黒豹陛下の溺愛生活

月城雪華

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二章

探し人 4

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「珍しいな、いつもなら『早く連れて行け!』っつって俺に押し付けるお前が」

 レオがセオドアの声真似をし、それにセオドアが笑う。

「おい、一体俺をなんだと思ってんだ」

 似てないだろ、とセオドアはカウンターに肘を突き、レオに柔らかな視線を投げ掛ける。

「我ながら似てると思うんだけどな。──なぁ、お前らはどうだ?」

 あまり納得していないらしいレオが、後ろで飲んでいる客らの方を振り向いて大きな声で尋ねる。

「おう、セオそっくりだ! 一瞬聞き間違えたくらいだぞ」

「レオは芸達者だなぁ」

「よぉし、誰が一番店長らしいか競おうぜ! 負けた奴の奢りな!」

 めいめいに思ったことを仲間内で言い合うと、一人の獣人の声を皮切りにセオドアの声真似、もとい物真似が始まった。

 レオはその仲間の輪に割って入り、時折楽しそうな声を上げている。

「あのなぁ……」

 セオドアは近くで繰り広げられる様子に小さく苦笑し、しかし怒ることはなかった。

 むしろ楽しそうに、己の真似をするレオを始めとした客らを優しげな瞳で見つめている。

(あれ、いつも止めないとってくらい怒るのに)

 ここ数日でセオドアの人となりは知ったつもりだが、普段は好き勝手する客を軽くいなしたりいさめる程度だ。

 ただ、あまりにも暴れる客らを叱り飛ばすのはもちろん、それだけでは飽き足らずセオドアが加勢する時もままあった。

 最終的に凛晟と同じく毎日来ているレオが仲裁に入り、やっと収まるといったふうがほとんどだ。

 だからか怖いほど上機嫌で、そんなセオドアに違和感すら抱いてしまう。

「ん? どうした?」

 こちらの視線に気付いたセオドアに、わしわしと頭を撫でられる。

 どこか優しい手つきのそれは、改めてレオとはまた違うのだと実感した。

「や、何も。……えっと、セオドアさん」

 アレンは名を呼ぶと短く唇をつぐみ、じっとセオドアを見つめた。

 大きな耳はわずかに後ろに倒れ、先程よりも尻尾の揺れが早くなっている。

「んー?」

 緩く首を傾げ、こちらをいつくしむような瞳は柔らかく細められている。

「あ、後は俺がやっておくから、セオドアさんは休んでて」

「……なんでだ?」

 瞬間、ふっと金色の瞳が丸く見開かれた。

 きょとんとした表情は本当に分からないといったふうで、こちらをじっと見つめながらセオドアは続ける。

「……先に言っとくけど、酔ってないぞ?」

「へ」

 アレンの考えていることを見通している口調に、ぴくりと頬が引き攣る。

 それほど自分が分かりやすい顔をしているのかと思うと同時に、アレンは勝手に勘違いしてしまった事を恥じた。

(それじゃあ機嫌がいいのはなんなんだよ……!)

