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14 テーブルマナー
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絵画の『最後の晩餐』みたいな食卓を前に、私は凍りついていた。
ここだけの話、魔族が虫とか爬虫類の料理を食べてたらどうしよう!ってのはあった。
その予想は見事に裏切られたけど、そっちの方が私が我慢すればいいだけ、むしろマシだった気がする。
だって朝食だよ。
庶民的なパンと牛乳じゃないのは分かってたつもりだけど、カジュアルなイタリアンレストラン的なのを想像してた。
でも、まずテーブルからしてもう高級感ありすぎ。
大きさもだけど、高そうな絹のクロスが敷かれて、その上には綺麗な花が生けられた花瓶と、銀っぽいナイフとフォークがいくつも並んでいた。
うん。明らかにテーブルマナー必須です!って感じ。
私、テーブルマナーなんて知らないんだけどっ!
そんな肩が凝りそうな食事をする機会が、女子高生にあるってんなら、お目にかかりたい。
ナイフとフォークの扱いだって、完璧かって言われたら、なんとなく適当に使ってるだけだし。
お箸と違って、誰からも正しい使い方なんて教わらないんだもん。仕方ないでしょ。
テーブルマナーのある食事って言ったら、身内の結婚式ぐらいだけど、両親や周りの人がやってるのを真似してただけだから、正直覚えてない。
それに、この世界の魔族のテーブルマナーは全然違うかもしれないし。
「アイリ、どうかしたのか?」
私たちの間に距離ができたことに気づいて、ルークが振り返って声をかけてくる。
お腹が痛いと逃げ出せたら、どんなにいいだろう。
いっそそう言ってしまおうかと思ったけど、
「……ううん、なんでもないの」
今まで待たせておいて、そんな嘘つけないよ。
本当にお腹が痛いなら別だけど。
「? そうか、ならいいが……」
ルークは私の様子が変だと気付きつつも、私が何も言わないのでそれ以上深く追求しないで席へ向かった。
大きなテーブルに寂しく見えるけど、食器が用意されてるのは奥の二つだけだった。
右奥の席に私、奥にはルークが座る。
着席を確認すると、ウェイターさんみたいな人が、早速お皿が運んでくる。
目の前に置かれたのは澄んだ琥珀色のスープだった。
スープってスプーンでいいんだよね。
当たり前のこと言ってるなぁって思うでしょ?
でも当たり前じゃないんだよ。
右に大きなスプーンと、奥にも小さなスプーンがあって、どっちを使っていいのか迷ってしまう。
右の大きな方でいいんだよね、とルークを見ると右のスプーンを手に取ろうとしてた所だったので、私はほっとして、真似をした。
そっか、ルークの真似をしてけばいいんだ。
その分、食べ始めるのはちょっと遅くなるけど、早食いすればいいんだもん。太りそうだけど。
心の安定の方が大事だ。
だけど、そう思えたのはその時だけだった。
次に運ばれてきた空皿と左奥にサラダが入った皿が置かれても、ルークは食べる気配がなかった。
「ルーク、食べないの?」
副音声では、食べてもらわなきゃ困るよ!だけど。
「朝は食指が動かぬ。アイリは我に構わず続けていい」
なんだとぉー!
なんでそんなこと言い出すのよ!
朝食に誘ったのはルークでしょ?!
喉元まで出かかったけど、ウェイターさんたちの目があることを思い出し、グッと我慢する。
ルークは本当に食べるつもりがないらしく、イライラしたまま、仕方なく私は目の前のサラダに集中することにした。
サラダなのに、別の皿がなぜ用意されたのか考える。
一口分ずつ取るため、かな。
ナイフとフォークの両方を使う気はするけど、内からか外からか迷う。
どんなに悩んだって、私の中に答えはない。
どちらにしようかな天の神様の言う通り。
メロディーに乗せてどちらにするか決定すると、私は覚悟を決めて、内側の方のナイフとフォークをそっと手に取った。
ざわっ。
ビクッとしたけど、何とか振り返りたくなるのを我慢した。
私、間違った?
多分、後ろに控えてるウェイターさんたちが発した声だよね。
ウェイターさんたちは教育が行き届いてるのか、それ以上声を出したりしなかったけど、視線を交わし合って、私のマナーがなっていないことを嘲笑っている気がした。
口に運んだサラダは味がしなかった。
クリーム色のドレッシングがたっぷりかかっていて、美味しいはずなのに。
「味が気に入らんか? 気に入らなければ変えさせるが……」
ルークが私の様子を不審に思って、そう声をかけてくる。
味が気に入らなくて、不味そうな顔をしてると勘違いしたみたい。
私のこと気にかけてくれてるんだなぁって嬉しくなる場面かもしれないけど、今の私には迷惑な言葉でしかなかった。
ただでさえマナーのなってない子のレッテル貼られてそうなのに、その上料理の味にまで文句言うような恥知らずにしないでよ!
