194 / 453
がっこうにいこう!
163話「似てない」
しおりを挟む
「少し、熱があるわね。」
額からひんやりとしたリーフの手が離れ、名残惜しく感じる。
「全くもう・・・・・・しっかりしてよね、こんな所で風邪を引くなんて。」
「・・・・・・面目無いデス。」
リーフの言い分は尤もだ。
今居る宿も含め、色んな店や施設が用意されているが、どこまで行っても此処はダンジョンの中。
そんな場所で、自分の不注意で体調を崩すなど言語道断。
自分のみならず、仲間まで危険に晒しかねない。
「ち、違うのリーフ! 昨日、ボクがお風呂でのぼせちゃって、それで・・・・・・っ!」
「はぁ・・・・・・分かったわ、ニーナ。もう言わないから、そんな顔しないで。」
普段より優しいトーンで話し、リーフがニーナの頭を撫でる。
病人の方にも、もうちょっと優しくお願いしたい。
「とにかく・・・・・・今日明日くらいは安静になさい、アリス。」
「はーい。」
「アリスは私が看てるから、貴女は皆と外を回ってくると良いわ、ニーナ。」
「ボクも手伝うよ!」
「慣れているし、私一人で大丈夫よ。」
「で、でも・・・・・・ボクのせい・・・・・・だし。」
頭を抱えるリーフ。
見ようによってはニーナの方が重症だな、こりゃ。
「あ~、もう・・・・・・分かったから。アリス、食欲はあるかしら?」
リーフの言葉をそのまま自分の身体に伝えてみる。
・・・・・・まだ朝食を摂っていない身体は正直だった。
「うん、普通の食事でも平気だと思う。」
「分かったわ。一応消化に良いものを用意するから、少し待っていて。ありあわせの材料になるから、味は保証できないけれど。」
そう言ってリーフは立ち上がり、部屋の扉に手をかける。
「何をしているの、ニーナ。手伝ってくれるのでしょう?」
「う、うん・・・・・・! でも、アリスは・・・・・・?」
「少し休ませてあげましょう。それに、無茶をして風邪を悪化させる・・・・・・なんて馬鹿な真似はしないと信じているもの。ね、アリス?」
「肝に銘じておきマス・・・・・・。」
「良い心がけよ。」
二人が部屋を出て、一人残される。
目を閉じてみるが、こういう時に限って眠気は欠片もない。いつもなら二度寝余裕なのに。
うーむ・・・・・・暇だ。
*****
扉を叩く音が響き、気付けばウトウトと寝落ちそうになっていた意識が覚醒する。
俺の返事は待たずにそっと扉が開かれ、リーフとニーナが部屋に入ってきた。
「暴れたりはしなかったみたいね。」
「人を何だと思ってるのさ、リーフ。」
「あら・・・・・・聞きたいのかしら?」
「いえ・・・・・・遠慮しておきます。」
ニーナの手には、湯気の立つお皿が載ったトレイ。
ただ、置く場所がないので枕元の袋から土団子を取り出し、ベッドの上に小さなテーブルを作った。
「あ、コラ! 言ったそばから魔法なんて使って!」
「え・・・・・・ダメだった・・・・・・?」
「当たり前でしょう!?」
「ご、ごめんなさい・・・・・・。で、でも、こういう机が無いと食べ辛いでしょ? 保健室のベッドにだってあったし・・・・・・。」
「それは、そうだけれど・・・・・・あまり無茶はしないで頂戴。身体は何とも無いの?」
「うん・・・・・・平気。その・・・・・・ごめんね。」
「良いわよ、もう・・・・・・。とにかく、早く食べてしまいなさい。」
ベッドの上に作ったテーブルにトレイが置かれる。
細かく刻まれた野菜がたっぷり入ったスープに、小さなパンが二つ。
「・・・・・・食べないの?」
「・・・・・・食べさせてくれないの?」
「何言っているのよ、バカ。」
ピンと指でおでこを弾かれる。
「いて。」
「魔法を使う元気があるのだから、一人で食べられるでしょう?」