 一人で疑問に思い、何があったのか考えていた時間が少し惜しい。

 しかし馬鹿正直に思ったことを言う訳にもいかず、アレンはもそもそと両手を組み合わせる。

「──アレンが」

 ふとセオドアの手が頭から離れ、ぽつりと呟かれた言葉にアレンは顔を上げた。

 テーブルに肘を突いたままこちらを見つめる瞳は、初対面の時と変わらず柔らかく弧を描いていた。

「アレンがうちに来てから、そろそろ二週間だろ? もううちの立派な一員だなって思って」

 感慨深いよな、と続けると棚からグラスを取り出した。

「普通なら治ってすぐに出ていくとか、俺の態度で泣いちまうとかあるのに、お前はずっとここに居る」

 セオドアはレオと共に街で買った酒瓶を冷蔵庫から取り出し、なみなみとグラスに注いだ。

 しゅわしゅわと細かな泡が生まれ、ぱちりと小さな音を立てる。

「故郷で何があったのかは知らんが……どんだけの覚悟でこっちに来たのか、分かってるつもりだ」

 セオドアはグラスをアレンの前に置くと、ふとこちらを見た。

 先程とは違い真剣な瞳に、どうしてか空恐ろしさを感じてしまう。

「覚悟……?」

 アレンは無意識にそう尋ねていた。

 百年前に戦争が終わり、つい十年前にもいさかいが起こったらしい。

 スラムから都までは離れているため紛争が飛び火してくる事はなかったが、セオドアは今もその争いが終わっていないとでも言うのだろうか。

「……いや、こっちの話」

 にこりとセオドアはやんわりと笑い、誤魔化すようにグラスの酒を一息に煽る。

 それでもアレンが何も言わず、酒を飲まないと悟ったのか追加でグラスに酒を満たした。

「ただ、黒猫から言われたことを呑んだ甲斐もあるってもんだな」

 セオドアはグラスを緩く回し、もう一度煽る。

 頬の赤みがわずかに増し、しかしどこか低い声にアレンは首を傾げた。

「その呼び方、どうにもならんのか」

 ふと声が聞こえ、アレンだけでなくセオドアもそちらに視線を向けると、客らの輪から外れたレオが呆れたよう溜め息を吐いた。

 いつの間にかテーブルに突っ伏し、すやすやと寝息を立てている凛晟の隣りにどっかりと座る。

「黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって……さすがに怒るぞ」

 レオはセオドアを軽くめ付け、しかし口調や声音は少しも怒気を孕んでいない。

「黒猫は黒猫だろ、耳なんか特に」

 な、とセオドアは己の耳を指さして言う。

「俺だって好きで小さいんじゃない」

「おっと、怖い怖い。そう怒るなよ、可愛いって言ったんだ」

「絶対思ってないだろ。大体──」

 けたけたとセオドアがさも楽しそうに笑い、レオから繰り出される棘を含んだ、しかし楽しげな言葉に即座に返している。

 レオとセオドアの掛け合いを聞いていると、やはり昔からの見知った仲らしかった。

 二人の間には凛晟ですら届かない何かがある、そんな気がしてしまう。

(仲良くなりたいと思ってたけど、やっぱり……俺がいちゃ邪魔なだけだ)

 一ヶ月が経つうちに店を出ようとしたが、自分でも思っている以上にこの空間が好きらしかった。

 日々やって来る客の中にはゴロツキも居るが、それ以外は気のいい者ばかりだ。

 自分よりも上背のある同族に対しても怖いと思っていたのは最初だけで、少し話せば快く接してくれる。

 お陰で人見知りらしい人見知りはしなくなったが、アレンにはどうしても心残りがあった。

(犯人の聞き取り、あんまり意味なかったな……)

 酒場にやってくる客らにくだんの獣人の特徴を伝え、似ている者を見つけたらすぐに知らせて欲しい──そう言ったはいいものの、いくら待ってもこちらから尋ねても情報は無に等しい。

 このままここに居たいと思う反面、理性は早く探さなければという焦りでいっぱいだった。

「──無理に引き留めちまってる自覚はあるからなぁ」

 不意にセオドアのどこか間延びした声を耳が拾い、アレンはそれまでの思考を切り替え、セオドアを見つめる。

 すぐに金色の瞳と視線が交わり、そして逸らされた。

「ま、嫌になったらいつでも出てってくれていいんだが」

 その言葉を聞いた瞬間、雷に打たれたような衝撃が走った。

 しばらく居候している身だが、よもやセオドアからそんな事を聞くことになるとは思わず、図らずも唇が震える。

「俺は……嫌とか、一回も言ってない!」

 バン、と力任せにテーブルを叩く。

 自分でも思った以上の大きな声を出してしまい、セオドアやレオはもちろん、離れているテーブルで未だ騒がしくしている客らの視線が全身に突き刺さった。

「アレ、ン……?」

 大きな音がしても凛晟は未だ眠りこけており、その隣りに座っていたレオが慌てて立ち上がる。

 こちらに手を伸ばす気配がしたがアレンに触れる事なく、あと少しのところできゅうと手を握り締めた。

 それもこれもアレンが顔を俯け、迫り来る感情をなんとか制御しようとしているのを察したからだ。

(なんで……)

