【第三部連載中】その美人、執着系攻めにつき。

月城雪華

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第三部 三章

貴方は俺のもの 3 ★

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 ◆◆◆




「失礼致します、アルト様。お夕食をお持ち致しました」

「入ってくれ」

 控えめに扉を叩く音が聞こえ、アルトは応対の声を掛ける。

 ぼうっと読んでいた本を閉じると、丁度扉が開いた。

 一つに結んだ亜麻色の髪を揺らしながら、フィアナがキャリーを押して執務室に入ってくる。

「あれ、今日は豪華なんだな」

 持ってきた料理をてきぱきとテーブルに並べ、フィアナは口元に笑みを浮かべたままさも嬉しそうに言った。

「昼食後、殿下が『夜は沢山用意してくれ』と料理長に仰っていたようです。食べられそうですか……?」

 テーブルの上には顔ほどの大きさがある肉をメインとして、具沢山の野菜のスープに魚介類のソテー、そしてラズベリーが載った可愛らしいムースが次々と並べられた。

 スープは温かそうな湯気を立てており、中でもムースは今食べたいと思うほどの輝きを放っている。

 甘いものは後にせねばと思う反面、どうしても今食べたいという衝動に駆られた。

「あ、そのムースは殿下がお作りになられたようなんです」

 するとアルトがじっとムースを見ているのに気付いたのか、フィアナがやや声高な声で言う。

「エルが?」

 そんな訳ないと思いつつも、つい先日も自らマフィンを作って持ってきてくれたため、エルが作ったのは本当なのだろう。

 それにしては料理長も唸るほどの出来栄えで、フィアナが教えてくれなければ分からなかったほどなのだが。

「はい。なんでも、ご公務が終わってすぐに厨房に来られたとか。今朝のお詫びだ、と伝言を残していかれたようです」

「お詫び……」

 アルトはその言葉で早朝の事を思い出す。

 素直に言葉を紡げなかっただけでなく、あまり顔を見れなかった自分に非があるというのに、エルはわざわざ作ってくれたというのか。

(あれ、でも)

 今日はすぐに終わるため、共に夕食を摂ろうと言っていた。

 しかしその時間になっても来ないという事は、そのお詫びも兼ねているのだろうか。

「エルはまだ執務室に居るのか?」

 ワインを注いでいるフィアナに尋ねると、一瞬目を丸くした後口を開いた。

「いえ、そこまでは存じ上げなくて。……けれど、作り終えると慌ただしく出ていかれたと聞いております」

 グラスをテーブルに置き、フィアナは続ける。

「てっきりアルト様のところへ顔を出したのだと思っていましたが……いらっしゃらなかったのですか?」

「いや、まったく。そもそも俺が戻ったのは一時間くらい前だし」

 エルと顔を合わせた後、ジョシュアを抱いて庭園に向かった。

 ネロはネロで終始笑みを浮かべたまま着いてきて、それが少し空恐ろしかった。

 加えて午後を過ぎても庭園から離れようとせず、メイドが呼びに来るまで居た。

 まるでアルトがエルの元へ向かいやしないか、監視しているようだった。

 だからかこちらも警戒してしまい、ジョシュアの相手もどこか上の空で申し訳ない事をしたと思う。

(明日は遊べない、って言ったら泣きそうだったな)

 その場にはまだネロが居てくれたため号泣とまではいかなかったが、最終的にジョシュアは分かってくれた。

『あんまりアルトを困らせちゃ駄目だよ、ジョシュ』

 幼子に語り掛けるには、いささか責める口調だったのは否めない。

 しかしネロがそう言った途端ジョシュアはすぐに頷き、しゃがんでいたアルトの胸に抱き着いてきた。

『……アルトにぃ』

 ぎゅうと服を摑む手は力強く、何か言いたいのを我慢しているようだった。

『なんだ?』

 アルトは努めて優しく声を掛け、安心させるように頭を撫でる。

 するとジョシュアは今一度首筋に抱き着き、ぽつりと言ったのだ。

「……一緒に寝たい、か」

 料理を口に運びながら、アルトは誰にともなく呟く。

 フィアナは持ち場に戻ったため部屋には一人きりで、自分の声がむなしくこだました。

(ジョシュアは寂しいのかもしれない)