「は~い。それじゃあ、いただきま~す。」
スープと一緒に野菜の欠片を匙いっぱいに掬い、口の中へ運ぶ。
素材の味を塩で整えただけのスープ。それだけの筈なのに、美味い。
野菜に隠れるように肉の欠片が入っているのもアクセントになっていて良い。
「パンは少しずつ千切って、スープに浸してから食べるのよ。無理に全部食べる必要は無いから、食べられるだけ食べなさい。」
「うん。」
そうは言うが、美味くて止まらんな、コレは。
余裕で平らげられそうだ。
「味はどうかしら?」
「美味しいよ。おかわりも出来そう。」
「だそうよ・・・・・・良かったわね、ニーナ。」
ピタリと匙を動かす手が止まる。
「ニーナが作ってくれたの?」
「う、ううん・・・・・・ボクは材料を切っただけだよ。」
「何言ってるの、それだけでも立派なものよ。・・・・・・剣術も意外な所で役に立つものね。」
「えっ・・・・・・剣で切ったの、コレ?」
「冗談よ。けれど、ニーナが切ったのは本当よ。」
「そっか・・・・・・ありがとう、ニーナ。」
「そんな・・・・・・お礼、なんて・・・・・・。」
ニーナの表情は相変わらず沈んだまま。
湿った空気の中、パンもスープも全て腹の中に収めた。
「あら、全部食べられたのね。」
「うん、美味しかったよ。」
「じゃ、お皿は下げるから後は貴女がお願いね、ニーナ。」
「ボ、ボクが・・・・・・!?」
「あまり人数が居ては休まらないでしょうし・・・・・・私は自分の部屋に戻るから、何かあれば呼びに来て頂戴。お昼になれば、また様子を見に来るわ。」
さっと机の上を片付け「ニーナの事はよろしくね」と耳打ちしてリーフは部屋を出ていった。
残された俺とニーナの間には気まずい沈黙が流れる。
「あの・・・・・・何かして欲しいことある、アリス?」
「いや、今は特に・・・・・・。ニーナはご飯食べたの?」
「うん・・・・・・さっき準備してるときに、リーフが「今のうちに済ませなさい」って・・・・・・。」
「そっか、それなら良いけど・・・・・・私のことは気にしないで皆とお店巡りしてても良かったんだよ?」
「そんな・・・・・・アリスだけ置いて行けないよ!」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、ホントにただの風邪なんだし、そこまで深刻に考える必要ないって。」
「でも、皆だって・・・・・・すごく心配してたよ。」
それが容易に想像できるだけに心苦しい。
普通に俺の不注意で風邪を引いただけなのだが・・・・・・。
フィーやフラムが部屋に乗り込んで来ないのは、おそらくリーフが上手くまとめてくれたからだろう。
でなければ、それこそ気が休まる暇も無かったに違いない。
・・・・・・リーフにはちゃんとお礼をしないとな。
まぁ、まずは頼まれ事から手を付けようか。
「皆が心配してるのは、ニーナの事もだよ。」
「ボクのこと・・・・・・? ボクは、別に・・・・・・。」
「あれからあまり元気無いでしょ。」
「そ、そんなことないよ・・・・・・!」
「ニーナが無理して明るく振る舞ってることくらい、みんな分かってるよ。私達がどれだけ一緒に居ると思ってるのさ。」
「・・・・・・だって・・・・・・だって、ボク・・・・・・どうして良いか、分からっ・・・・・・なくてっ・・・・・・。」
ニーナの瞳から堰を切ったように大粒の涙が溢れ出す。
「い、いやまぁ、ニーナには元気で居て欲しいのは確かだけど・・・・・・無理をして欲しいとは思ってないんだよ。」
空元気も元気の内というが、ニーナのそれは見ていて居たたまれない。
「だったら・・・・・・ボク、どうすれば・・・・・・いいのっ? アリスが、死んじゃうかも・・・・・・しれなかったのにっ。 どうしたらっ・・・・・・許してもらえるの・・・・・・?」
「私は許してないなんて――」
言いかけて気付いた。
あぁ、そうだ。そうだった。
「――じゃあ、もう一度謝ってくれる? 怪我をさせてごめんなさいって。」
「っ・・・・・・ごめん・・・・・・ごめんなさい、アリス! ボクの・・・・・・所為で、怪我・・・・・・させてっ・・・・・・ごめん、なさいっ!」
ニーナの頭を触れるように撫で、伝える。
「コホン・・・・・・良いでしょう、貴女を許します、ニーナ。」
「ぇ・・・・・・?」
「・・・・・・どう? ルーナさんに似てた?」
「・・・・・・ううん。」
そこは嘘でも「ちょっと似てた」くらいは言って欲しい。
「あ・・・・・・で、でもっ、すごく大人っぽかった。」
そりゃあ、中身がね・・・・・・。
なんだか哀しくなるフォローありがとうございます。
「と、とにかく! ニーナはちゃんと謝って、私はそれで許した。だから、この話はこれでお終い。分かった?」
ニーナには「許し」が必要だったのだ。
「気にしないで」とは言ったが、逆にその言葉が重荷になってしまっていたのだろう。
「ごめんね」「いいよいいよ」で済むような事故じゃなかったのは確かだしな。
俺がそれで良いと勝手に思っていただけで、ニーナはそうでは無かったというだけの話である。
座学なんかに関してはアレだが、根っこの部分はかなり真面目な子だからな。
さすが元魔法騎士に躾けられただけはある。
「けど、それだけじゃ――」
「そこまでです、それ以上は許しませんよ、ニーナ。」
「――やっぱり・・・・・・似てない。」
「ダメですか・・・・・・。」
「でも・・・・・・ありがと。」
ニーナの表情が心無しか柔らかくなった。
・・・・・・ような気がした。
額からひんやりとしたリーフの手が離れ、名残惜しく感じる。
「全くもう・・・・・・しっかりしてよね、こんな所で風邪を引くなんて。」
「・・・・・・面目無いデス。」
リーフの言い分は尤もだ。
今居る宿も含め、色んな店や施設が用意されているが、どこまで行っても此処はダンジョンの中。
そんな場所で、自分の不注意で体調を崩すなど言語道断。
自分のみならず、仲間まで危険に晒しかねない。
「ち、違うのリーフ! 昨日、ボクがお風呂でのぼせちゃって、それで・・・・・・っ!」
「はぁ・・・・・・分かったわ、ニーナ。もう言わないから、そんな顔しないで。」
普段より優しいトーンで話し、リーフがニーナの頭を撫でる。
病人の方にも、もうちょっと優しくお願いしたい。
「とにかく・・・・・・今日明日くらいは安静になさい、アリス。」
「はーい。」
「アリスは私が看てるから、貴女は皆と外を回ってくると良いわ、ニーナ。」
「ボクも手伝うよ!」
「慣れているし、私一人で大丈夫よ。」
「で、でも・・・・・・ボクのせい・・・・・・だし。」
頭を抱えるリーフ。
見ようによってはニーナの方が重症だな、こりゃ。
「あ~、もう・・・・・・分かったから。アリス、食欲はあるかしら?」
リーフの言葉をそのまま自分の身体に伝えてみる。
・・・・・・まだ朝食を摂っていない身体は正直だった。
「うん、普通の食事でも平気だと思う。」
「分かったわ。一応消化に良いものを用意するから、少し待っていて。ありあわせの材料になるから、味は保証できないけれど。」
そう言ってリーフは立ち上がり、部屋の扉に手をかける。
「何をしているの、ニーナ。手伝ってくれるのでしょう?」
「う、うん・・・・・・! でも、アリスは・・・・・・?」
「少し休ませてあげましょう。それに、無茶をして風邪を悪化させる・・・・・・なんて馬鹿な真似はしないと信じているもの。ね、アリス?」
