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糖度10*待ちに待ったGW
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心地良い気温、青々としている木々達、華麗に咲いている花達。
正しく春爛漫と言わんばかりのブライダルフェア当日、担当の小野さんに無事にウェルカムボードを渡して、しばしの歓談中。
「青葉さんと御一緒に副社長までお越し頂けるとは感激です。お時間に余裕があれば、御自由に見学して行って下さいね。ウェルカムドリンクの試飲もしてますので、どうぞ」
「ありがとうございます。是非、見学させて下さい」
小野さんが忙しそうに持ち場に戻ると、私と有澄は模擬挙式をしている教会へと向かう。
ライスシャワーが空を舞い、シャンパンタワーが光り輝いて見える。
「花嫁さん、綺麗ね」
「ゆかりも、もうすぐ着れるように頑張るよ」
「有澄さぁ…何回もプロポーズしすぎ…」
「え?してないよ。正式にするのは段取り決めてからね」
話の合間に何度もプロポーズまがいの事を言うから、まるで私が勝手に勘違いしてただけな雰囲気になってしまった。
実際はどっちなんだろう?と思い、私が黙り込んでしまうと・・・有澄は気になったのか、すかさずフォローをする。
「プロポーズしてないって言ったら嘘になるけど…一生一度の事だから、時期が来たらカッコ良くプロポーズさせて下さい」
「よ、よろしくお願いします…」
私達は手を繋いで歩き出す。
いろは雑貨の展示物を見てから、披露宴の会場を見て回り、最後にウェルカムドリンクの試飲もいただいてからホテルを後にした。
結婚が決まっている彼氏彼女の様にブライダルフェアを満喫し、心が満たされる。
「海辺の近くだからマリンブルーがベースの会場も良かったし、黄色がベースだとヒマワリとかの花も可愛くて元気いっぱいな感じがしたよね!」
「ゆかりがそんなにはしゃいでるのは、年末に見に行ったイルミネーション以来だね」
「綺麗とか可愛いものを見るとつい写真も撮りたくなるし、テンションあがちゃって…」
綾美が教えてくれた渋谷のイルミネーションは光の点滅が本当に綺麗で、有澄と二人で神秘的な技術に酔いしれた。
今日のブライダルフェアも全てが魅力的で、私もいつかは・・・と考えるとテンションは上がる一方だった。
「海に光が反射してキラキラしてるね!」
「もっと遠くに旅行でも良かったんじゃない?」
「有澄と一緒なら、どこだって楽しいよ!それに有澄の運転する車に乗れたし嬉しい」
「…今、物凄く、ゆかりをぎゅうっとしたいけど…ハンドル離せないから悔しい」
ブライダルフェアのホテルにウェルカムボードを置いてから、海辺をドライブしながら宿泊するホテルに行く計画。
有澄は大学時代に免許を取得して、自宅の車をたまに運転していたらしく、安心して助手席に乗っていられる。
誰かさん(日下部さん)の運転とは大違い。
今日はレンタカーだけれど、引っ越ししたら購入すると言っていた。
「こないだね、綾美達と来た時に寄ったカフェが美味しかったんだ。明日の帰りに寄ってみよう」
「他にもゆかりが気になる場所、見つけたら言ってね」
「うん…」
運転している有澄がとても様になっていて、横顔を眺めていたら「視線が気になる…」と指摘されたので我に返って赤面する。
高校生と専門学生時代の彼氏とはいつも歩きで学校帰りにデートだったから、車でドライブデートは初めてだった。
運転する彼氏・・・いや、運転しているのが有澄だから、こんなにもカッコイイと思えるのかな?
