【第三部連載中】その美人、執着系攻めにつき。

月城雪華

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第一部 五章

明らかになる事 2

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「ルシエラ……?」

 突然雰囲気が変わった男に、アルトは小さく目を見開いた。

 ルシエラがソルライト商会に属しているのは知っていたが、会長という高い地位にあるとは少しも思っていなかった。

「私に聞くべきことがあるのでしょう?」

 そんなアルトの表情を見て悟ったのか、ルシエラがわずかな会話の糸口を提示してくれる。

 商会のおさとして、ルシエラは尋ねているのだ。

 手紙の内容は何か変わりはないか、という当たり障りない言葉から始まり、邸はどうだという世間話。

 王宮での自分の立場やどう過ごしているかなどは掻い摘んだが、ルシエラが聞いているのはそれではない。

 ソルライト商会へ近々出向きたい、という文面の真意だった。

「──単刀直入に問おう、サンライム殿」

 すると背後に居たエルが一歩進み出て、ややあって外套のフードを外す。

 ぱさりと黒髪が揺れ、どこか鋭い顔貌が現れた。

「……っ!」

 ルシエラが小さく息を呑んだのを気に留めることなく、エルは低い声で続ける。

「本日、こちらを訪ねたのはラディア・マーティーに会うためだ。……ご在籍か?」

 王太子として威厳に満ちたエルの声は、すぐ傍にいるアルトまでも震わせる。

「おや、まさか王太子殿下直々にいらしてくれるとは。大したおもてなしもせず、誠に申し訳ない」

 しかしルシエラは何事もなかったように微笑むだけだ。

 その飄々とした声音はソルライト商会を纏める者のそれで、アルトは人知れず身震いする。

 普段のルシエラからは想像もつかない声は、どこか別の人間と向かい合っているような錯覚を覚えた。

「……とぼけるのも大概にしてほしいものだな」

 怒りを隠そうともしない声音に、さすがのルシエラも少しばかり焦ったようだった。

「いらっしゃいますよ。ただマーティーは外に出ておりまして、少しお待ちいただく事になるかと」

 しかしエルの圧にあまり屈することなく、ルシエラは更に笑みを深める。

「──その必要はない」

 不意に低く、腹に響く声が聞こえたとともにゆっくりと扉が開かれた。

 長身の男が姿を現し、ルシエラだけでなくアルトとエルも視線を向ける。

 きっちりと服を纏った男は壮年のそれらしく、白髪の混じった茶髪を後ろに撫で付けていた。

 何よりも目を引くのは、右眉から目の下にかけて走っている一筋の傷。

 本来であれば恐怖があるはずだが、ほんの少し垂れた目尻がそれを緩和させている。

「ラディア、……さん」

 小さくルシエラが呟いたのを皮切りに、ラディアはルシエラが何かを問う前に唇を開いた。

「今日の相手はまだ利口だったもので、すぐに終わったんです。それよりも会長」

 ラディアは一歩一歩ルシエラに向けて歩を進める。

 そんなルシエラは何を言うでもなく、ただ黙っているだけだ。

「貴方に客人が来ている。向かいの部屋に通しているから、こちらは私が相手をしよう」

「け、けど」

 口を挟む暇も与えず、ラディアは早口に言う。

 ルシエラはちらりとエルを、そしてアルトを交互に見た。

 こちらに向けて口を開こうとしていたが、少し早くラディアの声が響く。

「──聞こえなかったか、ルシエラ」

「っ!」

 それは有無を言わせぬ声色だった。

 氷のように冷え切ったそれは、ルシエラだけでなくアルトもびくりと肩を竦める。

 そんなアルトに気付いてか、安心させるようにエルの大きな手が肩に添えられた。

(エル……)

 服越しにじんわりと温かい熱が伝わり、アルトの心臓の音が落ち着いていく。

 目の前に仇の相手がいるというのに、エルは至って普段通りで少し悔しく思う。

「……失礼、致します」

 ラディアには何を言っても無駄と悟ったのか、ややあってルシエラは一礼すると部屋から出ていく。

 扉を閉める間際、ルシエラが小さく口元を動かしたのをアルトは見逃さなかった。

 ──ごめんな。

 そんな短い言葉を読み取り、アルトの頭に疑問が沸き起こる。

(お前が謝る必要なんかないのに)