「肝に銘じておきマス・・・・・・。」
「良い心がけよ。」
二人が部屋を出て、一人残される。
目を閉じてみるが、こういう時に限って眠気は欠片もない。いつもなら二度寝余裕なのに。
うーむ・・・・・・暇だ。
*****
扉を叩く音が響き、気付けばウトウトと寝落ちそうになっていた意識が覚醒する。
俺の返事は待たずにそっと扉が開かれ、リーフとニーナが部屋に入ってきた。
「暴れたりはしなかったみたいね。」
「人を何だと思ってるのさ、リーフ。」
「あら・・・・・・聞きたいのかしら?」
「いえ・・・・・・遠慮しておきます。」
ニーナの手には、湯気の立つお皿が載ったトレイ。
ただ、置く場所がないので枕元の袋から土団子を取り出し、ベッドの上に小さなテーブルを作った。
「あ、コラ! 言ったそばから魔法なんて使って!」
「え・・・・・・ダメだった・・・・・・?」
「当たり前でしょう!?」
「ご、ごめんなさい・・・・・・。で、でも、こういう机が無いと食べ辛いでしょ? 保健室のベッドにだってあったし・・・・・・。」
「それは、そうだけれど・・・・・・あまり無茶はしないで頂戴。身体は何とも無いの?」
「うん・・・・・・平気。その・・・・・・ごめんね。」
「良いわよ、もう・・・・・・。とにかく、早く食べてしまいなさい。」
ベッドの上に作ったテーブルにトレイが置かれる。
細かく刻まれた野菜がたっぷり入ったスープに、小さなパンが二つ。
「・・・・・・食べないの?」
「・・・・・・食べさせてくれないの?」
「何言っているのよ、バカ。」
ピンと指でおでこを弾かれる。
「いて。」
「魔法を使う元気があるのだから、一人で食べられるでしょう?」
「は~い。それじゃあ、いただきま~す。」
スープと一緒に野菜の欠片を匙いっぱいに掬い、口の中へ運ぶ。
素材の味を塩で整えただけのスープ。それだけの筈なのに、美味い。
野菜に隠れるように肉の欠片が入っているのもアクセントになっていて良い。
「パンは少しずつ千切って、スープに浸してから食べるのよ。無理に全部食べる必要は無いから、食べられるだけ食べなさい。」
「うん。」
そうは言うが、美味くて止まらんな、コレは。
余裕で平らげられそうだ。
「味はどうかしら?」
「美味しいよ。おかわりも出来そう。」
「だそうよ・・・・・・良かったわね、ニーナ。」
ピタリと匙を動かす手が止まる。
「ニーナが作ってくれたの?」
「う、ううん・・・・・・ボクは材料を切っただけだよ。」
「何言ってるの、それだけでも立派なものよ。・・・・・・剣術も意外な所で役に立つものね。」
「えっ・・・・・・剣で切ったの、コレ?」
「冗談よ。けれど、ニーナが切ったのは本当よ。」
「そっか・・・・・・ありがとう、ニーナ。」
「そんな・・・・・・お礼、なんて・・・・・・。」
ニーナの表情は相変わらず沈んだまま。
湿った空気の中、パンもスープも全て腹の中に収めた。
「あら、全部食べられたのね。」
「うん、美味しかったよ。」
「じゃ、お皿は下げるから後は貴女がお願いね、ニーナ。」
「ボ、ボクが・・・・・・!?」
「あまり人数が居ては休まらないでしょうし・・・・・・私は自分の部屋に戻るから、何かあれば呼びに来て頂戴。お昼になれば、また様子を見に来るわ。」
さっと机の上を片付け「ニーナの事はよろしくね」と耳打ちしてリーフは部屋を出ていった。
残された俺とニーナの間には気まずい沈黙が流れる。
「あの・・・・・・何かして欲しいことある、アリス?」
「いや、今は特に・・・・・・。ニーナはご飯食べたの?」
「うん・・・・・・さっき準備してるときに、リーフが「今のうちに済ませなさい」って・・・・・・。」
