67 / 73
糖度MAX*楽観主義者のお姫様
1
しおりを挟む
7月1日、明日は有澄の誕生日。
誕生日はたまたま日曜日で、明日は朝から出かける事になっている。
本当は今日も土曜日で仕事が休みなので、朝から出かけてホテルでお泊まりデートでも良かったんだけれど・・・有澄が用事があるとかで朝から出かけてまだ帰らず。
もうすぐ日付けが変わって、7月1日になってしまう。
日付けが変わったら、真っ先におめでとうって言いたかったのにな。
夕食も先に食べてと言われたので、今日は1日中1人で過ごした。
簡単な夜食とケーキを作り、ドラマの録画を見たりしたけれど、有澄の居る生活に慣れてしまったので夜が長くて寂しい。
ソファーで次のドラマの録画をかけて見ているとアクビが出て、少しだけ眠くて目を閉じた。
「ん…?あれ?」
気が付くとベッドの上だった。
隣にはスヤスヤと眠る有澄の姿があって、カーテンから朝の陽射しが差し込んでいる。
関東も梅雨入りしたけれど、今日は中休みみたいで今日は蒸し暑くなりそう。
有澄はいつ帰って来たのかな?
私はいつの間にか寝ていて、有澄が運んでくれたんだと思う。
起こさないようにそっと「誕生日おめでとう」と言って頬にキスをしたら、「こっちにおいで」とベッドに引き込まれた。
「私、もう眠くないんだけど…」
「だろうね、だってソファーでグッスリ寝てたから。もうちょっとだけ寝てもいい?」
「うん、私は起きてるね」
「えぇー、いいじゃん、今日だけ」
「有澄と寝てたら夕方になっちゃうから嫌っ!」
可愛く私を見つめても駄目なものはダメっ!
有澄と一緒に寝てたらお昼になってしまい、起きがけにエッチな事をされて、またお昼寝してしまい、結局夕方になってしまうパターンが何度かあったから、今日は完全に阻止。
午後からは絶対に出かけるって決めてるんだから!
有澄は今だにどこに行きたいとか聞いても言ってくれなくて、行き先は決まっていない。
せっかくの梅雨の晴れ間に、たまには遊園地でも行ってみたいけれど・・・。
「あれ?起きたの?」
「うん、ゆかりが側に居なくなったから目が覚めた。シャワー浴びてくる。ゆかりも一緒にお風呂入るなら、湯船貯めるけど…?」
「私は大丈夫だよ。それより、早く出かけたいし…」
「何だよ、一緒に入らないの?誕生日は何でも好きな事してあげるって言ってたのに…」
いやいや、違う、違いますっ!
"好きな事してあげる"って言った訳ではなく、"有澄の好きな場所に行こう"とは言いました。
有澄の勘違いだけれども、まぁ、仕方ないか。
「じゃあ…夜、一緒に入ろ。それでもいい?」
「うん、分かった。約束ね」
ベッドのある部屋のカーテンを開けて、窓も開ける。
湿度高そうだけれど、雨は降らないと良いな。
朝ごはんを用意しようと思い、キッチンに立つと夜食に使ったお皿が食器洗浄機に入っていたので、きちんと食べてくれていたらしい。
冷蔵庫を開けると・・・ケーキの下の方が食べられていた。
上から見ても分からない様に下の方だけ、フォークで指して食べたネズミがいたみたい。
ケーキの横には、何かの封筒が入っていた。
何だろ、コレ?コンビニのチケット入れの袋?
取り出して興味本位で中身を見ると、有名テーマパークのチケットが2枚入っていた。
「有澄、コレ行くの?」
シャワーを浴びたばかりで濡れた髪のままの有澄を捕まえて、私はついついはしゃぐ。
「今日は晴れるって天気予報で言ってたし、ゆかりも喜ぶかなと思って…。ほら、こないだ行きたそうにCM見てたから、ここでいいかな?と思ったんだけど…」
「ありがと、有澄。大好きっ」
チケットを持ちながら、有澄に抱き着く。
どっちの誕生日だか分からなくなってしまったが、とにかく楽しみ。
ロールパンを少しレンジで温めて、あらかじめ用意しておいた卵やハム、レタス等の具材を挟む。
早く行きたいから、平日の朝食用に作りタメして冷凍して置いたミネストローネも使っちゃおう。
時刻は朝8時過ぎ。
有澄と一緒に朝食を取る。
「有澄、誕生日おめでとう」
改めてお祝いの言葉をかける。
「昨日の夜中にケーキ食べたりした…?」
ロールパンサンドを手に持ちながら、問いかける。
有澄は白々しく、「ゆかりが作ってくれたから嬉しくてつい食べたけど、下の方ならバレないかなって思って…」と返答した。
「いや、別に食べても良かったんだけど。日付けが変わったら、一緒にお祝いしたかっただけだから。帰って来てからにしよっか?」
「今、食べる」
「えー!?今なのぉ?」
ケーキは4号サイズで小さめ、ショートケーキ4個分位だから食べられなくはないかな?