 むしろ事が終わるまで一緒に居てくれるとは思っていなかったため、これで良かったとさえ思う。

 今からラディアが何を言い、エルが何を言うのかルシエラにはとても聞かせられないから。

 部屋の中には大の男が三人になり、しばらく誰も口を開くことなく沈黙だけが落ちる。

 ただ相手の出方を伺っている息遣いに、知らずアルトの頬に汗が伝った。

「──ベアトリス様……リネスト国第三王妃を覚えておいでか」

 やがてエルがゆっくりと口を開いた。

「貴方は会っているはずだ。……あの時、私の目の前に居たのだから」

 エルはじっとラディアを見据え、続ける。

「先に言っておくが、はぐらかそうとしても無駄だ。こちらには証拠が揃っている」

「……やはり、少し前から感じる視線は殿下の密偵でしたか」

 ラディアはやや目元を緩ませ、先程に比べて幾分か柔らかい声で言った。

「影に気付いていたなら、なぜ今まで泳がせた」

「さて、何を仰っているのか分かりませんな。なにぶん耳が遠くなったもので」

 低く冷たいエルの声を、ラディアは飄々と躱す。

 にこにこと笑っているが、その表情からは底知れない何かが見え隠れしていた。

「……すべてを話せば長くなります。どうぞお座りください」

 しかしラディアは短く息を吐き、二人掛けのソファに座るよう促す。

 エルは一瞬息を詰めたものの、ややあってソファに座った。

 アルトもそれに倣い、不自然にならないようそろりと真正面の男を見つめる。

 ルシエラに対して平身低頭だったものの、先程の口調は年長者としての威厳に加え、並々ならぬ圧があった。

 まるで『自分には逆らうな』という、ルシエラの地位を脅かすような何かがラディアの言葉の節々から感じられる。

 二人が座ったのを見届けると、ラディアもゆっくりとソファに腰を下ろす。

「──あれは二十年前。まだ私がこちらにご厄介になって、しばらくの事でした」

 どこか昔を懐かしむような表情でラディアが語り出す。



 ◆◆◆

 

