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糖度6*年明け1日目のお仕事
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───午前中の仕事が終わり、今は社員食堂でランチタイム。
「…でね、お正月は実家に帰ったから高橋君とは会わなくて、今日久しぶりに会ったの」
午後からエリアマネージャーと同行の為、サンドウィッチを急いで頬張りながら話す綾美。
「高橋さんと上手くいってるんだね」
「…そぉだね。今までで一番堅実な人だし、同じ会社だからいつでも会えるしね。旅行も一緒に行きたいけど、有給が一緒に取れるか分からないから…一人で行くかも?」
「一人で?どこに行く予定?」
綾美は行動派なので、思い立ったら即行動で一人でも関係なしに旅行に行ったりする。
「決めてないけど…国内でもいっかなぁ。帰りに旅行会社のパンフ貰うよ…。と、もう用意しなきゃヤバイ!ごちそうさま、またね、ゆかり」
13時丁度に本社待ち合わせらしく、慌てて職場に戻る綾美に別れを告げると、私は一人でのんびりしていた。
綾美と高橋さんは順調に交際をしているらしく、微笑ましい。
高橋さんは良い人そうだし、今までで一番、綾美を大切にしてくれると思う。
「あれ?綾美さん行っちゃいました?」
「はい、ついさっきですけど…。午後から同行みたいで」
惜しくも時間差で現れたのは高橋さんだった。
いつの間にか、"杉野さん"から"綾美さん"に呼び方が変わっていて指摘したかったけれども、そっとしておこう。
「そうですか…。お昼ご一緒してもいいですか?席が空いてなくて…」
「どうぞ。私も綾美が居なくて退屈してましたので…」
綾美が居なくなり、私はひとりきりで4人掛けの席に座っていた。
肩身が狭かったので高橋さんが来てくれて良かった。
・・・と思ったのは束の間で、高橋さんの姿を見つけて着いてきた男が一人。
「珍しいな、弁当」
いつもの事ながら勝手に同じテーブルの椅子に座り、私のお弁当の唐揚げをつまみ食いしたので私は呆気にとられる。
「生姜しか入ってないから上手い。ニンニクの入った唐揚げは苦手」
日下部さんの好みなど聞いてません。
香坂君が今日はお弁当を希望したので作っただけで、私一人だったら簡単に済ませたいから社員食堂のランチにする。
仕事にニンニク入りはまずいかな・・・との配慮で生姜と醤油、酒で味付けしただけの唐揚げ。
お弁当も作るとなると新婚生活みたいで嬉しいし、楽しいしで気合も入る。
おかずは全て手作り。
普段は自分の為にはやらない分、我ながら良く頑張った。
「…日下部さんは勝手につまみ食いしてますけど、許可なく食べないで!」
「別にいいじゃん。1個食べただけだろ?」
「おかずなくなるでしょ!」
「じゃあ、コレやるよ。今日は抹茶プリンだって」
・・・A定食に付いてきた抹茶プリン、自分が食べないからでしょ。
私に甘い物あげとけばご機嫌取れると思ったら大間違いだからね!(・・・でも、あながち間違えではない)
「そうだ、高橋。2月の第一日曜日は暇だろ?」
今の言い方で私も高橋さんも同じ扱いを受けているのを確信した。
絶対的に暇だと決めつける、その根拠は何なの?
「暇じゃないです。綾美さんと出かけるかもしれないし」
戸惑いもせずにキッパリと断った高橋さんは男らしく見えた。
日下部さんには言い訳は通用しないので、扱い方を知っている様な気がした。
その調子で、もっと何か言って!
「そうか、残念だったな。杉野と俺と秋葉と一緒に出かける予定だったし。高橋は行かないのか…なら仕方ないか!」
な、何なんだろう、その意地悪な返事の仕方は・・・。
高橋さんがB定食に付いてきた煮物の里芋を箸でつまんだが、困惑していて食べる気がおきなくなったのか、里芋を皿に戻してから箸をトレーに置く。
「え…?どういう事?何で日下部さんと秋葉さんと三人で出かけるの?」
日下部さんは性格が歪んでいるのか、困惑する高橋さんを見て嬉しそうに笑っている。
「春からブライダルに参入するので、ブライダルフェアにお呼ばれしたんですよ。日下部さんも素直に"綾美も行くから一緒に行こう"って言えないんですか?」
私は抹茶プリンを食べながら、日下部さんにつっけんどんに言う。
私と二人きりにならない様に二人を誘ったのかもしれないが、高橋さんを応援したい気持ちも健在していただろうから、それならそうとストレートに誘えば良いのに。
高橋さんの為にって見透かされたくなくて上手く誘えなかったのか、単にからかいたかっただけなのか・・・。
「そうなんですか…!もちろん、行きます」
高橋さんの目がキラキラと輝いて見える。
綾美と一緒に出かける事がよっぽど嬉しいのだろう。
「じゃぁ、交代で運転な!」
「まさか…それが目的じゃ…」
喜びに満ちている高橋さんにとどめの一撃を放ち、優越感に浸っているかの様な日下部さんは本当に性格が悪いと思う。
『レンタカーを借りようか?』とは言っていたが、まさか高橋さんにも運転させるとは思わなかった。