ロウソクは24本立てられないから、日付のロウソク"7"と"1"の2本にした。
チョコレートの板にチョコペンで"Happy Birthday Dear Arito"って書いたけど・・・上手に書く事が出来なかった。
「あんまり上手に作れなくてごめんね…」
生クリームの絞り方もイマイチだし、スポンジも一度失敗してしまい二度目だけれど食べてみないと分からない。
「そんな事ないよ。手作りケーキって初めて食べるから嬉しい」
誕生日はたまたま日曜日で、明日は朝から出かける事になっている。
本当は今日も土曜日で仕事が休みなので、朝から出かけてホテルでお泊まりデートでも良かったんだけれど・・・有澄が用事があるとかで朝から出かけてまだ帰らず。
もうすぐ日付けが変わって、7月1日になってしまう。
日付けが変わったら、真っ先におめでとうって言いたかったのにな。
夕食も先に食べてと言われたので、今日は1日中1人で過ごした。
簡単な夜食とケーキを作り、ドラマの録画を見たりしたけれど、有澄の居る生活に慣れてしまったので夜が長くて寂しい。
ソファーで次のドラマの録画をかけて見ているとアクビが出て、少しだけ眠くて目を閉じた。
「ん…?あれ?」
気が付くとベッドの上だった。
隣にはスヤスヤと眠る有澄の姿があって、カーテンから朝の陽射しが差し込んでいる。
関東も梅雨入りしたけれど、今日は中休みみたいで今日は蒸し暑くなりそう。
有澄はいつ帰って来たのかな?
私はいつの間にか寝ていて、有澄が運んでくれたんだと思う。
起こさないようにそっと「誕生日おめでとう」と言って頬にキスをしたら、「こっちにおいで」とベッドに引き込まれた。
「私、もう眠くないんだけど…」
「だろうね、だってソファーでグッスリ寝てたから。もうちょっとだけ寝てもいい?」
「うん、私は起きてるね」
「えぇー、いいじゃん、今日だけ」
「有澄と寝てたら夕方になっちゃうから嫌っ!」
可愛く私を見つめても駄目なものはダメっ!
有澄と一緒に寝てたらお昼になってしまい、起きがけにエッチな事をされて、またお昼寝してしまい、結局夕方になってしまうパターンが何度かあったから、今日は完全に阻止。
午後からは絶対に出かけるって決めてるんだから!
有澄は今だにどこに行きたいとか聞いても言ってくれなくて、行き先は決まっていない。
せっかくの梅雨の晴れ間に、たまには遊園地でも行ってみたいけれど・・・。
「あれ?起きたの?」
「うん、ゆかりが側に居なくなったから目が覚めた。シャワー浴びてくる。ゆかりも一緒にお風呂入るなら、湯船貯めるけど…?」
「私は大丈夫だよ。それより、早く出かけたいし…」
「何だよ、一緒に入らないの?誕生日は何でも好きな事してあげるって言ってたのに…」
いやいや、違う、違いますっ!
"好きな事してあげる"って言った訳ではなく、"有澄の好きな場所に行こう"とは言いました。
有澄の勘違いだけれども、まぁ、仕方ないか。
「じゃあ…夜、一緒に入ろ。それでもいい?」
「うん、分かった。約束ね」
ベッドのある部屋のカーテンを開けて、窓も開ける。
湿度高そうだけれど、雨は降らないと良いな。
朝ごはんを用意しようと思い、キッチンに立つと夜食に使ったお皿が食器洗浄機に入っていたので、きちんと食べてくれていたらしい。
冷蔵庫を開けると・・・ケーキの下の方が食べられていた。
上から見ても分からない様に下の方だけ、フォークで指して食べたネズミがいたみたい。
ケーキの横には、何かの封筒が入っていた。
何だろ、コレ?コンビニのチケット入れの袋?
