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四章 魔物大戦争編
七話 黒い龍vs赤い鬼 後編
しおりを挟む頭を後ろから殴られた黒炎龍は怒りに満ちた視線を向けてくる。俺は大槌を瞬時に回収し、大盾に姿を変えて構える。
ついでに足下に仕掛けを施す。次の攻撃が爪か牙なら、この仕掛けが機能するだろう。
「グルル……グラァァアアアア!!」
しかし、黒炎龍の選んだ攻撃はまたしても黒炎弾のようだ。
「それなら……」
黒炎龍の口から1mくらいの黒炎弾が放たれる。同時に俺は大盾を黒炎弾に向けて投擲。勿論細い紐状の血液で繋がりを保つことも忘れない。繋がってないと盾の形を保たないからな。
不発に終わった仕掛けを回収し動き出すと、ちょうど大盾と黒炎弾がぶつかり合い、黒い炎が爆発的に広がり大盾を呑み込み蒸発させた。
「やれやれ……今朝から溜めてた血なんだけどな。簡単に消し飛ばしてくれるなよ」
愚痴をこぼしながら回避行動を取ると、さっきまで俺が立っていた所へ次々と黒炎弾が撃ち込まれていく。
着弾した地面が爆ぜ、黒炎がボワッ!!っと広がり消える。あれだな……溶岩のようなものじゃなくて、可燃性ガスが燃える時のような、一瞬でボッ!って燃えてすぐに消えるタイプの炎だな。しかし一発一発が1mくらいの大きさから、着弾と同時に3mくらいに燃え広がるから厄介だ。
「しかも俺の血が蒸発したってことは熱量も相当だな……」
一撃なら血の鎧で耐えられるかもしれないが、連続は絶対にまずいな。
「グルルルル……貴様も逃げるしか能がないのか?」
「あ?」
黒炎龍の視線には落胆も侮蔑の色も見られない……それは冷静さを感じさせる落ち着いた視線だった。
こいついっちょ前に挑発してきたのか? 無自覚か、それとも当たらないから動揺させるつもりか……舌戦で勝てるとでも思っているのか?
「お前だってしょっぼいブレスに逃げてるじゃねぇか。ご自慢の鱗で防げない俺の攻撃をビビってんだろ?」
立ち止まり、再度仕掛けを施しつつ煽る。そりゃ直接攻撃を防がれたら遠距離攻撃に切り替えるのは自然なことだ。悪くないと俺も思うさ。しかし言葉次第で、あたかもそれは逃げだと責めることだって出来る。
再び大盾を作り出し、受け止めてやるとアピールすると黒炎龍の額に青筋が浮かんだ気がした。
「グルルル……貴様ァッ!!!」
はい、単細胞の翼付きトカゲが釣れた。その短絡は……高くつくぜ?
黒炎龍は右腕を大きく振り、力任せに叩き潰そうとする。大盾を構えたからって受け止めるなんて言ってないぞ? 頭に血が上って警戒心が薄れたか?
大盾をかざし来たるべくタイミングを待つ。
「それは悪手だ。腕一本……貰うぜ」
黒炎龍の爪と俺との距離が1mを切った瞬間に、大盾の中心から一本の太い杭が飛び出し、地中から二本の巨大な刃が土を切り裂き、払い退けながら黒炎龍の腕を両断せんと現れる。
日本人ならお馴染みの、しかしこの世界の人は服屋くらいしか見たことがないだろう……ハサミなんて。
大盾から伸びた杭が黒炎龍の手を貫通したと同時に、抜けないように返しを作り出す。そして刃渡り4mの巨大な血の刃が交差する。
バツンッと……耳障りな音が聞こえた。
「ギュァァアアアアア!!!!」
右腕の肘から先を失いのたうち回る黒炎龍。すかさず間合いを詰め、大盾とハサミに使った血を巨大な剣へと変形させる。
「!?」
痛みの中で俺に視線を向けた黒炎龍の目が見開かれる。
「見たことないだろう?刃渡り10mの大剣なんて」
天高く掲げた大剣を全力で振り下ろす。未だに俺の血の攻撃を受け止められない黒炎龍は、無様に転がりながら回避するが……残念ながら左足だけがその場に取り残されることとなった。
「ギャアアアアアア!!!!!」
これで右腕と左足……もうまともに戦うことは出来ないだろう。
解析を使う俺の右目が金色の輝きを増し、黒炎龍のステータスを映し出す。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
名前 ジルニトラ Lv16 0歳 龍族
HP 53400/112000
MP 91600/112000
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
