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俺はお前が嫌いだっ
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入学式に襲われた日から、それから毎日。
ハルカにとって悪夢は続いていた。
あの日・・・。
キスを止めないタイガを止めてくれたのは、その辺にいた同じ一年生たちで。
あれから俺は「男に襲われた男」でもなく、「男に告白された男」でもなく。
何故か「タイガの恋人のハルカちゃん」という名称を与えられたのだった。
ええ~迷惑でしかないんだけどっ。
タイガだけは嫌だっ。
怖いっ、怖すぎるっ。
背後から抱き締められた記憶が俺の恐怖心を助長する。
どんなに暴れても、びくともしなかった。
同じ男なのにすっぽりと抱き込まれた。
俺は強引な男が大嫌いなんだ。
独りよがりで、こっちが何を言っても聞いちゃいない。
話なんて全く通じない。
もう、本当に勘弁してくれよっ。
何で俺なんだ。
俺ぐらいの見目の男なんてそこいらにたくさんいるだろうに。
ハルカは自分の美貌に無頓着な男であった。
それを心配した父も母も、何度も口を酸っぱくして注意を促しているのに、ハルカは親バカだなぁなんて半ば呆れているぐらいだった。
それでも、これも親孝行の一つか、と素直に両親の声に耳を傾けるあたり、ハルカは素直な良い子でもあった。
「ハルカ、タイガくんが迎えに来たわよ。」
母が言いにきた。
あれからタイガは毎日俺を迎えにやってくる。
俺の家とは正反対の場所に住んでいるくせに。
華奢な身体付きの俺を心配していた両親は、俺が襲われた現場にいたくせに、頼りがいのあるタイガをえらく気に入ってしまった。
母など、「ハルカちゃんのお婿さんになればいいのよっ」を頭が沸いたような事を言っていた。
誰がなるか!
父は、「お婿さん」=「俺がお嫁さん」という所が気に入らないと言っていたが、そこは問題ではないと俺は思う。
ただ、タイガに俺が嫁でもいいです、とか言われてその気になってるのがまた気に入らない。
熨斗つけて返す!
「ハルカ~。会いたかったぞ~。」
俺を見ると力一杯抱き締めてくる、馬鹿力の男が、今日も俺を一目見てガバッとその胸に抱き込む。
ああっ、また失敗した。逃げられなかった。
俺は毎日、毎日タイガの攻撃を逃れようと、ひと足早く家をでたり、ちょっとした仮病を使ったりしている。
そのたびに、タイガの反撃に遭うので、もうやめようかな、とは思っているが・・・。
少し頭痛がするから、先に行け、と言っただけで、部屋の鍵をこじ開けられて、ベッドにのしかかられた時はもう死んだ、と思った。
「どうした?可愛いハルカの顔をもっとよく見せてくれよ。ああ、今日もめちゃめちゃ可愛い。食べてもいい?いいよな?」
何て事を言うんだっ。
俺の顔を見ながら、頬を赤らめて唇を寄せてくる男に、俺はおぞけが立つ。
「やめっ、やめろっ。」
バタバタと手を動かして抵抗する。
「もう、ハルカは照れ屋だなぁ。はぁ、早く一緒に暮らしてぇなぁ。」
おいおい、俺がいつお前と一緒に暮らす事になったんだ。
まだ高校一年の俺たちが卒業するまでたっぷり時間はあるんだぞ。
って、俺は卒業してもこいつと一緒に暮らすつもりなんてないけどな!