 セオドアから放たれた言葉が何よりも悲しかった。

 それ以上に、話を聞いていたレオが頷いているのを見てしまった。

 それ即ちレオもセオドアと同じで、己には『今すぐにでも出て行け』と言っているも同義なのだ。

「俺の方がいきなり来たのに……引き留めてるとか。
なのに出ていけとか……もし嫌だったら、とっくにいなくなってる」

 たった今まで考えていた事を間接的に否定された気がして、知らず視界が歪む。

 泣きたくはないのに、呼吸ができないほど苦しい。

 力いっぱい打ち付けた両手がじんじんと痛み、少し赤くなっているのが見て取れた。

 言っていることは事実なのに、しんとした沈黙に耐え切れない。

 一言でも誰かが『違う』と言ってくれさえすれば、うるさいほどの心臓の音も落ち着くはずだ。

 しかし声はおろか周囲の者たちの顔すらはっきりと見えなくなり、次第に視界がゆっくりとぼやけていく感覚があった。

「っ……!」

 こんな事で泣いているのを見せたくなくて、アレンは椅子から半ば転げ落ちるように降り、よろけつつもしっかりと立ち上がった。

 無遠慮に扉を開け、背後で閉まる音を聞きながら懸命に脚を動かした。

 外に出るとすぐに冷たい風が肌に触れ、走っているのもあって痛いほど突き刺さる。

 瞬く度に流れていく熱い雫は、そこから冷たくなっていく。

どくどくと心臓が高鳴り、喉が焼けるように痛い。

 加えて頭の中にはセオドアの声やレオの顔が浮かび、知らず唇を噛んだ。

 じわりと鉄の味が口の中に広がり、顔をしかめる。

 すべては自分が招いた事から始まったが、いつの間にか気を許していた部分はある。

 心の中では『セオドアやレオはそんな事言わない』と思っていたが、いざ耳にしてしまうとこうも悲しくなってしまうのだから、自業自得でしかない。

 だというのに、止めようにも止められない涙がアレンの身体をむしばんでいく。

(泣いちゃ、駄目だ)

 ぐいと何度も目元を拭い、自分に言い聞かせる。

 すると、石鹸と少しの太陽の匂いがふわりと鼻を掠めた。

 アレンはそこで立ち止まり、自身を見下ろす。

 それは数日前、セオドアから『服を買ったけど小さかった』と言われ、上下ともに貰ったものだ。

 その日の夜にはレオから『似合いそうだったから』と月と星がつらなった首飾りを貰った。

 そっと首元に触れると、少し硬い感触が手の平に伝わる。

 思い出せばことあるごとに誰かから何かを貰い、つい二日前には凛晟から揃いの指輪を貰ったばかりだった。

(……指輪、忘れてきた)