「そっか、それなら良いけど・・・・・・私のことは気にしないで皆とお店巡りしてても良かったんだよ?」
「そんな・・・・・・アリスだけ置いて行けないよ!」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、ホントにただの風邪なんだし、そこまで深刻に考える必要ないって。」
「でも、皆だって・・・・・・すごく心配してたよ。」
それが容易に想像できるだけに心苦しい。
普通に俺の不注意で風邪を引いただけなのだが・・・・・・。
フィーやフラムが部屋に乗り込んで来ないのは、おそらくリーフが上手くまとめてくれたからだろう。
でなければ、それこそ気が休まる暇も無かったに違いない。
・・・・・・リーフにはちゃんとお礼をしないとな。
まぁ、まずは頼まれ事から手を付けようか。
「皆が心配してるのは、ニーナの事もだよ。」
「ボクのこと・・・・・・? ボクは、別に・・・・・・。」
「あれからあまり元気無いでしょ。」
「そ、そんなことないよ・・・・・・!」
「ニーナが無理して明るく振る舞ってることくらい、みんな分かってるよ。私達がどれだけ一緒に居ると思ってるのさ。」
「・・・・・・だって・・・・・・だって、ボク・・・・・・どうして良いか、分からっ・・・・・・なくてっ・・・・・・。」
ニーナの瞳から堰を切ったように大粒の涙が溢れ出す。
「い、いやまぁ、ニーナには元気で居て欲しいのは確かだけど・・・・・・無理をして欲しいとは思ってないんだよ。」
空元気も元気の内というが、ニーナのそれは見ていて居たたまれない。
「だったら・・・・・・ボク、どうすれば・・・・・・いいのっ? アリスが、死んじゃうかも・・・・・・しれなかったのにっ。 どうしたらっ・・・・・・許してもらえるの・・・・・・?」
「私は許してないなんて――」
言いかけて気付いた。
あぁ、そうだ。そうだった。
「――じゃあ、もう一度謝ってくれる? 怪我をさせてごめんなさいって。」
「っ・・・・・・ごめん・・・・・・ごめんなさい、アリス! ボクの・・・・・・所為で、怪我・・・・・・させてっ・・・・・・ごめん、なさいっ!」
ニーナの頭を触れるように撫で、伝える。
「コホン・・・・・・良いでしょう、貴女を許します、ニーナ。」
「ぇ・・・・・・?」
「・・・・・・どう? ルーナさんに似てた?」
「・・・・・・ううん。」
そこは嘘でも「ちょっと似てた」くらいは言って欲しい。
「あ・・・・・・で、でもっ、すごく大人っぽかった。」
そりゃあ、中身がね・・・・・・。
なんだか哀しくなるフォローありがとうございます。
「と、とにかく! ニーナはちゃんと謝って、私はそれで許した。だから、この話はこれでお終い。分かった?」
ニーナには「許し」が必要だったのだ。
「気にしないで」とは言ったが、逆にその言葉が重荷になってしまっていたのだろう。
「ごめんね」「いいよいいよ」で済むような事故じゃなかったのは確かだしな。
俺がそれで良いと勝手に思っていただけで、ニーナはそうでは無かったというだけの話である。
座学なんかに関してはアレだが、根っこの部分はかなり真面目な子だからな。
さすが元魔法騎士に躾けられただけはある。
「けど、それだけじゃ――」
「そこまでです、それ以上は許しませんよ、ニーナ。」
「――やっぱり・・・・・・似てない。」
「ダメですか・・・・・・。」
「でも・・・・・・ありがと。」
ニーナの表情が心無しか柔らかくなった。
・・・・・・ような気がした。
0
お気に入りに追加
203
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる