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01 セブンスター
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高校生の喫煙描写、暴力描写、性描写があります。
二十歳未満の者の喫煙は法律で禁止されています。
白鳥美月というホストの源氏名みたいな本名のせいで幼い頃から目立っていたが、それに見合う容姿を僕は与えられ、母に似てぱっちりとした二重の女顔をしていた。
父のことは知らない。最初からいないのだからそれが普通だと思っていたし、母が朝でも昼でも夜でも色んな男を連れ込んで裸でアンアン喘いでいても、それが僕の日常だった。
小遣いも与えられなかったが祖父母の仕送りを僕は抜いていて、よく夜のゲーセンに行った。補導されかけたこともあったが、ジュースを奢ってくれるオッサンもいて、それなりに息抜きができていた。
ろくな教育はされなかったが、勉強はよくできた。小中と公立校で高校は地元でも進学校とされるところに合格でき、母は何も反応しなかったが祖父母は大層喜んでくれた。
勉強には厳しかったが校則がゆるいのがその高校のいいところで、僕は早速金髪に脱色した。やれお人形さんだの何だのと褒めそやされたため、髪は長めにしてたなびかせ、周囲の視線を集めた。
母があんなのだったから女なんかろくなもんじゃないと思っていて、告白されてもボロカスにけなして振りまくった。僕は男としかつるまなかった。身長が伸びなかったせいかやたらと撫でられ可愛がられ、姫とさえ呼ばれていた。
それは高校二年生の夏のことで、高校から帰宅するとリビングで知らない男が椅子に座ってタバコを吸っていた。また新しい相手か、今度は金持ってそうな身なりのいいオッサンだな、と思いながら、そいつの横をすり抜けて冷蔵庫からコーラを取り出すと、話しかけられた。
「美月くんやんな?」
「……はぁ」
オッサンは四十代くらいに見えた。体格がよく鼻筋も通っていて女には苦労しなさそうなツラだった。母がだらしないのにはうんざりしていたが連れてくる相手に不細工はいなかったのでそこだけは感心していた。
「お母さんなら寝てるで。少し話さへん?」
「話ですか……」
こんな風に母の相手と喋るのは初めてだった。出くわしても大抵無視されるかそそくさと逃げ帰られるのがオチだったから。僕も興味が沸いてしまったのでオッサンの向かい側の椅子に腰かけた。
「高校生やんな。何年生?」
「二年生です」
「そうかぁ。進学のこととか考えてるん?」
「大学は……行きたいです。この家も出たいんで」
僕の成績はあの進学校の中では中くらいといったところで、国立は無理でもそこそこの私立なら行けるんじゃないかと教師には言われていた。費用なら祖父母に泣きつけば何とかなりそうで、僕はこの家から遠い大学に照準を合わせていた。
「彼女とかおるん?」
「いませんよ。女なんて要らないです」
「可愛い顔しとうのにな。お母さんそっくりや」
オッサンは立ち上がって僕に近づいてきた。そして、素早く僕の首を絞めた。
「……かはっ」
「言うこと聞いてもらおか。ベッド行くんや」
小柄な僕がオッサンに敵うわけはない。殺されてはたまらないので半泣きになりながら僕の部屋に行くと、オッサンはベッドに突き飛ばしてきた。
「ズボンおろそか」
「い、嫌や……」
平手が飛んできた。僕は震える手でベルトを外した。ぐっと下着ごとおろされて、まじまじと見られた。
「可愛いなぁ……毛ぇも薄いし。使ったことないんやろ」
「はい……」
オッサンは僕のものをふにふにと触ってきた。誰かにそんなことなどされたことがなかった。僕はきゅっと目を閉じた。セミがうるさく鳴いていた。ねっとりとした感触がして舐められたのだとわかった。
「うっ……ううっ……」
下唇を噛んで必死に耐えた。大人しくしてさえいれば満足してくれるだろうか、そう考えて時の過ぎるのを待った。じゅぷじゅぷといやらしい音がして、嫌なのに、気持ち悪いのに、僕は勃起してしまっていた。レイプされる女も濡れるのだという。それと同じ状況だった。
「出してええんやで……」
悪魔の囁きだった。誰がオッサンなんかの手と舌で、そう思えば思うほど脈打つのがわかり、僕は情けなく口の中に吐き出してしまった。
「あっ……ああっ……」
オッサンは僕の髪を掴んで、僕の顔を自分の股間に近付けた。
「美月くんもやるんやで。できへんとは言わせへんで。おれの口に出したんやからな」
「わかりました……」
他人のものはやっぱりグロい、年のいったオッサンのものなら尚更だ。やけに毛深くて黒ずんでいて、僕はこわごわとそれを握って動かした。
「もっと強くしてもええんやで。舌も使って。先舐めて」
言われた通りに僕は動いた。とにかく出してしまえばいいのだろう、その一心で命令を聞いた。口をすぼめ、決して歯をたてないように。オッサンのものはとても太くて、口の中がパンパンになった。
「拙いなぁ……でも一生懸命やな。頑張り屋さんは好きやで」
予告もされずに出された。僕はなるべく味を感じなくても済むよう呼吸をせずに飲み込んだ。それでもしつこく残る精液の味は生臭くて苦くて今すぐ歯を磨きたかった。
「ようできたな。ええ子や。タバコやるわ」