 傍には父親が居るとしても、何日も母の温もりに触れていないのは事実だ。

 当初よりも滞在が長くなっているというのもあるが、そろそろ母親が恋しくなってくる頃なのだろう。

「もしかして母親だと思われてるとか、有り得る……?」

 己は男で、身体は細身ながらも髪だって短い。

 そもそもネロの妻、ジョシュアの母には会った事が無いのだ。

 結婚式の時に顔を合わせたのかもしれないが、そしたらネロのことも覚えているはずだった。

 しかしその時は招待した他国の王族や貴族があまりにも多く、名前は覚えていても顔が分からない場合もあった。

 ただ、ネロの選んだ相手であればきっと優しい女性なのだと思う。

「ネロも『一緒に寝てやって』って言ってたし。一日くらい良いよな」

 後はエルがどう思って何を言うかだが、夕食を食べ終わっても扉が開く気配はなかった。

「……遅くないか」

 アルトは夕食前から読んでいた本から顔を上げて時計に目を向けると、あと数分で十一時になろうとしていた。

 結局のところエルが作ってくれたムースには手を付けておらず、食器を片付けに来たフィアナに持って行ってもらった。

 エルが戻って来たら感想を言いながら食べようと思っていたのだが、この分では日付けが変わってしまうだろう。

 一日は持つと思いたいが、今になって何か甘いものを食べたい衝動に駆られる。

「でも今の時間だったら皆寝てるよな」

 呼び鈴を鳴らそうとした手を止め、アルトはぽつりと呟く。

 王宮に住み込みで働く使用人の朝は早く、それはフィアナも例外ではなかった。

 しかし王族の世話をするためにその侍従や側近は主が眠るまで起きている事が多く、呼び鈴を鳴らして部屋にやってきた者に頼むしかない。

「ノアならまだしもレオンさんだったら怒られる」

 仮にミハルドであれば、こちらが頼んだ甘いものだけではなくアルトの片手に収まるほどのクッキーも包んで持ってきてくれるのだ。

『小腹が空く気持ちは分かります。殿下やレオンには内緒ですよ』

 そう言って手渡された事も一度や二度ではない。

 しかし今は他国への遣いで不在のため、それ以外──少なくともノアであればまだ許されるはずだ。

(ノアが来てくれますように)

 祈るような思いでアルトが呼び鈴を鳴らすのと、扉が控えめに叩かれるのはほとんど同時だった。

「っ!」

 もしかしてエルが戻ってきたのか、という期待でそちらに視線を向けると、応対する間もなくゆっくりと扉が開かれた。

「──おや、起きておられたとは」

 姿を現したのは、腰まである銀髪を高い位置で結い上げた長身の男だった。

 無表情な顔はそのままだが、赤い瞳にはかすかな驚きが滲んでいる。

「レオン、さん……」

 己の考えている事に勘付き、先手を打ってきたのかと思ったがどうやら違うらしい。

 わずかなアルトの動揺に気付いているのかいないのか、レオンはすぐに唇を真一文字に引き結ぶと低い声で言った。

「貴方様を呼んで来て欲しい、と殿下から言付かったのですが……もしやお休みになられるところでしたか?」

「いや、今から呼ぼうと──」

「何かご入用でも?」

 アルトの声を遮り、レオンが言葉を重ねる。

 その声音は普段よりも圧があり、無意識に肩が揺れた。

「な、なんでもない! それよりエルが呼んでるって……?」

 レオンの口振りからは、エルが『部屋には戻らない』と言っているも同義だ。

「私からは何も申し上げられません。詳しくは来てからだ、と釘を刺されておりますので」

 血のように赤い瞳を軽く伏せ、レオンが言葉を紡ぐ。

「そう、か……」

 一応何のために呼ぶのか尋ねてくれたようで、ほんの少し胸を撫で下ろした。

 確かにこんな夜更けに自室にも戻らず、そちらから来て欲しいというのはおかしい。

 普段のエルならば公務や他の用が終わるとすぐに部屋に戻り、傍に居てくれるのだ。

 しかし真っ先に思い浮かんだ疑問を尋ねても無意味だと分かり、アルトは判然としないながらも部屋を出た。

「──殿下はこうも仰っておりました」

 レオンの後を着いて廊下を歩いていると、ふと低い声が落ちた。

「せめてもの罪滅ぼしをしようと思った矢先、あのような事があったから気が変わった、と」

「罪滅ぼし……?」

 その意味がなんなのか分からないのではないが、今日一日の中で何か思う事があったのは確実だ。

 今朝の事であれば誤解をさせている可能性があるため、はっきりとアルトの口から伝えられればエルは必ず分かってくれる。

 ただ、それとこれとがエルの居る部屋まで来い、とはとても繋がらないのだが。

 ややあってレオンの先導でとある扉の前に着いた。

「レオンハルトです。王配殿下をお連れしました」

「──入れ」

 落ち着いたレオンの声が響いてからしばらくすると、氷のように低く冷たい声が部屋の中から聞こえた。

 アルトはこくりと小さく喉を引き攣らせながらも、レオンに促されて部屋へ入る。

 するとエルはベッドの端に腰掛けており、こちらに気付くとふっと淡く微笑んだ。

「ごめんね、呼び出して」

 笑みを浮かべる口元も柔らかな声も普段と同じで、しかしどこか仄暗い雰囲気を醸し出している。

「えっ、と……」

 アルトはエルの座るところまで歩を進めようとするが、どうしてか脚が動かない。

 まるで何か強い力でその場に縫い留められているような、ありもしない錯覚すら覚えてしまう。

 それもこれも、レオンに呼び掛ける時と同じ声音で話すと思ったからだろうか。

「おいで」

 朔真、とエルの形のいい唇がゆっくりと動いた。

 その名は声に出していないのに、ただ己を呼び寄せる声一つ取っても愛おしさで溢れている。

 不思議と泣きたいような、なんとも言えない感情が頭の中を支配する。

 今すぐその胸に飛び込みたかったが、温かな腕に囚われてしまえば最後だという気さえした。

(多分、俺は怖いんだ)

 些細な事でこちらを気遣ってくれるのはいつもの事だが、今回ばかりはエルが何を考えているのかまるで分からないから。

 わざわざ別室に呼び寄せ、何を言おうとしているのか分からないから。

「朔真?」

 なぜこちらにやってこないのか、とエルがわずかに柳眉を顰める。

「……そこだと寒いだろう。こっちに来るんだ」

 すると先程よりも少し高い声で呼ばれ、無意識に俯けていた顔を上げる。

 緩く首を傾げ、エルはこちらをじっと見つめていた。

 水色の瞳はどこか鋭く、ベッドに座っている男から目を逸らせない。

「ぁ、っ……」

 とくん、と心臓が小さく跳ねる。

 瞳の奥にかすかな情欲の熾火が見えてしまい、心臓の音は次第に早くなっていく。

 アルトはゆっくりとした足取りで、さながら導かれるようにエルの座るベッドから人ひとり分のところまで来た。

「いい子だね。じゃあ」

 エルはそこで言葉を切ると、それまで浮かべていた笑みをふっと消した。

「──全部脱いで」

「は……っ?」

 どこまでも低く、冷えた声に図らずも小さな声が漏れる。

「脱いで、って聞こえなかった?」

 エルが脚を組み換えた拍子に、ベッドがぎしりと軋む。

 先程よりも二人の距離が近くなったからか、鋭利な瞳や声からはどう足掻いても逃げられない。

 声音以上に冷ややかな視線も相俟って、アルトは震えそうになる声を叱咤して唇を開いた。

「なんで、そんな……っ」

「嫌? 命令って言っても?」

「っ」

 こちらの言葉を強引に遮り、エルは尚も続ける。

「別に俺は貴方をどうこうしたいとか、傷付けたいとか考えてないんだ。ただ、確かめたいだけだ」

 普段のエルらしからぬぶっきらぼうな口調に違和感を覚えつつも、頭の中は疑問ばかりが駆け巡っている。

(何、する気なんだ)

 突然別室に呼び出された挙句、なんの説明もなく『脱げ』と言われては戸惑わない方がおかしい。

 だというのに、エルはこちらの言い分など端から聞く気は無いらしい。

 かすかに細められた瞳も反論は許さないと言っているようで、恐怖と羞恥とで心の中はぐちゃぐちゃだ。

「……それでも貴方が嫌って言ったら、酷くしてしまうかもしれない」

 だから言う通りにしろ、と水色の瞳が言っている。

 確かに痛いのは嫌だ。

 加えてエルが何を考えているのか理解できず、恐怖もある。

 しかしずっとこのままという訳にもいかず、アルトは意を決して口を開いた。

「脱いだら、いいのか」

 ぽつりとあえかな声で言うと、エルはわずかに頷いた。

 アルトはエルに見つめられながらのろのろ上着を脱ぎ、ウェストコーストに手を掛ける。

 ボタン一つ装飾一つ外す度に、どくどくと心臓が早鐘を打った。

(エルは全部って言った)

 それ即ち全裸になれということで、想像しただけで顔が熱くなる。

 同性であるため裸体は見慣れていても、愛しい男の前とは訳が違う。

 次第に意思に反して身体が熱を持ち、指先が動かなくなる。

 しかし手を止めてしまえば冷たい声が降り掛かるため、言う通りにするしかなかった。

「っ……」

 スラックスを脱ぎ、最後のとりでとも言える下着だけになる。

「そこ、きつくないの?」

 かすかに笑いを含んだ声で指摘され、アルトの頬が赤く染まった。

 わざわざ見ないでも分かるほど己のそこは熱を持っており、先程から透明な蜜を吐き出している。

 じわりと視界が歪んだが、エルの視線に急かされるように下着に手を掛けた。

 抑えをなくした雄茎がふるりと飛び出し、蜜が新たに湧き出る。

「──はっ」

 それはエルから放たれたものなのか、自分から出たものなのか最早分からない。

 ただ、この状況があまりにも淫靡な事だけは理解出来た。
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