「ねぇねぇ、有澄って助手席に彼女乗せた事ある?」
「何、突然!?」
「私は彼氏の運転する助手席に初めて乗ったから、ちょっと聞いてみたかっただけ…」
「あるよ。大学の時、同じサークルの何となく付き合ってた子で、サークルの他の友達も一緒に出かけた時に一度だけ」
随分と長い説明だったけれど、一度だけ乗せたのは事実らしい。
「グループ交際みたいな感じだったから、あんまり二人きりで出かけたりはなかったよ。車で二人きりで出かけるのはゆかりが初めてだよ」
「じゃあ、今日はお互いの初めて記念日ね」
前の彼女の事をあんまり根掘り葉掘り聞くと嫉妬してしまうと思うから、これ以上は聞かないようにしなきゃ。
有澄にとっての大学4年間は、ついこないだの話だし、彼女との繋がりも切れたばかりなのかもしれないし、墓穴掘りそうで怖い。
本人だって聞かれたくないと思うしね。
そう言えば、大学時代の話とか、有澄の口から聞いた事がないなぁ・・・。
「俺はゆかりとの初めてが沢山あるよ。ご飯作って貰ったり、合鍵渡したり、他にも沢山あるけど…。社会人ってさ、学生の時は躊躇したりしていた事が簡単に出来ちゃうんだなって思った」
「自立してるとね、親に内緒で出来ちゃうからね…。そうだ!私も社内恋愛って初めてだよ。入社してから誰とも付き合ってない。そんなだから、最近ではお見合いしろって実家の両親から言われ続けてる」
正しく春爛漫と言わんばかりのブライダルフェア当日、担当の小野さんに無事にウェルカムボードを渡して、しばしの歓談中。
「青葉さんと御一緒に副社長までお越し頂けるとは感激です。お時間に余裕があれば、御自由に見学して行って下さいね。ウェルカムドリンクの試飲もしてますので、どうぞ」
「ありがとうございます。是非、見学させて下さい」
小野さんが忙しそうに持ち場に戻ると、私と有澄は模擬挙式をしている教会へと向かう。
ライスシャワーが空を舞い、シャンパンタワーが光り輝いて見える。
「花嫁さん、綺麗ね」
「ゆかりも、もうすぐ着れるように頑張るよ」
「有澄さぁ…何回もプロポーズしすぎ…」
「え?してないよ。正式にするのは段取り決めてからね」
話の合間に何度もプロポーズまがいの事を言うから、まるで私が勝手に勘違いしてただけな雰囲気になってしまった。
実際はどっちなんだろう?と思い、私が黙り込んでしまうと・・・有澄は気になったのか、すかさずフォローをする。
「プロポーズしてないって言ったら嘘になるけど…一生一度の事だから、時期が来たらカッコ良くプロポーズさせて下さい」
「よ、よろしくお願いします…」
私達は手を繋いで歩き出す。
いろは雑貨の展示物を見てから、披露宴の会場を見て回り、最後にウェルカムドリンクの試飲もいただいてからホテルを後にした。
結婚が決まっている彼氏彼女の様にブライダルフェアを満喫し、心が満たされる。
「海辺の近くだからマリンブルーがベースの会場も良かったし、黄色がベースだとヒマワリとかの花も可愛くて元気いっぱいな感じがしたよね!」
「ゆかりがそんなにはしゃいでるのは、年末に見に行ったイルミネーション以来だね」
「綺麗とか可愛いものを見るとつい写真も撮りたくなるし、テンションあがちゃって…」
綾美が教えてくれた渋谷のイルミネーションは光の点滅が本当に綺麗で、有澄と二人で神秘的な技術に酔いしれた。
今日のブライダルフェアも全てが魅力的で、私もいつかは・・・と考えるとテンションは上がる一方だった。
「海に光が反射してキラキラしてるね!」
「もっと遠くに旅行でも良かったんじゃない?」
「有澄と一緒なら、どこだって楽しいよ!それに有澄の運転する車に乗れたし嬉しい」
「…今、物凄く、ゆかりをぎゅうっとしたいけど…ハンドル離せないから悔しい」
ブライダルフェアのホテルにウェルカムボードを置いてから、海辺をドライブしながら宿泊するホテルに行く計画。
有澄は大学時代に免許を取得して、自宅の車をたまに運転していたらしく、安心して助手席に乗っていられる。
誰かさん(日下部さん)の運転とは大違い。
今日はレンタカーだけれど、引っ越ししたら購入すると言っていた。
「こないだね、綾美達と来た時に寄ったカフェが美味しかったんだ。明日の帰りに寄ってみよう」
「他にもゆかりが気になる場所、見つけたら言ってね」
「うん…」
運転している有澄がとても様になっていて、横顔を眺めていたら「視線が気になる…」と指摘されたので我に返って赤面する。
高校生と専門学生時代の彼氏とはいつも歩きで学校帰りにデートだったから、車でドライブデートは初めてだった。
運転する彼氏・・・いや、運転しているのが有澄だから、こんなにもカッコイイと思えるのかな?
「ねぇねぇ、有澄って助手席に彼女乗せた事ある?」
「何、突然!?」
「私は彼氏の運転する助手席に初めて乗ったから、ちょっと聞いてみたかっただけ…」
「あるよ。大学の時、同じサークルの何となく付き合ってた子で、サークルの他の友達も一緒に出かけた時に一度だけ」
随分と長い説明だったけれど、一度だけ乗せたのは事実らしい。
「グループ交際みたいな感じだったから、あんまり二人きりで出かけたりはなかったよ。車で二人きりで出かけるのはゆかりが初めてだよ」
「じゃあ、今日はお互いの初めて記念日ね」
前の彼女の事をあんまり根掘り葉掘り聞くと嫉妬してしまうと思うから、これ以上は聞かないようにしなきゃ。
有澄にとっての大学4年間は、ついこないだの話だし、彼女との繋がりも切れたばかりなのかもしれないし、墓穴掘りそうで怖い。
本人だって聞かれたくないと思うしね。
そう言えば、大学時代の話とか、有澄の口から聞いた事がないなぁ・・・。
「俺はゆかりとの初めてが沢山あるよ。ご飯作って貰ったり、合鍵渡したり、他にも沢山あるけど…。社会人ってさ、学生の時は躊躇したりしていた事が簡単に出来ちゃうんだなって思った」
「自立してるとね、親に内緒で出来ちゃうからね…。そうだ!私も社内恋愛って初めてだよ。入社してから誰とも付き合ってない。そんなだから、最近ではお見合いしろって実家の両親から言われ続けてる」
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