取り出して興味本位で中身を見ると、有名テーマパークのチケットが2枚入っていた。
「有澄、コレ行くの?」
シャワーを浴びたばかりで濡れた髪のままの有澄を捕まえて、私はついついはしゃぐ。
「今日は晴れるって天気予報で言ってたし、ゆかりも喜ぶかなと思って…。ほら、こないだ行きたそうにCM見てたから、ここでいいかな?と思ったんだけど…」
「ありがと、有澄。大好きっ」
チケットを持ちながら、有澄に抱き着く。
どっちの誕生日だか分からなくなってしまったが、とにかく楽しみ。
ロールパンを少しレンジで温めて、あらかじめ用意しておいた卵やハム、レタス等の具材を挟む。
早く行きたいから、平日の朝食用に作りタメして冷凍して置いたミネストローネも使っちゃおう。
時刻は朝8時過ぎ。
有澄と一緒に朝食を取る。
「有澄、誕生日おめでとう」
改めてお祝いの言葉をかける。
「昨日の夜中にケーキ食べたりした…?」
ロールパンサンドを手に持ちながら、問いかける。
有澄は白々しく、「ゆかりが作ってくれたから嬉しくてつい食べたけど、下の方ならバレないかなって思って…」と返答した。
「いや、別に食べても良かったんだけど。日付けが変わったら、一緒にお祝いしたかっただけだから。帰って来てからにしよっか?」
「今、食べる」
「えー!?今なのぉ?」
ケーキは4号サイズで小さめ、ショートケーキ4個分位だから食べられなくはないかな?
ロウソクは24本立てられないから、日付のロウソク"7"と"1"の2本にした。
チョコレートの板にチョコペンで"Happy Birthday Dear Arito"って書いたけど・・・上手に書く事が出来なかった。
「あんまり上手に作れなくてごめんね…」
生クリームの絞り方もイマイチだし、スポンジも一度失敗してしまい二度目だけれど食べてみないと分からない。
「そんな事ないよ。手作りケーキって初めて食べるから嬉しい」
0
お気に入りに追加
179
あなたにおすすめの小説
幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在
一緒にいるのに 言えない言葉
すれ違い、通り過ぎる二人の想いは
いつか重なるのだろうか…
心に秘めた想いを
いつか伝えてもいいのだろうか…
遠回りする幼馴染二人の恋の行方は?
幼い頃からいつも一緒にいた
幼馴染の朱里と瑛。
瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、
朱里を遠ざけようとする。
そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて…
・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・
栗田 朱里(21歳)… 大学生
桐生 瑛(21歳)… 大学生
桐生ホールディングス 御曹司
初恋の呪縛
泉南佳那
恋愛
久保朱利(くぼ あかり)27歳 アパレルメーカーのプランナー
×
都築 匡(つづき きょう)27歳 デザイナー
ふたりは同じ専門学校の出身。
現在も同じアパレルメーカーで働いている。
朱利と都築は男女を超えた親友同士。
回りだけでなく、本人たちもそう思っていた。
いや、思いこもうとしていた。
互いに本心を隠して。
契約結婚!一発逆転マニュアル♡
伊吹美香
恋愛
『愛妻家になりたい男』と『今の状況から抜け出したい女』が利害一致の契約結婚⁉
全てを失い現実の中で藻掻く女
緒方 依舞稀(24)
✖
なんとしてでも愛妻家にならねばならない男
桐ケ谷 遥翔(30)
『一発逆転』と『打算』のために
二人の契約結婚生活が始まる……。
最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた―――
ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。
それは同棲の話が出ていた矢先だった。
凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。
ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。
実は彼、厄介な事に大の女嫌いで――
元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――
もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
泉南佳那
恋愛
イケメンカリスマ美容師と内気で地味な書店員との、甘々溺愛ストーリーです!
どうぞお楽しみいただけますように。
〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
書店の仕事と〈リインカネーション〉の施術という二重生活に慣れてきた矢先、大問題が発生する。
突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
残念に思いながらも、やはり夢でしかなかったのだとあきらめる優紀だったが、そんなとき、玲伊から呼び出しを受けて……
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
年下男子に追いかけられて極甘求婚されています
あさの紅茶
恋愛
◆結婚破棄され憂さ晴らしのために京都一人旅へ出かけた大野なぎさ(25)
「どいつもこいつもイチャイチャしやがって!ムカつくわー!お前ら全員幸せになりやがれ!」
◆年下幼なじみで今は京都の大学にいる富田潤(20)
「京都案内しようか?今どこ?」
再会した幼なじみである潤は実は子どもの頃からなぎさのことが好きで、このチャンスを逃すまいと猛アプローチをかける。
「俺はもう子供じゃない。俺についてきて、なぎ」
「そんなこと言って、後悔しても知らないよ?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる