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リリアーナには分からない
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気づけば、城の湖畔に来ていた。湖面にはうっすら氷が張り、鏡のように月を映している。
「……はは」
口からこぼれたのは乾いた笑い声。
どうしたらいいのかまるで分からなかった。子供みたいだ。親に放り出されて迷子になってしまった子供。
だいたい、と先ほどまでの会話を思い返す。
エドヴァルドはあたかも私を愛しているかのような発言をしていなかったか? そうなのか? 謎すぎる。私は八歳でエリックの婚約者になって、以降恋とか愛とかに無縁で生きてきたから。
私は誰のことも好きにならなかったから、誰も私を好きにならないと思っていた。だってそうだろう。自分を好きにならない人間を、どうやって愛せる? そうではないのか? エドヴァルドが私を好きだとして、でもなんで?
確かにかつて婚約者で、ときどき手紙のやり取りなんかはしていたけれど、でもそれだけだ。内容だって、色めいたものは何もなかった。隣国で勉学に励む彼を、頑張って、と応援するくらい。私もエリックの婚約者として妃教育に耐えている。今日はこんな尻拭いをした、と面白おかしく書いたこともある。
でも、好かれる要素は見当たらない。
混乱の極地で頭を抱えていると、背後の茂みがガサリと鳴った。猫か何かかと振り向いて、「は?」と間抜けな声をあげる。
そこに立っていたのは、肩を怒らせたアンナだった。可愛い顔立ちを険しくして、こちらを睨めつけている。
「見つけました、リリアーナ様」
「……ええと?」
「わたし、どうしても許せませんの」
「何を?」
今、彼女の相手ができる気分ではない。返事がぞんざいになるのを自覚しながら、私は眉をひそめた。
「あの後、エリックさまに叱られましたわ。どうしてリリアーナ様と同じようにできないのかと」
「まあ、それはひどいですね」
今までエリックの不始末は、全て私が対処してきたのだ。だがそれは長年の慣れと諦念によるもの。アンナに同じことを求めるのは酷だろう。
けれど、私の心底から同情した答えに、アンナはますます眉を吊り上げた。
「ひどいのはあなたですわ、リリアーナ様! わたしに恥をかかせようとお考えなのね! あなたは公爵家出身だから、男爵家のわたしを馬鹿にしておいでなのだわ!」
「ええ?」
「わたしが失敗すれば、エリックさまが手元に戻ると思っているのでしょう⁉︎ 自分でなければエリックさまを支えられないと思い上がっていらっしゃるから!」
何が何だか……。
私は片手で額を押さえて、深々とため息をついた。
「どうお考えか分かりませんが、私ほどあなたを応援している人間もおりませんよ。ありとあらゆる困難を、お二人の愛で乗り越えるところを見せてください」
だいたい、私はエリックの婚約者になんて戻りたくない。絶対に嫌だ。面倒くさすぎる。それになにより私はエドヴァルドの婚約者だから、今さら他の男のものになんてなりたくない。もう他の誰からもキスなんてされたくないのだ。
——ん?
何かが胸にちらついたところで、アンナのわめき声が耳に突き刺さった。
「ふざけないで!」
アンナが勢いよく両腕を突き出す。ドン、と衝撃が走った。視界いっぱいに夜空が広がる。
「——あ」
私の体は傾いで、真っ逆さまに湖に転落した。
■ ■ ■
何も感じない、と思ったのは一瞬で、すぐに刺すような冷気が体を包んだ。
もはや寒さというよりは痛みだ。水に沈んだ首から下、氷の刃で斬り付けられるような痛みが襲う。
岸辺は遠い。もがいてみても、ドレスが体に張り付いて上手く手足を動かせない。そんな私をアンナは高笑いして眺めている。
——死ぬのかしら。
ぼんやり思った。だんだん体が重くなる。意識が遠のいていく。走馬灯なんてたいそうなものはなかった。ただ真っ暗な闇に引き摺り込まれるだけ。
後悔とか未練とか、そういうものは一切思い付かなかった。死って、思ったよりも劇的ではないのかも。旧友みたいな顔をして、ある日ふらっと訪れるのかも。
それなら、ステラ姉様もそうだったのかなあ。
思いかけて否定する。姉は死んでない。だから関係がない。
けれど、と思う。もう足は動かなくて、湖の底にゆっくりと体が沈んでいく。口元まで水に浸かった。
もしも死後の世界とか、そういうものがあるとして。
きっとそこは夢幻の花の咲く美しい楽園。
そんな場所でステラ姉様に会えるのなら——死ぬのも怖くはないのに。
ごぶり、と冷たい水が喉に流れ込む。ほとんど氷水だ。体の内側をまた痛みが刺して、湖水が肺にも入って、呼吸もできなくなる。
息苦しくなって涙が流れる。握りつぶされたみたいに心臓が悲鳴をあげた。視界は霞んで、もう何も見えない。
——怖い!
