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がっこうにいこう!
194話「食物植物」
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「お、おい、アリス。後ろのソレは・・・・・・何だ?」
ヒノカの言葉に後ろを振り向く。
「えーっと・・・・・・何だろう、コレ。」
俺の後ろにあったのは天井からダラリと垂れ下がった緑色で半透明の・・・・・・触手?
違うな・・・・・・触手と言うより粘液がドロリと滴っているような、そんな感じだ。
「ぶよぶよしてるにゃ。」
サーニャが俺の後ろにあったのとは別のをつねったり引っ張ったりして弄っている。
全員の後ろに一本ずつ垂れ下がっていたみたいだ。
・・・・・・触って、大丈夫なのか?
つん。と指先で触れてみると、その勢いに任せてプラプラと振り子のように動き、やがて止まった。
つまんでみると、ぶにゅ、と何とも言えない感触。そしてもちもちとした肌触り。
これは・・・・・・アレだな。
”スライム”だ。国民的じゃない方の。
「ちょ、ちょっと! う、上・・・・・・!!」
「うげ・・・・・・マジ・・・・・・?」
顔面蒼白なリーフの視線の先を見ると、天井にはスライムがびっしり。
更には通路、その先まで切れ目なくスライムが隙間なく貼りついている。
おそらくは・・・・・・この迷宮全体に。
「どうするのだ、コレは・・・・・・!」
「待って、ヒノカ。」
今にも刀を抜きそうだったヒノカを制止する。
「攻撃したらどんな反撃をしてくるかも分からないし、一旦落ち着いて。みんな、怪我とか身体に異常は無い?」
「むぅ・・・・・・そうだな。身体の方は特に何も感じない。」
他の皆も問題は無さそうだ。
「ちょっとごめんね、フラム。背中を見せてくれる?」
フラムの長い紅毛を分けて、彼女の背にそっと触れていく。
「どう? 痛いところとかない?」
「ひぅ・・・・・・っ。うん・・・・・・だ、だいじょう、ぶ。」
「そっか、良かった。私の目から見ても何とも無いみたいだよ。」
「ァ、アリスのも・・・・・・見た方が、いい?」
「そうだね、お願い。」
「さ、触る・・・・・・ね?」
フラムの手の感触が背中を通して伝わってくる。
小さく震えているのが分かって、なんとも彼女らしい触れ方だ。
ちょっとくすぐったい。
「痛くはないかな。何か変な痣とかできてたりしない?」
「ぅ、うん・・・・・・。大丈夫、みたい。」
俺たち以外も目立った痕跡は無いようだ。
となれば被害は・・・・・・服だけか。
残っている服から欠片ほど切り取り、スライムにペタリとくっつけてみる。
すると、じわじわと染みるように浸食していき、薄紙が水に溶けるように跡形も無くなってしまった。
ここまでくりゃ、犯人は確定だろう。
「ねぇラビ。コレは何なのか分かる?」
「う~ん・・・・・・。」
ラビは垂れ下がるスライムをひとしきり弄ったあと――
「――えいっ。」
べちょ。と自分の頬に貼りつけた。
「ちょ・・・・・・大丈夫なの、ラビ!?」
「うん、多分・・・・・・大丈夫。」
そのままの状態で1~2分ほど待ってから、今度はぺりぺりと剥がす。
「うん、やっぱり・・・・・・すべすべになった気がする。」
「う、嘘・・・・・・よね?」
リーフがスライムを見ながら何やら考え込みだした。
・・・・・・やる気なのか。
「やっぱり・・・・・・ってことは、何か知ってるの?」
「多分ゾッタさんが言ってた、美容草じゃないかなぁ。」
「び、美容草・・・・・・?」
「天井から生えてる草を身体に貼りつけるとつるつるすべすべになるって。ただ、鎧とか剣まで融かされるのは困りものだって言ってたよ。」
ゾッタさんと言えば、前回肉を奢ってくれたアマゾネスみたいな人か。
それを知ってるってことは自分で試したってことだよな・・・・・・?
なんというか・・・・・・見た目以上に豪胆な人だ。
「で、でも、どう見ても草じゃないわよ、こんなの。」
リーフの意見も尤もだが・・・・・・。
「ん~、でも・・・・・・草、というか植物ってのは案外そうなのかも。苔とか藻って表した方がしっくりくるだろうけど。」
「ふむ・・・・・・確かに、植物であれば魔物の気配がしないのは当然だろうからな。」
名前を付けるならプラントスライムだな。
植物ってことは食えるのだろうか。
ゼリーと思えば食感も悪くは無さそうだが・・・・・・。
コラーゲンたっぷりで美容効果も抜群、みたいな。
流石にそこまでの勇気は無いけど。
「そうだ、ちょっと来てキシドー。」
キシドーを手招きして呼び、その手から何時ぞやから付けっぱなしの小手を外す。
「どうするのよ、そんな物。」
「いや、鎧食べるのかなーと思って。」
べちょ。と小手にスライムを引っ付けてみる。
しかし、まるで手で触った時の粘着性が嘘のように小手からするりとスライムが剥がれた。
「ありゃ? くっつかないな。」
何度か試してみたが偶然というわけではないようだ。
「それならコレはどうだ。」
次は自分の剣を押し当ててみる。
・・・・・・どうやらお気に召さないようだ。
「魔力が掛かってるからかな・・・・・・? じゃあこっちは?」
荷車に詰めている土を掴んでそのまま与えてみる。
「ダメか。なら今度はコレ。」
迷宮で拾ったナイフ。
「これもダメなの? こうなったら・・・・・・。」
荷車に積んであるものを片っ端からスライムに引っ付けていく、すると・・・・・・。
「お、食い付いた! ・・・・・・けど、あれ? これって白葉だよね?」
「えぇ、そうね。普通の白葉だわ。」
こちらの世界では一般的な野菜である。
しかし問題はそこではない。
「さっきくっつけた筈なんだけど・・・・・・あ、やっぱりあった!」
調査済みゾーンに分けてあった同じものを取り出す。
やはり同じ白葉だ。
再度試してみるが、食い付きが全く異なる。
一体何が原因なんだ?