高橋さんの言った"目的"も誘う理由の中の正解の一部だろう。
「…でね、お正月は実家に帰ったから高橋君とは会わなくて、今日久しぶりに会ったの」
午後からエリアマネージャーと同行の為、サンドウィッチを急いで頬張りながら話す綾美。
「高橋さんと上手くいってるんだね」
「…そぉだね。今までで一番堅実な人だし、同じ会社だからいつでも会えるしね。旅行も一緒に行きたいけど、有給が一緒に取れるか分からないから…一人で行くかも?」
「一人で?どこに行く予定?」
綾美は行動派なので、思い立ったら即行動で一人でも関係なしに旅行に行ったりする。
「決めてないけど…国内でもいっかなぁ。帰りに旅行会社のパンフ貰うよ…。と、もう用意しなきゃヤバイ!ごちそうさま、またね、ゆかり」
13時丁度に本社待ち合わせらしく、慌てて職場に戻る綾美に別れを告げると、私は一人でのんびりしていた。
綾美と高橋さんは順調に交際をしているらしく、微笑ましい。
高橋さんは良い人そうだし、今までで一番、綾美を大切にしてくれると思う。
「あれ?綾美さん行っちゃいました?」
「はい、ついさっきですけど…。午後から同行みたいで」
惜しくも時間差で現れたのは高橋さんだった。
いつの間にか、"杉野さん"から"綾美さん"に呼び方が変わっていて指摘したかったけれども、そっとしておこう。
「そうですか…。お昼ご一緒してもいいですか?席が空いてなくて…」
「どうぞ。私も綾美が居なくて退屈してましたので…」
綾美が居なくなり、私はひとりきりで4人掛けの席に座っていた。
肩身が狭かったので高橋さんが来てくれて良かった。
・・・と思ったのは束の間で、高橋さんの姿を見つけて着いてきた男が一人。
「珍しいな、弁当」
いつもの事ながら勝手に同じテーブルの椅子に座り、私のお弁当の唐揚げをつまみ食いしたので私は呆気にとられる。
「生姜しか入ってないから上手い。ニンニクの入った唐揚げは苦手」
日下部さんの好みなど聞いてません。
香坂君が今日はお弁当を希望したので作っただけで、私一人だったら簡単に済ませたいから社員食堂のランチにする。
仕事にニンニク入りはまずいかな・・・との配慮で生姜と醤油、酒で味付けしただけの唐揚げ。
お弁当も作るとなると新婚生活みたいで嬉しいし、楽しいしで気合も入る。
おかずは全て手作り。
普段は自分の為にはやらない分、我ながら良く頑張った。
「…日下部さんは勝手につまみ食いしてますけど、許可なく食べないで!」
「別にいいじゃん。1個食べただけだろ?」
「おかずなくなるでしょ!」
「じゃあ、コレやるよ。今日は抹茶プリンだって」
・・・A定食に付いてきた抹茶プリン、自分が食べないからでしょ。
私に甘い物あげとけばご機嫌取れると思ったら大間違いだからね!(・・・でも、あながち間違えではない)
「そうだ、高橋。2月の第一日曜日は暇だろ?」
今の言い方で私も高橋さんも同じ扱いを受けているのを確信した。
絶対的に暇だと決めつける、その根拠は何なの?
「暇じゃないです。綾美さんと出かけるかもしれないし」
戸惑いもせずにキッパリと断った高橋さんは男らしく見えた。
日下部さんには言い訳は通用しないので、扱い方を知っている様な気がした。
その調子で、もっと何か言って!
「そうか、残念だったな。杉野と俺と秋葉と一緒に出かける予定だったし。高橋は行かないのか…なら仕方ないか!」
な、何なんだろう、その意地悪な返事の仕方は・・・。
高橋さんがB定食に付いてきた煮物の里芋を箸でつまんだが、困惑していて食べる気がおきなくなったのか、里芋を皿に戻してから箸をトレーに置く。
「え…?どういう事?何で日下部さんと秋葉さんと三人で出かけるの?」
日下部さんは性格が歪んでいるのか、困惑する高橋さんを見て嬉しそうに笑っている。
「春からブライダルに参入するので、ブライダルフェアにお呼ばれしたんですよ。日下部さんも素直に"綾美も行くから一緒に行こう"って言えないんですか?」
私は抹茶プリンを食べながら、日下部さんにつっけんどんに言う。
私と二人きりにならない様に二人を誘ったのかもしれないが、高橋さんを応援したい気持ちも健在していただろうから、それならそうとストレートに誘えば良いのに。
高橋さんの為にって見透かされたくなくて上手く誘えなかったのか、単にからかいたかっただけなのか・・・。
「そうなんですか…!もちろん、行きます」
高橋さんの目がキラキラと輝いて見える。
綾美と一緒に出かける事がよっぽど嬉しいのだろう。
「じゃぁ、交代で運転な!」
「まさか…それが目的じゃ…」
喜びに満ちている高橋さんにとどめの一撃を放ち、優越感に浸っているかの様な日下部さんは本当に性格が悪いと思う。
『レンタカーを借りようか?』とは言っていたが、まさか高橋さんにも運転させるとは思わなかった。
高橋さんの言った"目的"も誘う理由の中の正解の一部だろう。
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