恐怖が背中に取り憑いた。溺れ死にする苦しみが、死ぬ寸前の甘美な麻痺を貫通する。
嫌だ、やだ、こわい!
無我夢中で手を動かす。しっかり動いているのかも分からない。はたから見たら、私はもう死体になって湖にぷかぷか浮いているのかもしれない。
瞼の裏に蘇るのは、娼婦らしいドレスに身を包んだ首なし死体に、地中に埋められる白亜の棺。
紛れもない死の気配。
これに対抗できるものが存在すると、私は証明したかったのだ。
そのとき、私の近くで水しぶきが高く上がった。
「リリィ!」
知っている声、さっき別れたばかりの声。だけどその声が私を愛称で呼んでいたのは、もう十年前のことだ。
「しっかりしろ! 息をしろ!」
強い力で湖面に引き上げられる。新鮮な空気が肺に通って、私は勢いよく咳き込んだ。
湖に飛び込んだ誰かが、私を抱えて岸辺に連れて行こうとしているようだった。私はされるがままになりながら、呆然とその人の名前を呟く。
「え、エド……」
そんなふうに誰かを愛称で呼ぶのは、何年ぶりのことだろう。
■ ■ ■
冬に冷たい湖に落っこちれば、風邪を引くのは自明の理だった。
「……なのに、なぜリリィは無事なんだ……」
「まあ……王太子妃は体力勝負みたいなところがありましたから……?」
私を助けるために湖に飛び込んだエドヴァルドは、見事に高熱を出して倒れていた。
あの夜、離宮に担ぎ込まれて以降ベッドから離れられず、私は公爵邸に戻らずに離宮に泊まり込んでエドヴァルドの看病をしている。
額に浮いた汗を清潔な布で拭いていると、エドヴァルドが眉間に皺を刻んだ。
「恰好がつかない……」
私の方は一晩眠ったらバッチリ回復したので、エドヴァルドがそう思うのも仕方ないのかもしれない。
だが。
「私はそう思いませんけれど」
氷嚢を額に置いてやりながら、私はきっぱり言った。
「誰が何と言おうと、私を助けてくださったあなたは恰好よかったですよ」
ベッドに横たわったエドヴァルドが、ぱたりと目を瞬かせる。切れ長の瞳が嬉しそうに緩んだ。
「そうか、愛するリリィが言うなら悪くない」
「……」
たぶん、ここで告げられる全ては、熱に浮かされた譫言なのだと思う。だから私は、彼の発言をあまり真面目に受け止めないように気を付けていた。
でないと、なんで愛称で呼ぶのかとか、私が好きなのかとか、あらぬことを口走ってしまいそうだからだ。
エドヴァルドが、そうっと私の方に手を伸ばしてくる。
「……本当は、リリィが寝込まなくて済むなら何よりだと思っているんだ」
「ええ、まあ、はい。ありがとうございます」
その手が何かを探すように宙空をさまよっているので、私はぎゅっと握ってみた。エドヴァルドの笑みがますます深くなる。
「リリィ」
「はい、ここに」
「あのときみたいに呼んでくれ」
あのとき、とは。
すっとぼけても、エドヴァルドの期待に満ちた瞳が私の罪悪感をちくちく刺激する。無視できない。そんなことしたら何か悪い気がする。命の恩人ではあるのだし。
私は手を繋いだまま、ぽつりと言った。
「……エド?」
満足そうにエドヴァルドが笑う。結んだ手が、確かに強く握り返された。
「愛してる、リリィ。お前にとっては路傍の石より価値がないだろうがな」
エドヴァルドはそのままスコンと眠りに落ちた。妙に確信めいた響きだけを残して。
うーん、なるほど……。
「……はは」
口からこぼれたのは乾いた笑い声。
どうしたらいいのかまるで分からなかった。子供みたいだ。親に放り出されて迷子になってしまった子供。
だいたい、と先ほどまでの会話を思い返す。
エドヴァルドはあたかも私を愛しているかのような発言をしていなかったか? そうなのか? 謎すぎる。私は八歳でエリックの婚約者になって、以降恋とか愛とかに無縁で生きてきたから。
私は誰のことも好きにならなかったから、誰も私を好きにならないと思っていた。だってそうだろう。自分を好きにならない人間を、どうやって愛せる? そうではないのか? エドヴァルドが私を好きだとして、でもなんで?
