【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

ラグーン帝国とダンジョン都市レーレン

冒険者とギルドマスター②

前回のあらすじ

 知らず知らずのうちに、フラグが建っていた。



「大丈夫、大丈夫。アヴェ、相手してあげて。他の見ている連中にも分かるようにやれよ」

「分かりました」

 そう言ってアヴェは、モヒカン頭の前に出る。

「お、おい!!やめろ!!」

 グランツさんがアヴェの腕を掴もうとするので、私がグランツさんの腕を掴む。

「邪魔はダメだよ」

「だが.....」

「見てりゃ分かるって」

 アヴェには、分かりやすく潰せって言ってあるからな。

 ちゃんと他の冒険者達にも、見えるように叩き潰すはずだ。

「メイドかぁ?!冒険者にメイドとかセンスねぇんだよ!!屋敷の掃除でもしてろ!!」

 モヒカン頭の男が叫ぶ。

 ブチッ!!

 アヴェがブチ切れたっぽいな。

(あれはヤバいですぞ。アヴェ殿がガチギレしてますぞ。下手すると殺してしまいますぞ)

 .....殺しそうだったら止めに入るか。

「ご主人様に頂いたこの服を馬鹿にするとは.....よほど死にたいようですね」

 そう言ってアヴェは、ゆっくりとモヒカン頭に近づいていく。

「はん!!メイド風情がイキってんじゃねぇぞ!!」

 おっ、いい左のジャブだ。

 体重がしっかり乗り、いいスピードがでているジャブをモヒカン頭が放つ。

 実力があるって言われてるのも分かる。

 まぁそれでも雑魚だけどね。

 パシッ

 モヒカン頭のジャブをアヴェは、左手で受け止める。

 そのままモヒカン頭の懐に入り、右の脇腹に掌底を打ち込む。

 ドゴォ!!

 と衝撃音が響き、男の体はくの字に曲がる。

「カハッ」

 あっ、モヒカン頭が今の一撃でリバースした。

 四つん這いになり、脇腹を抑え呻いている。

「躾のなっていない犬は、どこでも吐くんですか？恥ずかしいですねぇ。とっととその汚物を舐めて綺麗にしなさい」

 アヴェが容赦なく、モヒカン頭の頭を踏みつける。

 うわぁ、自分の吐いた所に顔を押し付けられてるよ。

 汚ぇ。

「ほらっ!!どうしたんですか?!このクソ犬は!!自分が吐いたものを自分で処理できないんですか?!」

 ガンガンとモヒカン頭の頭を何度も踏みつける。

(あの村の時もそうでしたけど、やっぱ怒らせるとかなり性格が変わりますな。怖ぇ)

「それな。普通に怖ぇ」

(言っておきますが、我が主もスイッチ入るとあんな感じですぞ？)

「え？マジ？」

(マジですぞ)

 マジか、私もスイッチ入るとあんな感じなんだ。

 あ、やべぇ、モヒカン頭がそろそろ死にそうだ。

 私の為にキレてくれるのは嬉しいが、やり過ぎは気をつけて欲しいものだ。