【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

絶対不可侵中立国アルカンと第一次勇者戦争

幽霊と事故物件②

前回のあらすじ

 幽霊でてきた。タイミングがよかったけどさては幽霊、貴様見ていたな。



 幽霊はローブのようなものを被っており、顔は見えない。

 ふわふわ浮いてるのは幽霊って感じするな。

「さて、出てきたな幽霊。私はノアだ。こっちはアヴェ」

 取り敢えず自己紹介してみる。

 話が通じるようだったらこのまま上手く、手懐けたい。

『あたしはマーリン。さっ、感情移入する前に死んでもらうかね。悪く思わないでくれよ』

 へぇ、私達を殺すのか？残念だが、相手が悪いな。

 マーリンが行動に移す前に、素早く『神聖なる鎖ホーリーチェイン』を発動。

 鎖系魔法の1つだ。

 ちなみに効果は『炎獄鎖』の持続ダメージが神聖属性に変わっただけ。

 鎖系の魔法って無詠唱になるとまじで便利だな。

『えっ?!なにこれ!!動けないよ?!しかもなんかダメージ入ってる!!』

「殺しますか？」

 神聖属性を付与した『完全不可視の殺短剣アサシネイトダガー』を構えながら言う。

「殺すより、成仏じゃね？」

(確かに、既に死んでる存在ですからな)

『待って!!待って!!待って!!待って!!お願いだから待ってください!!ジョーク!!ジョークですから!!ごめんなさい!!』

 余程成仏したくないのか必死に謝って来るマーリン。

「はぁ、取り敢えず鎖は解くから妙な真似するなよ？もし少しでも攻撃する素振りを見せたら、お前を成仏させるからな」

 気になることを言っていたので取り敢えずは、成仏させるかどうかは保留。

『いやー、ほんっとすいませんでした。はい』

 謝りながらローブから顔を出すマーリン。

 うわぁ....骸骨じゃん。

(骸骨ですな。エルダーリッチってところですかな？)

「エルダーリッチって骸骨よりゾンビってイメージだけどな」

(それは人によりますぞ!!)

 さて、色々と話を聞かないとな。

「で？お前は何がしたかったんだ？」

『あたしは、自分の器が欲しかったのさ』

「器？｣

『そうさ。あたしは昔世界最強の魔術師だったんだよ。その中でも死霊魔術が得意でね。研究をもっとしたかったから、死ぬ寸前で幽体離脱してこの家に住み着いている。器って言うのは簡単にいえば体さ。いくつもの死んだ体を集めて錬成して新しい体を作り出す。そしたらその体にあたしが入る。一種の転生？みたいなものだね』

 まさかのアヴェが言って死霊魔術のフラグをここで回収するとは。

 回収早すぎない？別に休んでくれててもええんやで？

 死んだ体を集めて錬成かぁ....ちょっと思い当たる事があるなぁ。