確かにかつて婚約者で、ときどき手紙のやり取りなんかはしていたけれど、でもそれだけだ。内容だって、色めいたものは何もなかった。隣国で勉学に励む彼を、頑張って、と応援するくらい。私もエリックの婚約者として妃教育に耐えている。今日はこんな尻拭いをした、と面白おかしく書いたこともある。
でも、好かれる要素は見当たらない。
混乱の極地で頭を抱えていると、背後の茂みがガサリと鳴った。猫か何かかと振り向いて、「は?」と間抜けな声をあげる。
そこに立っていたのは、肩を怒らせたアンナだった。可愛い顔立ちを険しくして、こちらを睨めつけている。
「見つけました、リリアーナ様」
「……ええと?」
「わたし、どうしても許せませんの」
「何を?」
今、彼女の相手ができる気分ではない。返事がぞんざいになるのを自覚しながら、私は眉をひそめた。
「あの後、エリックさまに叱られましたわ。どうしてリリアーナ様と同じようにできないのかと」
「まあ、それはひどいですね」
今までエリックの不始末は、全て私が対処してきたのだ。だがそれは長年の慣れと諦念によるもの。アンナに同じことを求めるのは酷だろう。
けれど、私の心底から同情した答えに、アンナはますます眉を吊り上げた。
「ひどいのはあなたですわ、リリアーナ様! わたしに恥をかかせようとお考えなのね! あなたは公爵家出身だから、男爵家のわたしを馬鹿にしておいでなのだわ!」
「ええ?」
「わたしが失敗すれば、エリックさまが手元に戻ると思っているのでしょう⁉︎ 自分でなければエリックさまを支えられないと思い上がっていらっしゃるから!」
何が何だか……。
私は片手で額を押さえて、深々とため息をついた。
「どうお考えか分かりませんが、私ほどあなたを応援している人間もおりませんよ。ありとあらゆる困難を、お二人の愛で乗り越えるところを見せてください」
だいたい、私はエリックの婚約者になんて戻りたくない。絶対に嫌だ。面倒くさすぎる。それになにより私はエドヴァルドの婚約者だから、今さら他の男のものになんてなりたくない。もう他の誰からもキスなんてされたくないのだ。
——ん?
何かが胸にちらついたところで、アンナのわめき声が耳に突き刺さった。
「ふざけないで!」
アンナが勢いよく両腕を突き出す。ドン、と衝撃が走った。視界いっぱいに夜空が広がる。
「——あ」
私の体は傾いで、真っ逆さまに湖に転落した。
■ ■ ■
何も感じない、と思ったのは一瞬で、すぐに刺すような冷気が体を包んだ。
もはや寒さというよりは痛みだ。水に沈んだ首から下、氷の刃で斬り付けられるような痛みが襲う。
岸辺は遠い。もがいてみても、ドレスが体に張り付いて上手く手足を動かせない。そんな私をアンナは高笑いして眺めている。
——死ぬのかしら。
ぼんやり思った。だんだん体が重くなる。意識が遠のいていく。走馬灯なんてたいそうなものはなかった。ただ真っ暗な闇に引き摺り込まれるだけ。
後悔とか未練とか、そういうものは一切思い付かなかった。死って、思ったよりも劇的ではないのかも。旧友みたいな顔をして、ある日ふらっと訪れるのかも。
それなら、ステラ姉様もそうだったのかなあ。
思いかけて否定する。姉は死んでない。だから関係がない。
けれど、と思う。もう足は動かなくて、湖の底にゆっくりと体が沈んでいく。口元まで水に浸かった。
もしも死後の世界とか、そういうものがあるとして。
きっとそこは夢幻の花の咲く美しい楽園。
そんな場所でステラ姉様に会えるのなら——死ぬのも怖くはないのに。
ごぶり、と冷たい水が喉に流れ込む。ほとんど氷水だ。体の内側をまた痛みが刺して、湖水が肺にも入って、呼吸もできなくなる。
息苦しくなって涙が流れる。握りつぶされたみたいに心臓が悲鳴をあげた。視界は霞んで、もう何も見えない。
——怖い!