「えっ! うん、凄く美味しいよ!」
本当は味なんてしないのに、そう言い繕う。
言いながら気になるのは、ウェイターさんたちの存在だ。
「それとも、我と食事するのが嫌なのか?」
納得していない様子でルークが何か呟いたけど、私には聞こえてなかった。
早く帰りたい。
目の前の皿がウェイターさんに下げられていくのを見ながら、私はそう願わずにはいられなかった。
朝ごはんなんだから、後はパンだけでいい。
私の希望も虚しく、次に運ばれてきたのは、もう嫌がらせとしか思えない頭付きの魚料理。
そのとき、ウェイターさんが外のナイフとフォークを抜いて、内側に今まで私が使っていたのと同じ物を補充したので、やっぱり間違ってたんだってへこむ。
今度こそ間違えないようにしたいけど……。
皿の外側のナイフとフォークを手に取る。
マナーのマの字もない我が家なら、頭を手で押さえて身を箸でほぐしちゃうけど、それはやっちゃいけないよね。
頭は落とさなきゃいけないの、それとも落としちゃ駄目なの? 誰か教えて。
追い詰められながら、震え出した手に握ったナイフで、頭と身の部分に切り分けた。
ざわざわっ。
ウェイターさんたちが驚いてる。
……嘘。またやっちゃった?
顔が蒼白になってるって自分でも分かる。
右手からフォークが滑り落ちた。
無意識に拾おうとして、それはマナー違反だって思い出した時には、もう右手に取り戻してしまっていた。
クスクスクス。
小さいけど、食堂は静まり返っていて、おかしそうに笑う声がはっきりと聞こえた。
もう、ダメ。
体が震えて食事どころじゃない。
ウケを狙って変なことして笑われるならいいけど、真剣にやったことを笑われると精神的なダメージが大きい。
ルークもきっと呆れてる。
それとも怒ってる、かな。
誘った相手が、ウェイターさんに笑われるなんて、ありえないもんね。
私は拾った体勢のまま、恥かしさと怖さで顔を上げられなかった。
そんな時、ルークの怒声が降ってきた。
「下がれ!」
ビクッと震える。
ルークの感情剥き出しの声を、初めて聞いた気がする。
下がれって出て行けってことだよね。
自分が悪いって分かってるのに、泣きそうになった。
まさかルークがここまで怒るなんて思っていなかった自分が信じられなかった。
彼の優しさを知ったことで、いつの間にか、ルークなら許してくれると甘えていたのだろう。
謝って許してもらうしかない。
マナーなんて知らなかった、なんて言ったら言い訳に聞こえてしまうだろうか。
込み上げてくる何かと必死に戦うと、私はなんとかテーブルから顔を上げた。
ごめんね、ルーク。
でも、その言葉が私の口から出ることはなかった。
ここだけの話、魔族が虫とか爬虫類の料理を食べてたらどうしよう!ってのはあった。
その予想は見事に裏切られたけど、そっちの方が私が我慢すればいいだけ、むしろマシだった気がする。
だって朝食だよ。
庶民的なパンと牛乳じゃないのは分かってたつもりだけど、カジュアルなイタリアンレストラン的なのを想像してた。
でも、まずテーブルからしてもう高級感ありすぎ。
大きさもだけど、高そうな絹のクロスが敷かれて、その上には綺麗な花が生けられた花瓶と、銀っぽいナイフとフォークがいくつも並んでいた。
うん。明らかにテーブルマナー必須です!って感じ。
私、テーブルマナーなんて知らないんだけどっ!
そんな肩が凝りそうな食事をする機会が、女子高生にあるってんなら、お目にかかりたい。
ナイフとフォークの扱いだって、完璧かって言われたら、なんとなく適当に使ってるだけだし。
お箸と違って、誰からも正しい使い方なんて教わらないんだもん。仕方ないでしょ。
テーブルマナーのある食事って言ったら、身内の結婚式ぐらいだけど、両親や周りの人がやってるのを真似してただけだから、正直覚えてない。
それに、この世界の魔族のテーブルマナーは全然違うかもしれないし。
「アイリ、どうかしたのか?」
私たちの間に距離ができたことに気づいて、ルークが振り返って声をかけてくる。
お腹が痛いと逃げ出せたら、どんなにいいだろう。
いっそそう言ってしまおうかと思ったけど、
「……ううん、なんでもないの」
今まで待たせておいて、そんな嘘つけないよ。
本当にお腹が痛いなら別だけど。
「? そうか、ならいいが……」
ルークは私の様子が変だと気付きつつも、私が何も言わないのでそれ以上深く追求しないで席へ向かった。
大きなテーブルに寂しく見えるけど、食器が用意されてるのは奥の二つだけだった。
右奥の席に私、奥にはルークが座る。
着席を確認すると、ウェイターさんみたいな人が、早速お皿が運んでくる。
目の前に置かれたのは澄んだ琥珀色のスープだった。
スープってスプーンでいいんだよね。
当たり前のこと言ってるなぁって思うでしょ?