ちゅ、ちゅ、と俺の顔中にキスをしている男を見上げながら、俺は絶望的な思いに支配される。
だって、母も父も俺とタイガをニコニコしながら眺めているんだ。
息子が目の前で男に迫られて、あまつさえキスされまくってるのに、止めようともしないんだ。
これは、俺にはもう味方がいないって事じゃないのかっ。
ああ、だから嫌なんだ。
強引な男は、結局周りも巻き込んで、自分の思うように事を進めてしまうんだ。
だから、だから、俺はお前が大嫌いだっ。
ハルカにとって悪夢は続いていた。
あの日・・・。
キスを止めないタイガを止めてくれたのは、その辺にいた同じ一年生たちで。
あれから俺は「男に襲われた男」でもなく、「男に告白された男」でもなく。
何故か「タイガの恋人のハルカちゃん」という名称を与えられたのだった。
ええ~迷惑でしかないんだけどっ。
タイガだけは嫌だっ。
怖いっ、怖すぎるっ。
背後から抱き締められた記憶が俺の恐怖心を助長する。
どんなに暴れても、びくともしなかった。
同じ男なのにすっぽりと抱き込まれた。
俺は強引な男が大嫌いなんだ。
独りよがりで、こっちが何を言っても聞いちゃいない。
話なんて全く通じない。
もう、本当に勘弁してくれよっ。
何で俺なんだ。
俺ぐらいの見目の男なんてそこいらにたくさんいるだろうに。
ハルカは自分の美貌に無頓着な男であった。
それを心配した父も母も、何度も口を酸っぱくして注意を促しているのに、ハルカは親バカだなぁなんて半ば呆れているぐらいだった。
それでも、これも親孝行の一つか、と素直に両親の声に耳を傾けるあたり、ハルカは素直な良い子でもあった。
「ハルカ、タイガくんが迎えに来たわよ。」
母が言いにきた。
あれからタイガは毎日俺を迎えにやってくる。
俺の家とは正反対の場所に住んでいるくせに。
華奢な身体付きの俺を心配していた両親は、俺が襲われた現場にいたくせに、頼りがいのあるタイガをえらく気に入ってしまった。
母など、「ハルカちゃんのお婿さんになればいいのよっ」を頭が沸いたような事を言っていた。
誰がなるか!
父は、「お婿さん」=「俺がお嫁さん」という所が気に入らないと言っていたが、そこは問題ではないと俺は思う。
ただ、タイガに俺が嫁でもいいです、とか言われてその気になってるのがまた気に入らない。
熨斗つけて返す!
「ハルカ~。会いたかったぞ~。」
俺を見ると力一杯抱き締めてくる、馬鹿力の男が、今日も俺を一目見てガバッとその胸に抱き込む。
ああっ、また失敗した。逃げられなかった。
俺は毎日、毎日タイガの攻撃を逃れようと、ひと足早く家をでたり、ちょっとした仮病を使ったりしている。
そのたびに、タイガの反撃に遭うので、もうやめようかな、とは思っているが・・・。
少し頭痛がするから、先に行け、と言っただけで、部屋の鍵をこじ開けられて、ベッドにのしかかられた時はもう死んだ、と思った。
「どうした?可愛いハルカの顔をもっとよく見せてくれよ。ああ、今日もめちゃめちゃ可愛い。食べてもいい?いいよな?」
何て事を言うんだっ。
俺の顔を見ながら、頬を赤らめて唇を寄せてくる男に、俺はおぞけが立つ。
「やめっ、やめろっ。」
バタバタと手を動かして抵抗する。
「もう、ハルカは照れ屋だなぁ。はぁ、早く一緒に暮らしてぇなぁ。」
おいおい、俺がいつお前と一緒に暮らす事になったんだ。
まだ高校一年の俺たちが卒業するまでたっぷり時間はあるんだぞ。
って、俺は卒業してもこいつと一緒に暮らすつもりなんてないけどな!
ちゅ、ちゅ、と俺の顔中にキスをしている男を見上げながら、俺は絶望的な思いに支配される。
だって、母も父も俺とタイガをニコニコしながら眺めているんだ。
息子が目の前で男に迫られて、あまつさえキスされまくってるのに、止めようともしないんだ。
これは、俺にはもう味方がいないって事じゃないのかっ。
ああ、だから嫌なんだ。
強引な男は、結局周りも巻き込んで、自分の思うように事を進めてしまうんだ。
だから、だから、俺はお前が大嫌いだっ。
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