そうしてリビングに戻って一本もらった。それがセブンスターとの出会いだった。
二十歳未満の者の喫煙は法律で禁止されています。
白鳥美月というホストの源氏名みたいな本名のせいで幼い頃から目立っていたが、それに見合う容姿を僕は与えられ、母に似てぱっちりとした二重の女顔をしていた。
父のことは知らない。最初からいないのだからそれが普通だと思っていたし、母が朝でも昼でも夜でも色んな男を連れ込んで裸でアンアン喘いでいても、それが僕の日常だった。
小遣いも与えられなかったが祖父母の仕送りを僕は抜いていて、よく夜のゲーセンに行った。補導されかけたこともあったが、ジュースを奢ってくれるオッサンもいて、それなりに息抜きができていた。
ろくな教育はされなかったが、勉強はよくできた。小中と公立校で高校は地元でも進学校とされるところに合格でき、母は何も反応しなかったが祖父母は大層喜んでくれた。
勉強には厳しかったが校則がゆるいのがその高校のいいところで、僕は早速金髪に脱色した。やれお人形さんだの何だのと褒めそやされたため、髪は長めにしてたなびかせ、周囲の視線を集めた。
母があんなのだったから女なんかろくなもんじゃないと思っていて、告白されてもボロカスにけなして振りまくった。僕は男としかつるまなかった。身長が伸びなかったせいかやたらと撫でられ可愛がられ、姫とさえ呼ばれていた。
それは高校二年生の夏のことで、高校から帰宅するとリビングで知らない男が椅子に座ってタバコを吸っていた。また新しい相手か、今度は金持ってそうな身なりのいいオッサンだな、と思いながら、そいつの横をすり抜けて冷蔵庫からコーラを取り出すと、話しかけられた。
「美月くんやんな?」
「……はぁ」
オッサンは四十代くらいに見えた。体格がよく鼻筋も通っていて女には苦労しなさそうなツラだった。母がだらしないのにはうんざりしていたが連れてくる相手に不細工はいなかったのでそこだけは感心していた。
「お母さんなら寝てるで。少し話さへん?」
「話ですか……」
こんな風に母の相手と喋るのは初めてだった。出くわしても大抵無視されるかそそくさと逃げ帰られるのがオチだったから。僕も興味が沸いてしまったのでオッサンの向かい側の椅子に腰かけた。
「高校生やんな。何年生?」
「二年生です」
「そうかぁ。進学のこととか考えてるん?」
「大学は……行きたいです。この家も出たいんで」
僕の成績はあの進学校の中では中くらいといったところで、国立は無理でもそこそこの私立なら行けるんじゃないかと教師には言われていた。費用なら祖父母に泣きつけば何とかなりそうで、僕はこの家から遠い大学に照準を合わせていた。
「彼女とかおるん?」
「いませんよ。女なんて要らないです」
「可愛い顔しとうのにな。お母さんそっくりや」
オッサンは立ち上がって僕に近づいてきた。そして、素早く僕の首を絞めた。
「……かはっ」
「言うこと聞いてもらおか。ベッド行くんや」
小柄な僕がオッサンに敵うわけはない。殺されてはたまらないので半泣きになりながら僕の部屋に行くと、オッサンはベッドに突き飛ばしてきた。
「ズボンおろそか」
「い、嫌や……」
平手が飛んできた。僕は震える手でベルトを外した。ぐっと下着ごとおろされて、まじまじと見られた。
「可愛いなぁ……毛ぇも薄いし。使ったことないんやろ」
「はい……」
オッサンは僕のものをふにふにと触ってきた。誰かにそんなことなどされたことがなかった。僕はきゅっと目を閉じた。セミがうるさく鳴いていた。ねっとりとした感触がして舐められたのだとわかった。
「うっ……ううっ……」
下唇を噛んで必死に耐えた。大人しくしてさえいれば満足してくれるだろうか、そう考えて時の過ぎるのを待った。じゅぷじゅぷといやらしい音がして、嫌なのに、気持ち悪いのに、僕は勃起してしまっていた。レイプされる女も濡れるのだという。それと同じ状況だった。
「出してええんやで……」
悪魔の囁きだった。誰がオッサンなんかの手と舌で、そう思えば思うほど脈打つのがわかり、僕は情けなく口の中に吐き出してしまった。
「あっ……ああっ……」
オッサンは僕の髪を掴んで、僕の顔を自分の股間に近付けた。
「美月くんもやるんやで。できへんとは言わせへんで。おれの口に出したんやからな」
「わかりました……」
他人のものはやっぱりグロい、年のいったオッサンのものなら尚更だ。やけに毛深くて黒ずんでいて、僕はこわごわとそれを握って動かした。
「もっと強くしてもええんやで。舌も使って。先舐めて」
言われた通りに僕は動いた。とにかく出してしまえばいいのだろう、その一心で命令を聞いた。口をすぼめ、決して歯をたてないように。オッサンのものはとても太くて、口の中がパンパンになった。
「拙いなぁ……でも一生懸命やな。頑張り屋さんは好きやで」
予告もされずに出された。僕はなるべく味を感じなくても済むよう呼吸をせずに飲み込んだ。それでもしつこく残る精液の味は生臭くて苦くて今すぐ歯を磨きたかった。
「ようできたな。ええ子や。タバコやるわ」
そうしてリビングに戻って一本もらった。それがセブンスターとの出会いだった。
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