 その時のソルライト商会は連日忙しく、時間を見つけて食べ物を胃に入れる事さえできないほどだった。

 ラディアとて同じだったが、先の『商談』が終わってすぐに戻るのも気が引けていた。

 商会の扉を開けたら最後、夜まで拘束されてしまうからだ。

『……よし、皆に菓子でも買って帰るか』

 自分が甘いものを食べたかったというのもあるが、働き詰めの人間たちをねぎらうため、ラディアはとある菓子店の扉を開けた。

 そこは最近出来たという店で、若い夫婦が営んでおり街でも評判の店だった。

 昼を少しばかり過ぎたというのもあり、店内には若い女性と老齢の男が二人居るのみ。

 ケースの中には様々な形のクッキーや可愛らしいケーキがあり、ラディアは黙々と何を買うか迷いつつ、やがて一人百面相している女性の真横まで辿り着く。

 可愛らしい、どこか魅力のある女性が真剣な表情で菓子を物色している。

 ラディアは邪魔にならないよう、あれこれと店主に菓子を注文しながらちらりと女性を見る。

 店内の照明が女性にあたって、淡い金色の髪が柔らかく反射していた。

 女性が見ているところから向こう側はあまり見えなかったが、ケースを見つめる瞳はきらきらと輝いていた。

『あ、ごめんなさい。私ったらつい夢中で……』

 するとラディアの視線に気付いてか、女性は一瞬不思議そうな顔をしたのも束の間、頬を染めながら慌てて二歩ほど横にずれる。

 花のような色香を纏い、赤く小さな唇から紡がれる言葉をラディアは聞いていなかった。

 ただ、目の前の女性の一挙手一投足を目に焼き付けるのに必死だった。

『……いえ、もう買いましたので』

 そのまま黙って去るのもどこか名残り惜しく思い、ラディアは続けて唇を開く。

『お一人ですか?』

 つい口を突いて出た言葉に、ラディアは内心驚いた。

 うら若き女性を狙う男だと思われたに違いない、とラディアがその場で頭を抱えたくなった時だ。

『いいえ、外に人を待たせているんです。あの子に食べさせたくて……』

 ふふ、と幸せそうに笑う女性はまるで女神のようで、ラディアの心臓が知らず高鳴る。

 街に出てきたどこかの令嬢かと思ったが、口振りからして子供のことで夫が居る身のようだった。

『そう、なんですか』

 自分でも驚くほど冷えた声が出た。

 それと同時に店主がすべての菓子を袋に詰め終わったようで、ラディアは羞恥心も手伝ってこの場を去ろうとする。

 しかし、ラディアが女性に背を向けたと同時にいやに聞き慣れた音が微かに耳に入った。

 カチリという小さな音は、拳銃の弾を込めるそれだ。

 この『職業柄』ではラディアの周囲はもちろん、ソルライト商会に属する人間は日常的に危険が付きまとう。

 行く先々で相手の恨みを買い、近いうちは自分が亡き者にされる──そうしたギリギリのところに常に立っているのだ。

 ラディアは振り向きざまに懐から銃を取り出しながら、菓子の入った袋を抱え直す。

「っ!」

 どくん、と弾を放ってもいないのに心臓が嫌な音を立てた。

「何をするのです……!?」

「……なぁ、ラディア・マーティー。一歩でも動こうとしたら、この女の顔がどうなるか分かるだろう?」

 店主がいつの間にか女性の隣りに立っており、片腕で拘束して首筋にナイフを突き付けていた。

「その人は何も関係ないはずだ。手を離せ」

「嫌だね。俺はずっと、ずっ……と、お前をこの手で殺す機会を伺っていたんだ。まさかそっちから来てくれるとは思わなかったが、な!」

「っ……」

 プツ、と女性の首筋にうっすらと赤い筋が走る。

 興奮しきった男はラディアの言葉を聞く気はないのか拘束する腕に力を込めたらしく、女性が苦悶の表情を浮かべている。

 ラディアは懸命に頭を働かせた。

 このまま考えなしに動けば、すぐに女性はあの世行きだ。

 かといって店内の椅子に座っていたであろう老齢な紳士は既におらず、助けを呼ぶには店を出るしかない。

「──じゃあ、今殺したらどうだ」

 ややあって、ラディアは持っていた銃を離した。

 重い音を立てて床に落ち、やや耳障りな音を奏でる。

「ほら、これで俺は丸腰だ。そのポケットに入ってる銃でも、俺のものでも好きな方を使ってくれていい」

 男は信じられないものを見るような目で、じっとラディアを見つめている。

 それは予想してなかったのか、少し拘束が緩んだ隙を突いて女性が逃げ出した。

 ラディアは素早く女性を己の後ろに隠し、ゆっくりと続ける。

 女性一人守るくらいであれば、ラディアにとっては朝飯前だ。

「……どうした? 自分の不甲斐なさに声も出ない、ってやつか?」

 ふっと半ば笑いを含んだ声もそのままに、ラディアは男に向けて言葉を紡いだ。

「動けないのか、あんなに啖呵を切っておいて。そんな心構えで俺を殺そうなんて──」

「うるさい、うるさい、……うるさい!」

 男は懐から取り出した銃を四方八方に撃ち、狭い店内は次第にものや菓子が倒れる音が響く。

 銃弾はひとつも当たっておらず、ただ無意味にものを壊すだけだ。

 無数の硝煙が蔓延り、特有の臭いが鼻を突いた。

 ラディアはそっと背後にいる女性を振り向く。

 こちらが心配になるほど震え、うずくまって頭を抱えている。

 まさかたまたま入った店で、このような事に巻き込まれるとは思っていなかったのだろう。

 ──運の悪い人だ、と思ったのが悪かったのだ。

「っ!」

 パン、と唐突に目の前が赤く染まった。

 右目を撃たれた、と理解した時には既に男の姿はなかった。

 狭い店内で動ける範囲は限られているため、どこへ行ったのか予想はつく。

「は、っ……」

 しかし突然の事に頭が揺れ、身体が動かない。

 動け動けと何度も心の中で唱えても、脳は命令を拒否しているようでラディアはその場に膝を突くしかできなかった。

「あ、の……大丈夫、ですか……?」

 不意に自分以外の手が見え、ラディアはそちらに視線を向ける。

 見れば女性が眉をひそめ、今にも泣き出しそうな瞳でハンカチを差し出していた。

 自分の方がよっぽど怖いというのに他人を気遣うとは、とラディアはこんな時なのに感嘆する。

「ええ……ここは私に任せて。貴方は、今すぐ外に……」

 そう言い終わるが否やバタバタと忙しない足音が響き、男が姿を現した。

「マーティーーーーー!」

 半ば絶叫にも近い己を呼ぶ声とともに、こちらに向けて何かを振り上げたのが見えた。

(ああ……俺はここで死ぬのか)

 ソルライト商会に所属したばかりだというのに、こんなところでくたばっては上の人間に怒られてしまう。

 しかし、女性を守って死ねるのならこれ以上の本望はない。

 そんな思いを胸にラディアが目を閉じ、来たる衝撃に身体の力を抜いた時だ。

っ……!」

 ドン、と横からきた衝撃にラディアは吹っ飛び、紳士が座っていたであろう椅子に身体をしたたかにぶつける。

「あ、ああ……!」

 耳をつんざく絶叫が響いた。

「っ、な……!?」

 片目しか見えない中、ラディアはよろりと起き上がる。

 先程の声は高く、ともすれば女性のそれだった。

「……は? なん、外に……出たんじゃ」

 一人の女が、赤のかった大きな瞳から無数の涙を流して床に横たわっていた。

 その腹部からはどす黒い血がとめどなく溢れ、留まることをしらない。

 ラディアは片目を赤く染めながら、そろそろと女性の前に膝を突く。

「違う、……俺じゃない。俺じゃ、この女が、いきなり……!」

 そこでやっと事の重大さに気付いたのか、男が震える声もそのままに店の奥へ後ずさった。

 その時、ゆっくりと扉が開く。

 年の頃は五、六ほどの少年は中の様子に気付くと、丸い水色の瞳を更に丸くしていた。


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