・・・・・・いや、まてよ――
「――そうか! 迷宮産のものは食べないんだ!」
それならゾッタさんの証言とも矛盾は無い。
本人に聞いてみなければ確証は取れないが、殆どの探索者は街の店や鍛冶屋で装備を調達している筈だ。
徒手空拳で迷宮に乗り込んだところで、自分が扱い易い武具が拾える保証なんて無いからな。
現に俺たちのパーティだってそうしている。
くっついた白葉は出発前に餞別で貰ったものだろう。
迷宮都市といっても、出回っているものは迷宮産ばかりじゃないからな。
「ちょっと待ちなさいよ。だったらどうしてアリスの作った剣は食べないのかしら?」
「それは多分素材のせいじゃないかな。」
「素材?」
「おそらく食べるのは、鉄、革、木、布、あとは骨とか。つまり武器や防具になりそうな素材ってこと。石なんかも食べるかもね。」
つまり探索者が持ち込んだ装備をボッシュートするシステムである。
魔物が全く居ないのも油断させるためなのだろう。
ただし身体的ダメージが無い分、精神と財布へのダメージは甚大な心折設計。
良い装備はやはり値が張るからな。それが消失したとなると計り知れない損失だ。
ただ、土製装備なんてのは流石に想定外なようだ。
俺くらいだろうしな、そんなの持ち込むのなんて。
「なるほどね・・・・・・。で、それが分かったところでどうするのよ?」
「この迷宮を進むための準備をしないと。」
「準備って・・・・・・何をするのよ?」
「んー、そうだねぇ・・・・・・。」
全員を見渡し、言った。
「とりあえず、みんな脱ごっか。」
ヒノカの言葉に後ろを振り向く。
「えーっと・・・・・・何だろう、コレ。」
俺の後ろにあったのは天井からダラリと垂れ下がった緑色で半透明の・・・・・・触手?
違うな・・・・・・触手と言うより粘液がドロリと滴っているような、そんな感じだ。
「ぶよぶよしてるにゃ。」
サーニャが俺の後ろにあったのとは別のをつねったり引っ張ったりして弄っている。
全員の後ろに一本ずつ垂れ下がっていたみたいだ。
・・・・・・触って、大丈夫なのか?
つん。と指先で触れてみると、その勢いに任せてプラプラと振り子のように動き、やがて止まった。
つまんでみると、ぶにゅ、と何とも言えない感触。そしてもちもちとした肌触り。
これは・・・・・・アレだな。
”スライム”だ。国民的じゃない方の。
「ちょ、ちょっと! う、上・・・・・・!!」
「うげ・・・・・・マジ・・・・・・?」
顔面蒼白なリーフの視線の先を見ると、天井にはスライムがびっしり。
更には通路、その先まで切れ目なくスライムが隙間なく貼りついている。
おそらくは・・・・・・この迷宮全体に。
「どうするのだ、コレは・・・・・・!」
「待って、ヒノカ。」
今にも刀を抜きそうだったヒノカを制止する。
「攻撃したらどんな反撃をしてくるかも分からないし、一旦落ち着いて。みんな、怪我とか身体に異常は無い?」
「むぅ・・・・・・そうだな。身体の方は特に何も感じない。」
他の皆も問題は無さそうだ。
「ちょっとごめんね、フラム。背中を見せてくれる?」
フラムの長い紅毛を分けて、彼女の背にそっと触れていく。
「どう? 痛いところとかない?」
「ひぅ・・・・・・っ。うん・・・・・・だ、だいじょう、ぶ。」
「そっか、良かった。私の目から見ても何とも無いみたいだよ。」
「ァ、アリスのも・・・・・・見た方が、いい?」
「そうだね、お願い。」
「さ、触る・・・・・・ね?」
フラムの手の感触が背中を通して伝わってくる。
小さく震えているのが分かって、なんとも彼女らしい触れ方だ。
ちょっとくすぐったい。
「痛くはないかな。何か変な痣とかできてたりしない?」
「ぅ、うん・・・・・・。大丈夫、みたい。」
俺たち以外も目立った痕跡は無いようだ。
となれば被害は・・・・・・服だけか。
残っている服から欠片ほど切り取り、スライムにペタリとくっつけてみる。
すると、じわじわと染みるように浸食していき、薄紙が水に溶けるように跡形も無くなってしまった。
ここまでくりゃ、犯人は確定だろう。
「ねぇラビ。コレは何なのか分かる?」
「う~ん・・・・・・。」
ラビは垂れ下がるスライムをひとしきり弄ったあと――
「――えいっ。」
べちょ。と自分の頬に貼りつけた。
「ちょ・・・・・・大丈夫なの、ラビ!?」
「うん、多分・・・・・・大丈夫。」
そのままの状態で1~2分ほど待ってから、今度はぺりぺりと剥がす。
「うん、やっぱり・・・・・・すべすべになった気がする。」
「う、嘘・・・・・・よね?」
リーフがスライムを見ながら何やら考え込みだした。
・・・・・・やる気なのか。
「やっぱり・・・・・・ってことは、何か知ってるの?」
「多分ゾッタさんが言ってた、美容草じゃないかなぁ。」
「び、美容草・・・・・・?」
「天井から生えてる草を身体に貼りつけるとつるつるすべすべになるって。ただ、鎧とか剣まで融かされるのは困りものだって言ってたよ。」
ゾッタさんと言えば、前回肉を奢ってくれたアマゾネスみたいな人か。
それを知ってるってことは自分で試したってことだよな・・・・・・?
なんというか・・・・・・見た目以上に豪胆な人だ。
「で、でも、どう見ても草じゃないわよ、こんなの。」
リーフの意見も尤もだが・・・・・・。
「ん~、でも・・・・・・草、というか植物ってのは案外そうなのかも。苔とか藻って表した方がしっくりくるだろうけど。」
「ふむ・・・・・・確かに、植物であれば魔物の気配がしないのは当然だろうからな。」
名前を付けるならプラントスライムだな。
植物ってことは食えるのだろうか。
ゼリーと思えば食感も悪くは無さそうだが・・・・・・。
コラーゲンたっぷりで美容効果も抜群、みたいな。
流石にそこまでの勇気は無いけど。
「そうだ、ちょっと来てキシドー。」
キシドーを手招きして呼び、その手から何時ぞやから付けっぱなしの小手を外す。
「どうするのよ、そんな物。」
「いや、鎧食べるのかなーと思って。」
べちょ。と小手にスライムを引っ付けてみる。
しかし、まるで手で触った時の粘着性が嘘のように小手からするりとスライムが剥がれた。
「ありゃ? くっつかないな。」
何度か試してみたが偶然というわけではないようだ。
「それならコレはどうだ。」
次は自分の剣を押し当ててみる。
・・・・・・どうやらお気に召さないようだ。
「魔力が掛かってるからかな・・・・・・? じゃあこっちは?」
荷車に詰めている土を掴んでそのまま与えてみる。
「ダメか。なら今度はコレ。」
迷宮で拾ったナイフ。
「これもダメなの? こうなったら・・・・・・。」
荷車に積んであるものを片っ端からスライムに引っ付けていく、すると・・・・・・。
「お、食い付いた! ・・・・・・けど、あれ? これって白葉だよね?」
「えぇ、そうね。普通の白葉だわ。」
こちらの世界では一般的な野菜である。
しかし問題はそこではない。
「さっきくっつけた筈なんだけど・・・・・・あ、やっぱりあった!」
調査済みゾーンに分けてあった同じものを取り出す。
やはり同じ白葉だ。
再度試してみるが、食い付きが全く異なる。
一体何が原因なんだ?
・・・・・・いや、まてよ――
「――そうか! 迷宮産のものは食べないんだ!」
それならゾッタさんの証言とも矛盾は無い。
本人に聞いてみなければ確証は取れないが、殆どの探索者は街の店や鍛冶屋で装備を調達している筈だ。
徒手空拳で迷宮に乗り込んだところで、自分が扱い易い武具が拾える保証なんて無いからな。
現に俺たちのパーティだってそうしている。
くっついた白葉は出発前に餞別で貰ったものだろう。
迷宮都市といっても、出回っているものは迷宮産ばかりじゃないからな。
「ちょっと待ちなさいよ。だったらどうしてアリスの作った剣は食べないのかしら?」
「それは多分素材のせいじゃないかな。」
「素材?」
「おそらく食べるのは、鉄、革、木、布、あとは骨とか。つまり武器や防具になりそうな素材ってこと。石なんかも食べるかもね。」
つまり探索者が持ち込んだ装備をボッシュートするシステムである。
魔物が全く居ないのも油断させるためなのだろう。
ただし身体的ダメージが無い分、精神と財布へのダメージは甚大な心折設計。
良い装備はやはり値が張るからな。それが消失したとなると計り知れない損失だ。
ただ、土製装備なんてのは流石に想定外なようだ。
俺くらいだろうしな、そんなの持ち込むのなんて。
「なるほどね・・・・・・。で、それが分かったところでどうするのよ?」
「この迷宮を進むための準備をしないと。」
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「んー、そうだねぇ・・・・・・。」
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