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旅の始まりと初めての仲間

アヴェと隷属魔法①

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前回のあらすじ

 少女が死神の使いらしいけど、私の契約魔物に死神の使徒がいるんですがそれは。



「なぁ、死神の使いってなんだ?」

 土下座する少女に問いかける。

「....昔、黒狼族で内乱がありました」

 内乱か、どこの世界でもやってる事って変わらないんだな。

「理由は、どちらが黒狼族を治める長になるのかでした」

 定番だな。

「片方は力を持ち、もう片方は知恵を持っていました。
最初は力を持つ方が優勢に戦っていましたが、徐々に知恵を持つ方が優勢に、それを更に強い力でねじ伏せ、とイタチごっこのような争いだったそうです。しかしある日を境に、その内乱は終わりを迎えます」

「何があったんだ?」

「赤い目の死神です」

 ここで、赤い目が出てくるのか。

「その死神は、黒狼族でありながら赤い目を持っていました。通常、黒狼族は青い目です。その赤い目の死神は黒狼族の誰よりも力を持ち、誰よりも知恵を持っていました」

「その赤い目の死神が、力と知恵を殺したのか?」

「そうです。しかしそれだけではなく、ほとんどの黒狼族を殺したそうです。理由は分かっていません。生き残ったのはたった6人だったそうです。そこからかなりの苦労を経て今は200人程の集落になりました」

「そして赤い目を持って生まれた黒狼族は、死神の使いと言われ、村から追放されると」

「少し違います。私は15になるまで親に隠されてきましたが、本来赤い目で生まれた黒狼族は直ぐに殺されます。私の場合は、売った方が殺すよりも価値があると判断されたのでしょう。まだ処女ですし、私のような獣人は貴族などの性欲、ストレスの捌け口に丁度いいのです。特に人間至上主義国家だと。それなりにいい値段で売れたのでしょうね、村長がとっても笑顔でしたよ」

 殺気を抑えてるつもりだろうけど、漏れてるな。

「親は?」

「殺されました。死神の使いを匿った反逆者として」

 おうおう、殺気がすげぇ漏れてるぞ。

 ここまで話を聞いて私は少女に言った。

「復讐したいか?」

「.........復讐することは正しい事ですか?」

 復讐に正しいもくそもないだろうに。

「正しい正しくないじゃない。したいか、したくないか、どっちだと私は聞いているんだ」

 少女はぎゅっと拳を握りしめて

「.........したいです!!私の親を殺したあのグズ共を!!私を守ってくれた、私に唯一笑ってくれた、私の大好きだった、お母さんとお父さんを!!笑いながら殺し私を売った、あのグズでクソな生きる価値のないゴミ共を!!一人残らず、黒狼族の一族全てを!!殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺し尽くして!!お母さんとお父さんの仇を討ちたい!!」

 あかん、思ってた以上に深い闇を開いた気がする。

................まっ、いっか♪
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