【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪

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ラグーン帝国と冒険者

報酬とランクアップ③

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前回のあらすじ

ワイバーンって美味しいのかな?ジュルリ



 それから1週間たった。

 凍りついた魔物達を冒険者ギルドに運び解体。

 かなりの数の魔物がいたため、他の冒険者の人達も手伝ってくれた(シルクさんが脅した)。

 この街の領主さんに呼ばれ、お礼と報酬も貰った。

 すげぇまともな領主さんでした。

 どっかのクソ王国には見習って欲しいものだ。

 領主さんからの報酬は100万ロル。

 1万ロルで、4人家族が1ヶ月生活できる金額だと考えるとかなりの額だ。

 普通に豪邸を建てれる金額らしい。

 ありがたく貰っておいた。

「査定がやっと終わったぞ。ノア、アヴェ、これがお前らの報酬と倒した魔物達の素材やらなんやらの金額だ」

 再びギルドマスター室に呼ばれた私達の目の前には、沢山積み上がった金貨が置かれていた。

「えーと、これいくら?」

「ギルドからの報酬が50万ロル、素材うんぬんで2500万ロルだ。冒険者ギルドだけでは、この金額は出せなかったから商人ギルドにも売ってしまったが問題ないか?」

「問題無いけど、こんな大きい額になるとは思ってなかったよ」

「だろうな。私もこんなに積み上がった金貨を見るのは初めてだ。ちなみに2500万ロルの内訳は────」

「長くなりそうなんで言わなくていいです」

「?そうか?なら、金額の確認をしてくれ」

 私は『アイテムボックス』に全ての金額を収納する。

 この世界にも『アイテムボックス』に近い魔法『収納』があるそうなので、堂々と魔法を使っても問題ない。

 使える人は冒険者の中で、10人に1人ぐらいだそうだ。

 ただ、『収納』は時間停止機能が無く、容量制限があるので『アイテムボックス』の下位互換だ。

「確認はしないのか?」

「しないよ。信用してるから」

 実際はしてるんだけどね。

『アイテムボックス』に収納された金貨は、勝手に金貨の種類別に分けられる。

 分けられた金貨の枚数は表示されるので、後はそれを計算するだけ。

 20秒もあれば終わる楽な作業だ。

「そう言ってくれると嬉しいが、ちゃんと確認するべきだぞ」

「大丈夫だよ。金額を誤魔化して損するのは、そっちだからね」

「.....分かってるじゃないか」

 これで話は終わりかなと思って、ソファから腰をあげようとすると

「あー、待ってくれ。ギルドカードを出してくれないか?」

 ギルドマスターが私達を引き止める。

「なんでだ?」

「今回の魔物の襲撃での功績があるからな。Dランクに上がるぞ。本当はCに上げてもよかったんだが、Cランクに上がるのは試験があるからな」

「アヴェもか?」

「......アヴェは強いのか?一応アヴェもDに上げれる手続きはしてあるのだが....」

 まぁ、今回の襲撃でアヴェは戦闘してないからな。

「強いぞ、アヴェ」

 私がアヴェの名前を言った瞬間、ギルドマスターの首筋に普通のナイフが押し当てられる。

 いい動きだ。

「な、な、な、な、何が起こった?」

 動揺するギルドマスター。

「アヴェも十分強いだろ?」

 アヴェがギルドマスターからナイフを下げ、私の横に来る。

 やっぱ、アヴェ可愛いわ。

 頭を撫でてあげる。

「あ、あぁ、十分アヴェも強いな。分かった、アヴェのランクもDに上げておこう」

 そろそろこの街でやることはなくなったな。

 次のはあれだなダンジョン行きたい。

 魔の森みたいなダンジョンじゃなくて、地下におりてく洞窟式の。
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