 ....相変わらずノアってどういうこと？

「私はぶっちゃけ可愛ければ問題ないです!!」

 ブレねぇ!!この人全くブレないよ!!

 「でもなんで急にそんな事を打ち明けたの？別に黙っててもバレなさそうだったけど....」

「ん？あぁ、近いうちに王国と戦争するんだよ」

「「.....」」

 あれ？またフリーズしてしまった。

「それは本当なの？」

「本当だよ。私の眷属が調べてきてくれたからね」

「眷属？」

 やっとインの登場か、できれば私と魔力的繋がりを持ってくれた方がインは見やすいんだよな。

 別に『隷属魔法』じゃなくても手段はあるし。