まだHPは半分ほどあるが見る見るうちに減っていく。出血が酷いからだろうな。さて……そろそろか。
「……期待外れだな。おい、龍ってのはどいつもこいつもその程度なのか?」
「グッ……グラァァァァアアアアア!!!!」
散々煽ってきたおかげで漸くブチギレた黒炎龍が起き上がれずも顔を俺に向ける。怒りか痛みからか尻尾が暴れ狂い、左手は大地をえぐり掴む。怒号を一つ響かせ閉じられた口は、牙と牙の隙間から真っ黒な炎がチロチロと漏れ出ていた。
溜めてやがる、ということは……全力のブレスが来る――
「いいぜジルニトラ。お前の攻撃と俺の攻撃……どっちが上かはっきりさせようぜ」
大剣を消し、鎧以外の全ての血を右腕に集める。腰を少し落とし、右腕を引いた。鎧の上から更に腕甲を付けたようなゴツゴツとした無骨な装甲が出来上がるが、防御するつもりなんてこれっぽっちもない。
黒炎龍と視線が交わる……あぁ、お前もわかるか。
キレて憎しみと怒りの視線を向けてきた黒炎龍の眼は……今はもう澄み渡り一心不乱に俺を見つめ続けていた。
そして黒炎龍の眼が三度その色を変える、次は驚きだろうか。
「……名を聞こうか……吸血鬼」
「カルマだ。自分でも疑わしくなってきたけど、これでも人間だ」
「クハハ……斯様な人間がいるわけがなかろう……血を操る赤い鬼よ」
人の顔色を見るのは得意だった。流石に龍の眼が何を語っているかなんてぼんやりとしかわからないけどさ……。
思わず口元が緩み、口角が上がってしまう。黒炎龍……やっぱりお前は悪じゃないよ。
「いくぞ黒炎龍――」
「――受けてみよ……赤い鬼」
お前の眼は……強敵と戦えて嬉しいって言ってるよ。
黒炎龍の口から漏れ出る黒い炎がヒュっと吸い込まれた。それはまるでバックドラフトのような……これから起こるであろう災害の前兆。
「――“極限圧縮”ッ!!!」
ここしかないというタイミングでとっておきのスキルを使う。今、俺の纏う血は既に限界まで凝縮済みだが、そこからほんの数秒だけ圧縮することが出来る。
そう一度は諦めた圧縮だが、ある条件がわかるとひとつだけ圧縮を可能とする方法を見つけることが出来た。
血操魔法の支配下にある血は、凝縮することは出来るが圧縮は出来ない。凝縮した血は血操魔法を解除してもそのままである。そして血操魔法の支配下にない血は凝縮は出来ないが圧縮は出来る。
そこで圧力をかけるというイメージに役立ったのは高圧洗浄機だ。水に圧をかけて噴き出す威力を上げて使用する掃除に使ったりするやつだ。
血操魔法の支配外の血を、血操魔法の支配下の血で外側を囲み、無理やり押し込んでいく。すると凝縮から圧縮までされた血の出来上がりだ。
黒炎龍の口が開き喉奥から黒い煉獄の炎が、螺旋回転をしながら一筋の竜巻となって襲い掛かってくる。
対する俺の右手には深紅の刀が一本握られていた。凝縮と圧縮を施した、今の俺に出来る最強の武器だ。
剣道の心得なんてない俺は一歩踏み込み、野球のオーバースローのようなファームで刀を上から下へと力いっぱい振りぬいた。空中に紅い軌跡を描きながら刀が黒炎龍のブレスに接触する。
赤と黒がぶつかり――爆ぜる。
世界から音が消えたと錯覚してしまうような爆音を響かせ、黒炎龍のブレスと俺の刀が消滅する。
蒸発した血煙が周囲一帯を覆い隠し、視界は最悪だが、動けない黒炎龍は正面に居るだろう。
致死の熱量を孕んだ爆風を防いでくれたのか血の全身鎧も形を保てなくなっている。
武器も防具もないが……問題ないだろう。俺は無造作に正面に向かって歩き出した。
ほどなくして黒炎龍の頭が見えた。その鼻先に立ち腰に手を当てながら話しかける。
「よう……まだ生きてるか?」
「グルル……体が動かん……こんなに近くに居るのに、まさか私が喰い付くことすら出来んとは……あぁ寒い……これでやっと……」
やっと……やっとか……。
「……魔物使いから解放される……か? それでいいのか? 俺は魔物使いをぶっ飛ばすぞ……それを見られなくていいのか?」
「それは……心残りだな……あぁ……こんなに死にたくないものだとは思わなかった……」
黒炎龍のHPはもう6000を切っている。もって後一分といったところだろう。
「最初に言っただろう、お前を眷属にするって。……俺と一緒に生きようぜ、ジルニトラ……!」
「……全く…………強情な主殿だ」