でも当たり前じゃないんだよ。
右に大きなスプーンと、奥にも小さなスプーンがあって、どっちを使っていいのか迷ってしまう。
右の大きな方でいいんだよね、とルークを見ると右のスプーンを手に取ろうとしてた所だったので、私はほっとして、真似をした。
そっか、ルークの真似をしてけばいいんだ。
その分、食べ始めるのはちょっと遅くなるけど、早食いすればいいんだもん。太りそうだけど。
心の安定の方が大事だ。
だけど、そう思えたのはその時だけだった。
次に運ばれてきた空皿と左奥にサラダが入った皿が置かれても、ルークは食べる気配がなかった。
「ルーク、食べないの?」
副音声では、食べてもらわなきゃ困るよ!だけど。
「朝は食指が動かぬ。アイリは我に構わず続けていい」
なんだとぉー!
なんでそんなこと言い出すのよ!
朝食に誘ったのはルークでしょ?!
喉元まで出かかったけど、ウェイターさんたちの目があることを思い出し、グッと我慢する。
ルークは本当に食べるつもりがないらしく、イライラしたまま、仕方なく私は目の前のサラダに集中することにした。
サラダなのに、別の皿がなぜ用意されたのか考える。
一口分ずつ取るため、かな。
ナイフとフォークの両方を使う気はするけど、内からか外からか迷う。
どんなに悩んだって、私の中に答えはない。
どちらにしようかな天の神様の言う通り。
メロディーに乗せてどちらにするか決定すると、私は覚悟を決めて、内側の方のナイフとフォークをそっと手に取った。
ざわっ。
ビクッとしたけど、何とか振り返りたくなるのを我慢した。
私、間違った?
多分、後ろに控えてるウェイターさんたちが発した声だよね。
ウェイターさんたちは教育が行き届いてるのか、それ以上声を出したりしなかったけど、視線を交わし合って、私のマナーがなっていないことを嘲笑っている気がした。
口に運んだサラダは味がしなかった。
クリーム色のドレッシングがたっぷりかかっていて、美味しいはずなのに。
「味が気に入らんか? 気に入らなければ変えさせるが……」
ルークが私の様子を不審に思って、そう声をかけてくる。
味が気に入らなくて、不味そうな顔をしてると勘違いしたみたい。
私のこと気にかけてくれてるんだなぁって嬉しくなる場面かもしれないけど、今の私には迷惑な言葉でしかなかった。
ただでさえマナーのなってない子のレッテル貼られてそうなのに、その上料理の味にまで文句言うような恥知らずにしないでよ!
「えっ! うん、凄く美味しいよ!」
本当は味なんてしないのに、そう言い繕う。
言いながら気になるのは、ウェイターさんたちの存在だ。
「それとも、我と食事するのが嫌なのか?」
納得していない様子でルークが何か呟いたけど、私には聞こえてなかった。
早く帰りたい。
目の前の皿がウェイターさんに下げられていくのを見ながら、私はそう願わずにはいられなかった。
朝ごはんなんだから、後はパンだけでいい。
私の希望も虚しく、次に運ばれてきたのは、もう嫌がらせとしか思えない頭付きの魚料理。
そのとき、ウェイターさんが外のナイフとフォークを抜いて、内側に今まで私が使っていたのと同じ物を補充したので、やっぱり間違ってたんだってへこむ。
今度こそ間違えないようにしたいけど……。
皿の外側のナイフとフォークを手に取る。
マナーのマの字もない我が家なら、頭を手で押さえて身を箸でほぐしちゃうけど、それはやっちゃいけないよね。
頭は落とさなきゃいけないの、それとも落としちゃ駄目なの? 誰か教えて。
追い詰められながら、震え出した手に握ったナイフで、頭と身の部分に切り分けた。
ざわざわっ。
ウェイターさんたちが驚いてる。
……嘘。またやっちゃった?
顔が蒼白になってるって自分でも分かる。
右手からフォークが滑り落ちた。
無意識に拾おうとして、それはマナー違反だって思い出した時には、もう右手に取り戻してしまっていた。
クスクスクス。
小さいけど、食堂は静まり返っていて、おかしそうに笑う声がはっきりと聞こえた。
もう、ダメ。
体が震えて食事どころじゃない。
ウケを狙って変なことして笑われるならいいけど、真剣にやったことを笑われると精神的なダメージが大きい。
ルークもきっと呆れてる。
それとも怒ってる、かな。
誘った相手が、ウェイターさんに笑われるなんて、ありえないもんね。
私は拾った体勢のまま、恥かしさと怖さで顔を上げられなかった。
そんな時、ルークの怒声が降ってきた。
「下がれ!」
ビクッと震える。
ルークの感情剥き出しの声を、初めて聞いた気がする。
下がれって出て行けってことだよね。
自分が悪いって分かってるのに、泣きそうになった。
まさかルークがここまで怒るなんて思っていなかった自分が信じられなかった。
彼の優しさを知ったことで、いつの間にか、ルークなら許してくれると甘えていたのだろう。
謝って許してもらうしかない。
マナーなんて知らなかった、なんて言ったら言い訳に聞こえてしまうだろうか。
込み上げてくる何かと必死に戦うと、私はなんとかテーブルから顔を上げた。
ごめんね、ルーク。
でも、その言葉が私の口から出ることはなかった。
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