 首飾りとは違って無くしたら困るため置いてきており、しかし今更取りに戻ろうとは思えなかった。

 アレンはそっと手の平を月にかざす。

 勢いで飛び出してきてしまったが、このまま消えた方が良かったのだと思う。

 ずるずると言い訳して留まろうとしたため、己にはこれが合っているのだ。

「でも」

 最後くらい挨拶したらよかった、ともうできない事を心の中で呟く。

 既にどれほど走ってきたのか分からず、ぽつぽつとあった建物の明かりもほとんどない。

 煌々とした月明かりに照らされ、アレンは道なりに進んだ。

 一抹の寂しさを胸に抱え、また涙が零れそうになるのを堪える。

「……ん、アレン!」

「ひ、っ……!」

 不意に遠くから何度も自分を呼ぶ声が聞こえ、反射的にアレンは脚の動きを早める。

 追ってきているのが誰なのか分からないが、とうにアレンには酒場に戻る資格が無い。

 心を許しかけていた二人の前に居てはならない、と一度だけならず二度も考えてしまったのだ。

 だから持てる限りの力を脚に集中させ、距離を取ろうと懸命に脚を動かす。

 しかし持久力には自信があったが、ほんの少しだけ相手の方が上のようだった。

「っ、……!」

 がしりと腕を摑まれ、アレンは勢い余って脚がもつれそうになる。

 けれどそれよりも早く長い腕に抱き留められ、同時にかすかな甘い香りが鼻を掠めた。

 アレンは恐る恐る背後を振り返り、そして目を見開く。

「走るの、早い……なぁ」

 ぜぇぜえと息を乱し、月明かりでも分かるほど額にいくつもの汗が浮かんでいるのが見えた。

 腰まである漆黒の髪は緩く束ねており、相手が動く度にちりちりと可愛らしい鈴の音が鳴る。

 それは時々その人が髪飾りとして付けているもので、アレンは無意識に名を囁く。

「レ、オ……っ?」

 なんで、と目線だけで問い掛けると、レオは安心させるように柔らかく笑った。

「そりゃあこっちのセリフだ。いきなり飛び出していくからビビったってのに」

 真正面から見る黒曜石に似た瞳は美しく、知らず見蕩れてしまう。

 すると艶のある黒く長い尻尾が揺れ、アレンの手を触れるか触れない程度に撫でる。

「っ!」

 少しの瘙痒感そうようかんにびくりと肩が跳ね、アレンは思わずレオの胸に身体を預けた。

「……わかん、ない」

 アレンは誰にともなく呟き、弱々しく首を振った。

 なぜレオが追い掛けてくるのかはもちろん、怒るでもなく笑っているのが不思議でたまらない。

 加えて己以外の尻尾があやすように何度も手を撫で、時折頭を撫でる温かい手の平の感触におかしくなりそうだった。

 考えても無駄だと頭では理解しているが、こうして幼い子どもにするような触れ合いをする意味が分からない。

 それに、仮に答えが出たとして自分でも何がしたいのか判然としないのだ。

「──帰ろう、アレン」

「や、っ……」

 ふと耳元で囁かれた言葉に、アレンは反射的にレオの手から逃れようとする。

 しかしアレンのか細い力ではビクともせず、今度は深く抱き締められてしまう。

「……店に戻るのは嫌か」

 低い声音に、ぴくりと頬が引き攣る。

 嫌かどうかと問われれば、むしろ戻ってもいいのかとすら思う。

(でも、俺は……)

 早くアンナを殺した獣人を探さなければいけない。

 そもそも今の今まで、碌な情報収集もせずのんびりとしていたのが悪いのだ。

 今更遅いと分かってはいるが、ここでレオの言葉に頷いてしまえばまた逆戻りだ。

 酒場に留まって情報を得るにしても客は当てにならず、少し遠くへ出向こうとすればもう戻れないかもしれない。

 既に生まれ育ったスラムや仲間たち以上にセオドアの店が心地よく、それもこれも留まるための言い訳だと分かっている。

(母さんの敵を討つって決めたんだ)

 頭に浮かんだ考えをすべて言うのは気が引けたが、今の己が頼れる相手はほとんどいないに等しい。

「っ、レオ」

 アレンは意を決して男の名を呼んだ。

「うん?」

「レオ、は……何でも知ってる、んだよな? この国のこととか、人のこととか……」

 初めの頃に凛晟が言っていた言葉を思い出しながら、アレンはつっかえつつも唇を動かす。

「ん? まぁ顔は広い方だと思うが……それがどうした?」

 ほんの少し身体を離し、レオがこちらを覗き込む。

 黒曜石の瞳の中には、やや眉根を寄せている己が映っていた。

「探してる人がいるんだ」

 そっと目を伏せ、ある獣人を探している事はもちろん、その人に母を弑された事を掻い摘んで話す。

 都に来たのも獣人の情報があると信じてきたからで、しかし実際にはあまり情報らしい情報は無い事。

 特徴を伝えても知らないと言う者がほとんどで、心が折れそうになっている事。

 アレンの言葉に黙って耳を傾け、しばらくしてレオは口を開いた。

「──分かった」

 ゆっくりと紡がれた言葉は静かで、ともすればすぐに消えてしまいそうなほどだ。

「ほん、とう……に?」

 アレンは信じられず、顔を上げてレオの瞳を見つめる。

 今度は期待に満ちている己の顔が映り、少し恥ずかしくなった。

 けれど、同時にこのまま信じてもいいのか、という疑問が頭をもたげる。

 正直なところ、レオに頼ってしまうのは気が引けたが背に腹は変えられないと分かっている。

 それでも早く件の獣人を見つけられるのであれば、これ以上のことはなかった。

「ああ。けど……一つだけ条件がある」

「お、俺に出来ることだったらなんでも──っ!?」

 瞬間ふっと身体の力が抜け、ぐらりと身体がかしぐ。

 レオが抱き留めてくれたため倒れる事はなかったが、唐突な己の身体の変化に理解が追い付かず、ただ瞬くしかできない。

(な、に……?)

 アレンは大きく目を見開き、無意識にレオの腕に縋り付く。

「──ごめんな」

 ごく小さな声が耳元で聞こえたかと思えば首筋に鋭い衝撃が走り、声を出す間もなくアレンの意識は漆黒に染まっていった。
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