【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪

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旅の始まりと初めての仲間

魔の森と訓練②

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前回のあらすじ

 アヴェが泣いてしまい困惑なう。



 アヴェはそのあと10分ほど泣き続け、寝てしまった。

 アヴェの頭を優しく撫で、『アイテムボックス』から毛布を取り出し掛ける。

「なぁ、イン。なんでアヴェは泣いてたんだ?」

(恐らくは、親以外に優しくされた事がなかったのでしょうな。黒狼族にいた時は、人の目につかないようにひっそりと暮らし、バレてしまったら死神の使いとして恐れられ、罵声を浴び、裏の奴隷商に売られ、奴隷商でも人として扱われず、替えのきく商品。そんな中、助けられ、少しだけ優しくされただけでも、心に響く物があったと思いますぞ)

「お前本当にスライムか?スライムの皮をかぶった人間じゃないのか?」

(わたしを創った主人がわたしの事をめっちゃ疑っている件について)

 なんだそのラノベのタイトルっぽいのは。

「しかし、今日は色々あり過ぎたな」

 異世界召喚され、【勇者】の称号を持たなかったため追放、そのまま王都を出て、魔の森で【ラグナロク】を使いスライムに、俺TUEEEEして、倒れた少女を保護してそのまま仲間に、少女の過去を聞いてなんか開いたらいけない扉を開き、その少女にアヴェと名前を付け、アヴェが泣きだし寝てしまった。

 これが今日1日であったんだぞ?今までで1番濃厚な1日だよコンチキショー。

「疲れた。私も寝る。水と食料は置いとくからアヴェが起きたら、食わせてやれ。後、ないとは思うが、私の『亜空間』に干渉してくるやつがいたら叩き起こせ」

(了解ですぞ!!)

「じゃ、おやすみイン」

(おやすみですぞ)

 翌日、私が起きると

「申し訳ありませんでした!!ご主人様!!」

 土下座してるアヴェがいた。

 「ん?どうした?」

「その....ご主人様にご飯を用意して頂いたにも関わらず、お見苦し所を見せた挙句、そのまま寝てしまったので....」

「あぁ、そんなことか。別に気にしてないぞ。それより飯はちゃんと食ったか?」

「はい!!とっても美味しかったです!!」

 アヴェがものすごく前のめりに答える。

 お、おう。それはよかった。

(おはようですぞ!!我が主)

「おはよ、イン」

 異世界召喚されてから、1日が過ぎた。

 昨日が濃厚すぎて正直、今日は何もやる気が起きない。

 まぁ、やらなきゃいけない事は沢山あるから、のんびりはまだしてられないな。

「イン、今日はどうする?冒険者登録とかをするか?」

 とりあえず困ったらインに聞く。

 主人としてはなんかダメな感じがあるが、ゲームでいた時もこんな感じだった。

(せっかく訓練環境があるのですから、アヴェ殿の強化をした方がいいと思いますぞ)

「まぁ、今の旅の目的は、アヴェの復讐だからそれが妥当か」

 復讐と聞いて若干殺気が漏れてるアヴェの方に顔を向ける。

「殺ります」

...........なんかちょっと、イントネーションが違った気がする。
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