恐怖が背中に取り憑いた。溺れ死にする苦しみが、死ぬ寸前の甘美な麻痺を貫通する。
嫌だ、やだ、こわい!
無我夢中で手を動かす。しっかり動いているのかも分からない。はたから見たら、私はもう死体になって湖にぷかぷか浮いているのかもしれない。
瞼の裏に蘇るのは、娼婦らしいドレスに身を包んだ首なし死体に、地中に埋められる白亜の棺。
紛れもない死の気配。
これに対抗できるものが存在すると、私は証明したかったのだ。
そのとき、私の近くで水しぶきが高く上がった。
「リリィ!」
知っている声、さっき別れたばかりの声。だけどその声が私を愛称で呼んでいたのは、もう十年前のことだ。
「しっかりしろ! 息をしろ!」
強い力で湖面に引き上げられる。新鮮な空気が肺に通って、私は勢いよく咳き込んだ。
湖に飛び込んだ誰かが、私を抱えて岸辺に連れて行こうとしているようだった。私はされるがままになりながら、呆然とその人の名前を呟く。
「え、エド……」
そんなふうに誰かを愛称で呼ぶのは、何年ぶりのことだろう。
■ ■ ■
冬に冷たい湖に落っこちれば、風邪を引くのは自明の理だった。
「……なのに、なぜリリィは無事なんだ……」
「まあ……王太子妃は体力勝負みたいなところがありましたから……?」
私を助けるために湖に飛び込んだエドヴァルドは、見事に高熱を出して倒れていた。
あの夜、離宮に担ぎ込まれて以降ベッドから離れられず、私は公爵邸に戻らずに離宮に泊まり込んでエドヴァルドの看病をしている。
額に浮いた汗を清潔な布で拭いていると、エドヴァルドが眉間に皺を刻んだ。
「恰好がつかない……」
私の方は一晩眠ったらバッチリ回復したので、エドヴァルドがそう思うのも仕方ないのかもしれない。
だが。
「私はそう思いませんけれど」
氷嚢を額に置いてやりながら、私はきっぱり言った。
「誰が何と言おうと、私を助けてくださったあなたは恰好よかったですよ」
ベッドに横たわったエドヴァルドが、ぱたりと目を瞬かせる。切れ長の瞳が嬉しそうに緩んだ。
「そうか、愛するリリィが言うなら悪くない」
「……」
たぶん、ここで告げられる全ては、熱に浮かされた譫言なのだと思う。だから私は、彼の発言をあまり真面目に受け止めないように気を付けていた。
でないと、なんで愛称で呼ぶのかとか、私が好きなのかとか、あらぬことを口走ってしまいそうだからだ。
エドヴァルドが、そうっと私の方に手を伸ばしてくる。
「……本当は、リリィが寝込まなくて済むなら何よりだと思っているんだ」
「ええ、まあ、はい。ありがとうございます」
その手が何かを探すように宙空をさまよっているので、私はぎゅっと握ってみた。エドヴァルドの笑みがますます深くなる。
「リリィ」
「はい、ここに」
「あのときみたいに呼んでくれ」
あのとき、とは。
すっとぼけても、エドヴァルドの期待に満ちた瞳が私の罪悪感をちくちく刺激する。無視できない。そんなことしたら何か悪い気がする。命の恩人ではあるのだし。
私は手を繋いだまま、ぽつりと言った。
「……エド?」
満足そうにエドヴァルドが笑う。結んだ手が、確かに強く握り返された。
「愛してる、リリィ。お前にとっては路傍の石より価値がないだろうがな」
エドヴァルドはそのままスコンと眠りに落ちた。妙に確信めいた響きだけを残して。
うーん、なるほど……。
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