素直じゃないヤツめ。口元が緩んでるぞ……俺もだけどさ。
「……俺の血を飲んで、眷属になると宣言してくれ」
わずかに開かれた口の隙間から血を操作し喉の辺りまで入れてやると、ジルニトラは自らごくりと飲み込んだ。
「……主殿の眷属になると誓おう」
すると、黒炎龍の体を紅い光が包み込み眩い光を放った。魔物使いの呪縛を消し飛ばし、俺の眷属として作り変えられる。
目も眩む閃光が過ぎ去った後には黒炎龍の巨体は跡形も無くなっていた。
「は?……聞いてないんだけど……」
俺の足元には体長1m程の全身に黒い鱗を持つ龍が横たわっていた。その額や頬には紅い紋様が浮かび微かに光を帯びていた。目を閉じ規則正しい呼吸をしている姿は眠っているようだ。
そして聞きなれた『ヴォン』という機械音が耳に入り、新しいウィンドウが立ち上がった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
Congratulations!!
新しい眷属を獲得しました。
眷属に名前を付けてください。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「マジかよ……っとそれより……」
見たところ黒炎龍(小)に傷はなく出血もしていない。更には失った腕も足もちゃんとある。体長が大型犬くらいになったこと以外は問題なさそうだ。
黒炎龍(小)のステータスウィンドウに視線を移し、HPが全快していることを確認し、一先ず安心することが出来た。しかし……名前……名前ねぇ。
腕を組み悩んでいると黒炎龍(小)が、ゆっくりと目を開ける。
「……クゥ……クゥ?」
黒炎龍は俺を見上げ不思議そうな顔をした後自分の体を見て「クゥォオオ!?」と可愛らしい鳴き声を上げた。
なんだろう……ちょっと可愛いとか思ってしまった。
「なぁ、しゃべれるか?」
「クゥゥウウ! クォオ!?」
馬鹿にするな! とか言ってそうだが、残念ながら鳴き声にしか聞こえなかった。あ、そういえば……。
『先輩が眷属になると念話が使えるようになるって教えてくれたんだけど、念じると意思を伝えたりできるか?』
『うぅううーーん!……出来ない!!』
「いや出来てるよ。それでなんで縮んだのか気になるところだけど、とりあえずお前に名前をつけないといけないみたいだ。なんか希望はあるか?」
『……主殿に任せる!!』
「へいへい……ジルニトラ……うーーん。ジル……ニトラ……ニトラでいいか?」
『わかった! 私はこれからニトラね!』
なんかこいつ性格変わってない? 大丈夫かな? 改めてニトラのステータスに目を通す。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
名前 ニトラ Lv1 0歳 黒血龍族
HP 64000/64000
MP 64000/64000
スキル 黒炎 炎魔法 風魔法 飛翔 血の繋がり
称号 新種族 カルマの筆頭眷属
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ステータスは強い……んだけどな。なんか不安だわ。
それに眷属になったからか、敵対しなくなったからかはわからないけどスキルや称号まで見えるようになっていた。
気になるところに焦点を当てると詳細が表示された。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
血の繋がり 主から血を与えられるとその量に応じて巨大化、強力化する。
新種族 過去に類を見ない新しい種族。
カルマの筆頭眷属 筆頭眷属の証。念話の距離に特大補正。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「おぉう……ニトラは巨大化するのか……」
後はまぁ……特に取り上げる程の情報じゃなかったな。
『主殿!! 魔物使いがいなくなってるよ!!』
「!?」
ニトラの視線の先には地竜の姿がある。上空に転移してきた時に、地竜の背にローブの男がいたのを見ている……。
しかし、今そこに魔物使いの姿はない。
「……一体、何処に……?」
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