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糖度MAX*楽観主義者のお姫様

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7月1日、明日は有澄の誕生日。

誕生日はたまたま日曜日で、明日は朝から出かける事になっている。

本当は今日も土曜日で仕事が休みなので、朝から出かけてホテルでお泊まりデートでも良かったんだけれど・・・有澄が用事があるとかで朝から出かけてまだ帰らず。

もうすぐ日付けが変わって、7月1日になってしまう。

日付けが変わったら、真っ先におめでとうって言いたかったのにな。

夕食も先に食べてと言われたので、今日は1日中1人で過ごした。

簡単な夜食とケーキを作り、ドラマの録画を見たりしたけれど、有澄の居る生活に慣れてしまったので夜が長くて寂しい。

ソファーで次のドラマの録画をかけて見ているとアクビが出て、少しだけ眠くて目を閉じた。

「ん…?あれ?」

気が付くとベッドの上だった。

隣にはスヤスヤと眠る有澄の姿があって、カーテンから朝の陽射しが差し込んでいる。

関東も梅雨入りしたけれど、今日は中休みみたいで今日は蒸し暑くなりそう。

有澄はいつ帰って来たのかな?

私はいつの間にか寝ていて、有澄が運んでくれたんだと思う。

起こさないようにそっと「誕生日おめでとう」と言って頬にキスをしたら、「こっちにおいで」とベッドに引き込まれた。

「私、もう眠くないんだけど…」

「だろうね、だってソファーでグッスリ寝てたから。もうちょっとだけ寝てもいい?」

「うん、私は起きてるね」

「えぇー、いいじゃん、今日だけ」

「有澄と寝てたら夕方になっちゃうから嫌っ!」

可愛く私を見つめても駄目なものはダメっ!

有澄と一緒に寝てたらお昼になってしまい、起きがけにエッチな事をされて、またお昼寝してしまい、結局夕方になってしまうパターンが何度かあったから、今日は完全に阻止。

午後からは絶対に出かけるって決めてるんだから!

有澄は今だにどこに行きたいとか聞いても言ってくれなくて、行き先は決まっていない。

せっかくの梅雨の晴れ間に、たまには遊園地でも行ってみたいけれど・・・。

「あれ?起きたの?」

「うん、ゆかりが側に居なくなったから目が覚めた。シャワー浴びてくる。ゆかりも一緒にお風呂入るなら、湯船貯めるけど…?」

「私は大丈夫だよ。それより、早く出かけたいし…」

「何だよ、一緒に入らないの?誕生日は何でも好きな事してあげるって言ってたのに…」

いやいや、違う、違いますっ!

"好きな事してあげる"って言った訳ではなく、"有澄の好きな場所に行こう"とは言いました。

有澄の勘違いだけれども、まぁ、仕方ないか。

「じゃあ…夜、一緒に入ろ。それでもいい?」

「うん、分かった。約束ね」

ベッドのある部屋のカーテンを開けて、窓も開ける。

湿度高そうだけれど、雨は降らないと良いな。

朝ごはんを用意しようと思い、キッチンに立つと夜食に使ったお皿が食器洗浄機に入っていたので、きちんと食べてくれていたらしい。

冷蔵庫を開けると・・・ケーキの下の方が食べられていた。

上から見ても分からない様に下の方だけ、フォークで指して食べたネズミがいたみたい。

ケーキの横には、何かの封筒が入っていた。

何だろ、コレ?コンビニのチケット入れの袋?

取り出して興味本位で中身を見ると、有名テーマパークのチケットが2枚入っていた。

「有澄、コレ行くの?」

シャワーを浴びたばかりで濡れた髪のままの有澄を捕まえて、私はついついはしゃぐ。

「今日は晴れるって天気予報で言ってたし、ゆかりも喜ぶかなと思って…。ほら、こないだ行きたそうにCM見てたから、ここでいいかな?と思ったんだけど…」

「ありがと、有澄。大好きっ」

チケットを持ちながら、有澄に抱き着く。

どっちの誕生日だか分からなくなってしまったが、とにかく楽しみ。

ロールパンを少しレンジで温めて、あらかじめ用意しておいた卵やハム、レタス等の具材を挟む。

早く行きたいから、平日の朝食用に作りタメして冷凍して置いたミネストローネも使っちゃおう。

時刻は朝8時過ぎ。

有澄と一緒に朝食を取る。

「有澄、誕生日おめでとう」

改めてお祝いの言葉をかける。

「昨日の夜中にケーキ食べたりした…?」

ロールパンサンドを手に持ちながら、問いかける。

有澄は白々しく、「ゆかりが作ってくれたから嬉しくてつい食べたけど、下の方ならバレないかなって思って…」と返答した。

「いや、別に食べても良かったんだけど。日付けが変わったら、一緒にお祝いしたかっただけだから。帰って来てからにしよっか?」

「今、食べる」

「えー!?今なのぉ?」

ケーキは4号サイズで小さめ、ショートケーキ4個分位だから食べられなくはないかな?

ロウソクは24本立てられないから、日付のロウソク"7"と"1"の2本にした。

チョコレートの板にチョコペンで"Happy Birthday Dear Arito"って書いたけど・・・上手に書く事が出来なかった。

「あんまり上手に作れなくてごめんね…」

生クリームの絞り方もイマイチだし、スポンジも一度失敗してしまい二度目だけれど食べてみないと分からない。

「そんな事ないよ。手作りケーキって初めて食べるから嬉しい」
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