上 下
30 / 79
第一部 五章

明らかになる事 5

しおりを挟む
 ◆◆◆



 アルトは椅子に座ると、テーブルの上に置いていた読み掛けの本を開いた。

 それは小屋に監禁されている時、退屈だろうからとエル自ら選んでくれ、ミハルドが持ってきてくれた複数の書籍のうちの一冊だ。

 しかし、頭の中に内容はほとんど入ってきていない。

 それもこれも、これからエルに打ち明ける時の言葉をずっと考えているからだ。

 ただ『アルト・ムーンバレイ』という男はもういない、というだけなのにその先の反応を知るのが怖いのだ。

 つくづく己の弱さを感じるとともに、喉に何かが挟まったような違和感があり、それは夕食の時間になっても続いた。

 残してしまうのは作ってくれた者に申し訳ないため、無理矢理口に詰め込んだのもあるのだろうか。

(エル、遅いな……)

 アルトは落ち着かない気持ちで視線を窓に移した。

 窓から見える空は漆黒に染まっており、月すら見えない。

 風呂にも入ったあとでは特にやる事もなく、こうして本を読むか物思いにふけるしかなかった。

 このままエルを待つという選択肢もあるが、鬱屈とした気持ちでは何も手につきそうにない。

 昼間に別れたきりで、こんなにもエルのことを考えるのは久しぶりだった。

「俺、あいつのこと好き過ぎるだろ……」

 本を閉じて己の頬に触れる。

 頬は沸騰したように熱くなっており、熱でも出してしまいそうな錯覚に陥った。

(でも、今日でこの気持ちも終わりだ)

 エルから拒絶されてしまえば、アルトは──『朔真』は生きていけなくなる。

 虚言ではなく、本当にそうなってしまってもおかしくないほど、エルのことを好きになっているのだ。

 最初はこうなると予想しておらず、もしもあの時の自分がいたならば目を覚ませと一発殴られているだろう。

 己の感情の変化に小さく溜め息を吐くと、アルトは椅子から立ち上がった。

 昼間はそうでもなかったが、先程から廊下が少し騒がしい。

 普段はエルが人払いでもしているのか、寝室のある廊下を通る人間はあまりいないため余計に気になってしまう。

 アルトは薄く扉を開け、周囲を見回した。

 するとメイドが慌ただしく廊下を行き来しているのが見え、アルトは目を丸くする。

「なんだ……?」

 普段ならば足音一つ立てない王宮のメイドらは、周囲を気にすることなくパタパタと廊下を小走りで行き来していた。

 その手には服をそれぞれ持っており、軽いものから重厚そうなものまで様々だ。

 すぐに扉を閉め、アルトはそのまま扉に背を預ける。

「エルが関係してる、のかな」

 別室に通されているという夫人らがエルに何がしかの用があり、王宮内のメイドを総出させているのだ。

「……まさか誕生日とか」

 ただの想像でしかないが、いち王族の──次期国王の誕生日ともなれば民から盛大に祝われ、各国の人間らが王宮に集うことだろう。

 夫人らはそれに向けての仕立てや段取りを相談するために来た、となればエルが遅いというのも納得がいく。

(王太子って大変なんだな)

 行事一つ、たとえ自身の生まれた日であってもその準備に追われ、ゆっくりできないとは少し可哀想だった。

 元の世界ではそう盛大に祝われた事はなく、まして『おめでとう』と言ってくれた人間は社会を経験して年々減っていったほどだ。

 それもこれも、いちサラリーマンというのに加え入った会社が所謂ブラック企業だったからだろうか。

 未だにこうしてぼうっとしたり、手慰みに読書をしたりするのは実際あまり慣れていない。

 これでは邸に戻って細々とした雑務をしていた方がマシだと思ったが、今はそうではなかった。

(エルの傍にいたい。……お前は嫌だって言いそうだけど)

 アルトは自身の胸に手をあてる。

 この身体には確かに『アルト』のもので、自分のものではないと分かっている。

 ただ身体を借りてるだけで、本来の人格がどこにあるのか既に知るすべはないのだ。

 しかし何度となく考え、もう『アルト』はいないと結論付けたものの、やはり身体と心に少しの違和感があった。

「うお!?」

 不意に身体を預けていた扉が動き、アルトは前につんのめった。

「びっ……くりした。アルト、扉の前に居たら危ないだろう?」

 扉の向こうから姿を現した人物──エルはアルトがそこにいるとは思わなかったのか、慌てた声で駆け寄ってきた。

「ご、ごめん」

 目の前に回り込まれたエルの顔を見れず、アルトは小さく頭を下げる。

(こういうの、前にもあった気がする……)

 二度あることは三度ある、という言葉が頭の中に浮かぶ。

 どうやら自分は考え事をしていると目の前が見えなくなるらしく、前回と同じ言葉と仕草をしている自覚があった。

「……本当に待っててくれたんだね。ありがとう」

「っ」

 ぽん、と頭に手を置かれ、形を確かめるように撫でられる。

 こちらを見下ろす優しく愛おしい視線を感じ、更に顔を上げられなくなった。

「遅くなってごめんね、話し合いに結構時間が掛かって」

 言いながらエルはアルトの両手をそっと握る。

 その手は震えており、普段エルらしからないものだった。

「貴方の方から大事な話があるって言ってくれたのに、今言うのも狡いかもしれないけど」

 エルはそこで言葉を切ると視線を左右に彷徨さまよわせつつ、しかしゆっくりと形のいい唇を開いた。

「──貴方はもうここから出られない」

「っ!」

 それはいつかにも聞いた言葉だと理解する前に、ぎゅうと握られた手の力が強くなる。

 痛みを感じるほどの強さに、アルトの顔がわずかに歪んだ。

 それをエルは否と取ったのか、商会で聞いたのと同じ低く冷たい声音で続ける。

「王配として……俺の傍にずっと居るんだ。勝手に出歩くのも許さない。貴方が嫌だと泣いても、俺の許可がない限りは一人で行動なんかさせない。貴方はずっと俺の──」

「ま、ってくれ」

 早口に捲し立てられ、段々と強くなる力にアルトは息も絶え絶えに遮る。

 何か重大な勘違いをしているようで、このままでは聞いてくれなくなる可能性が脳裏を掠めた。

「今すぐ邸に帰るって言うなら許さないよ」

 こちらの声に耳を傾けることなく、一人で完結させようとしている男にアルトの中の何かが切れる。

「……違う!」

 唐突なアルトの声量に、びくりとエルが小さく肩を竦める。

 矢継ぎ早に自分の知らない事を言われ、加えてエルに打ち明けるために直前まで考えていた数々の言葉は、頭からすべて抜けてしまった。

 しかし、アルトは自身を叱咤して懸命に声を絞り出す。

「俺は逃げない、ってずっと……ずっと言ってるのに。なんで、信じてくれないんだ」

「……アルト?」

 何か違和感を感じたのか、エルの手の平の力がわずかに緩む。

 アルトはその隙を突き、素早く人ひとり分の距離を取った。

 エルは訝しげな表情でこちらを見ており、何かを言う気配はない。

 そこでアルトは短く細く息を吸い込むと、視線は床に向けたまま俯きがちに呟いた。

「俺、は」

 声が震える。

 身体も心做しか震えており、指先がゆっくりと冷えていくのが分かった。

 それでも今、しっかりと言わなければいけない。

 ここで黙ってばかりいては、エルから逃げているも同然なのだから。

 きつく唇を噛み締め、意を決して口を開く。

「俺はアルトじゃ、ないんだ。本当の『アルト』は……もう、いない」

 エルが息を呑んだのが嫌でも分かる。

(……そりゃあそうだ、俺だってびっくりする)

 己の唐突な打ち明け方に心の中で自嘲し、ぎゅうと瞼をきつく閉じると、消え入りそうな声で続けた。

「……ごめん。ずっと、黙ってて。こんなこと、いきなり言われても困るよな。きらい、になったよな……」

 自分から言ったことだが、嫌いという言葉に堪らず視界がぼやける。

 本当は好きで好きで仕方ないのに、自ら言葉にするのはいささか勇気が足りなかったらしい。

(泣かない、って決めてたのに)

 いくつも熱い雫が伝うのを嫌でも感じ、零れ落ちたそれが床に小さなシミを作る。

「──言いたいことはそれだけ?」

 エルの声が間近で聞こえると同時に、不意に周囲が暗くなった。

 程よい温かさが身体を包み込み、エルに抱き締められているのだと遅れて理解した。

「エ、ル……?」

「それが黙っていたこと? 他には? 何もない?」

 そっとエルの手が涙に濡れた頬に触れ、俯けていた顔を無理矢理上げさせられる。

 水色の瞳と強制的に視線が交わり、その中に見えた自分は情けない顔をしていた。

「なん、で……こんな、嫌だろ。お前は、ずっと『アルト』が好きだったのに」

 しゃくり上げるのもそのままに、エルの服を摑みながら声を絞り出すように続ける。

「嫌だって、言ってくれてもいいんだ。俺のことなんか気にしないで、このまま突き放してくれた方が──」

「俺が婚約破棄する、って言えば貴方は満足なの?」

 冷えた声音で紡がれた言葉に、びくりと肩が強ばる。

 エルは強要している言葉をただ繰り返してくれただけだが、耳に入った言葉を理解した瞬間、ぽつんと胸に大きな穴が空いたような喪失感に陥った。

(いや、だ)

 それだけは嫌だ。

 最初こそエルと過ごす日々は最悪なものだったが、段々と強く想うようになってからは傍にいたいと願うようになっていた。

『アルト』として隣りに居ることに抵抗があったのは事実で、何も知らないままのエルを騙している気がして、それを言う勇気のない自分が嫌いだった。

 だから突き放されるのを、嫌われるのを決意して言ったのにエルはただ『大丈夫』と言うばかりなのだ。

 後から後から零れる涙を何度も指先で拭ってくれ、安心させるように背中を撫でてくれる。

「嫌だよね、隠し事をするのは。ありがとう、言ってくれて。……頑張ったね」

 耳朶じだに響く声はどこまでも優しく、じんわりと身体に染み渡るようだった。

「や、っ……」

 ぐいとエルの胸を押し離れようとする。

 これでは『アルト』ではなく自分──『朔真』を受け入れてくれ、好きだと言ってくれているも同義となってしまうのだ。

 それに、ここまで優しくされてはもう離れられなくなってしまう。

 誰にもこの男を渡したくなくなってしまう。

 そう考えているとエルも分かっているのか、離れた分だけ距離を詰められ、先程よりも更に深く抱き締められる。

 あまり拘束は強くないが、上手く呼吸ができない。

 加えて泣いていたせいもあってか、ひくりと小さく鼻が鳴った。

(優しくするな。したら、もっと俺は)

「う、ぅぅ……」

 涙腺が壊れてしまったのか、制御できなくなった雫がエルの服を濡らしていく。

 止めようとしても止まらないそれをもどかしく思いつつも、そのまま声を殺して啜り泣くしかできなかった。

「──名前」

 ふとエルが小さく囁いた。

 新鮮な空気を求めてやや上を向くと、エルの瞳が間近に迫っている。

「貴方の、本当の名前は?」

「な、まえ……?」

 優しい色をしたそれは、ただただ純粋なものだった。

「そう。アルトじゃない、貴方の名前」

 濁りのない水色はどこまでもこちらを思いやってくれ、言葉を待ってくれている。

 言ってもいいのだろうか。

 言って、離れていってしまわないだろうか。

 ぐるぐると頭の中をその二つが駆け巡っていると、背中に回された手の平にわずかに力がこもった。

(あ……)

 本当の名前を聞くことは、やはりエルも怖いのだ。

 今まで接していた男が違う人間で、中身も随分と変わっていただろうに、それをさして注意する事なくここまで来てくれたのだから。

 しかしそれをおくびにも出さず接してくれたエルに、申し訳なさと罪悪感がぜになる。

 はくはくと口を開いては閉じてを何度か繰り返すと、きゅうと唇を噛み締めて喉から声を絞り出す。

「……ま」

 ぽそりと呟いたそれは、喉につっかえてしまった。

「さ、くま」

 心臓の音が聞こえやしないかと気が気ではないが、掠れ気味なそれがゆっくりと口を突いて出た。

「さくま。……朔真」

『アルト』ではない──『朔真』という、本来の名前を何度も唇に乗せる。

「サクマが、貴方の名前?」

 どこかたどたどしいエルの口調に、 アルト──朔真がこくりと小さく首肯すると同時にエルの顔が眼前に迫った。

「ん……」

 そっと触れるだけですぐに離れた唇は熱く、そこから熱が広がっていくようだった。

 背中に回されていた手はいつの間にか頭に添えられており、よく頑張ったとでもいうように何度も撫でられる。

「サクマ。朔真、か」

 唇を解いたエルに肩口に顎を載せられ、ぽつぽつと『朔真』と何度も口の中で繰り返す。

 そうした時間はあまり長くなかったものの、やっと自分の中で納得したのか、ゆっくりとエルが肩から顔を離した。

「……朔真」

「っ」

 愛おしそうに朔真の名を呼ぶと、エルはそっと身体の拘束を解いた。

 すると床に片膝を突き、こちらを見上げる形になる。

「貴方に、改めて婚約を申し込む。……受け入れてくれる?」

 エルの美しい水色の瞳は、アルト・ムーンバレイを──朔真を見つめていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【本編完結済】前世の英雄(ストーカー)が今世でも後輩(ストーカー)な件。

とかげになりたい僕
BL
 表では世界を救った英雄。  裏ではボクを狂ったほどに縛り付ける悪魔。  前世で魔王四天王だったボクは、魔王が討たれたその日から、英雄ユーリに毎夜抱かれる愛玩機となっていた。  痛いほどに押しつけられる愛、身勝手な感情、息苦しい生活。  だがユーリが死に、同時にボクにも死が訪れた。やっと解放されたのだ。  そんな記憶も今は前世の話。  大学三年生になった僕は、ボロアパートに一人暮らしをし、アルバイト漬けになりながらも、毎日充実して生きていた。  そして運命の入学式の日。  僕の目の前に現れたのは、同じく転生をしていたユーリ、その人だった――  この作品は小説家になろう、アルファポリスで連載しています。 2024.5.15追記  その後の二人を不定期更新中。

悪役令嬢のペットは殿下に囲われ溺愛される

白霧雪。
BL
旧題:悪役令嬢のポチは第一王子に囲われて溺愛されてます!? 愛される喜びを知ってしまった―― 公爵令嬢ベアトリーチェの幼馴染兼従者として生まれ育ったヴィンセント。ベアトリーチェの婚約者が他の女に現を抜かすため、彼女が不幸な結婚をする前に何とか婚約を解消できないかと考えていると、彼女の婚約者の兄であり第一王子であるエドワードが現れる。「自分がベアトリーチェの婚約について、『ベアトリーチェにとって不幸な結末』にならないよう取り計らう」「その代わり、ヴィンセントが欲しい」と取引を持ち掛けられ、不審に思いつつも受け入れることに。警戒を解かないヴィンセントに対し、エドワードは甘く溺愛してきて…… ❁❀花籠の泥人形編 更新中✿ 残4話予定✾ ❀小話を番外編にまとめました❀ ✿背後注意話✿ ✾Twitter → @yuki_cat8 (作業過程や裏話など) ❀書籍化記念IFSSを番外編に追加しました!(23.1.11)❀

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

ヤンデレ執着系イケメンのターゲットな訳ですが

街の頑張り屋さん
BL
執着系イケメンのターゲットな僕がなんとか逃げようとするも逃げられない そんなお話です

地味顔陰キャな俺。異世界で公爵サマに拾われ、でろでろに甘やかされる

冷凍湖
BL
人生だめだめな陰キャくんがありがちな展開で異世界にトリップしてしまい、公爵サマに拾われてめちゃくちゃ甘やかされるウルトラハッピーエンド アルファポリスさんに登録させてもらって、異世界がめっちゃ流行ってることを知り、びっくりしつつも書きたくなったので、勢いのまま書いてみることにしました。 他の話と違って書き溜めてないので更新頻度が自分でも読めませんが、とにかくハッピーエンドになります。します! 6/3 ふわっふわな話の流れしか考えずに書き始めたので、サイレント修正する場合があります。 公爵サマ要素全然出てこなくて自分でも、んん?って感じです(笑)。でもちゃんと公爵ですので、公爵っぽさが出てくるまでは、「あー、公爵なんだなあー」と広い心で見ていただけると嬉しいです、すみません……!

ある日、義弟に突然「兄ちゃんが主人公で総受けとかウケるwww俺は絶対好きにならn…好き…」…いや、お前もかーい。

彩ノ華
BL
ある日、突然義弟からこの世界はBL小説の世界だと言われ俺はその中の〝主人公〟なのだとか…。 『兄ちゃんが主人公で総受けとかウケるwww俺は絶対好きにならないwww』 と笑っていたお前だが… いや、お前もやないかい。 イケメン義弟×無自覚たらし兄 ※ゆるゆる投稿 ※素人作品

中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています

橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが…… 想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。 ※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。 更新は不定期です。

処理中です...