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糖度5*忘年会には危険がいっぱい!?
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忘年会の会場は、来春から展開するブライダル企画に前向きなホテルのブッフェ。
今日は忘年会なので、参加不参加関係なくノー残業デー&17時には必ず退社デー。
司会進行や準備などは企画開発部が担当で、席順は毎年恒例のクジ引き。
企画開発部の先発隊は社員全員に当たるハズレ無しのビンゴ大会の商品を並べたり、席順の番号の配置が済ませると自分達が先に席順のクジ引きをする。
「ゆかり、何番?私は45番。後ろの方じゃん!」
「私は24番。真ん中の方だね」
私と綾美は先発隊で先に会場入りしていて、クジ引きの席順を見せ合いをしていた。
「そろそろ皆来る頃だね」
「社長は最後に来るかな?」
社長はいつも集合時間ピッタリに来て、宴会中はとにかく社員に挨拶をしまくる。
一人一人の社員の名前を覚えているのは流石だなぁと感心する。
話をするチャンスも自分をアピールするチャンスも年に一度の今日限りなので、社員は緊張もしているが期待も膨らませている。
忘年会開始30分前になると続々と社員達が集まり、クジ引きをしてから席に着いた。
社長も席に着いたので、企画開発部の社員も席に着き始めたが・・・私の隣には空席が1つ。
企画開発部の誰かかなぁ?・・・そう思いながら席に着くと隣には座って欲しくない人物が座って居た。
「…お疲れ様です」
私はおずおずと話かけると「お疲れ様です」とよそよそしく返ってきた。
今までなら嫌味の1つでも飛んでくるのだが、私の存在を無視するかのように私に背を向ける様にして左隣に座って居る女子社員と話している。
別にいいけどね、無視されても・・・。
「秋葉さんはビールにします?」
「私はビールは飲めないので…」
テーブル上にはビール、赤と白のワインのデキャンタ、烏龍茶、オレンジジュースが置いてある。
乾杯の前にテーブル上にある飲み物の注ぎ合いをしていて、私にも順番が回ってきたのだけれど私はビールの苦味が苦手で飲めない。
「お前はワインがいいんだろ。コイツ、ビール飲めないんで…」
勝手に白ワインを私のグラスに注いだ日下部さんは一口、口に含んで
「甘いからお前好みだから大丈夫」
と言って私にグラスを返した。
それを見ていた同じテーブルの女子社員からは非難の視線を感じた。
「日下部さんのワイングラスと交換して下さい…」
「何で?いいじゃん、別に。いつもの事だろ?」
おいおい、ちょっと待て。
話掛けて来たと思ったら、余計な事を言ってるし!!
"いつもの事"って、間接キスなど一度もした事ありません!!・・・キスはしたけど、ってそうじゃなくて・・・!
ますます女子社員からの視線が怖いよ、間が持たないから早く乾杯しちゃって欲しい。
綾美と席を交換すれば良かった。
気まづい・・・拷問を受けているかの様だ。
「秋葉さんて彼氏居るんですか?」
「秋葉さんは仕事も出来るから結婚は考えてないんですか?」
乾杯が終わるとしばしの歓談タイムなのだけれども、私に質問が集中した。
日下部さんファンの女の子が私に対する当て付けで聞いてるのがバレバレ。
テーブル上には個人盛りの前菜だけが並んでいるが、その他はブッフェスタイルだから早く取りに行きなよ!
日下部さんもどこかに行って!
「居るけど…結婚はまだ考えてないよ」
愛想笑いを浮かべて答える。
「どんな人ですか?職場はどこ!?」
「私も聞きたい!」
興味本位でしょ?
だいたいこの子達はどこの部署の誰ですか?
「え、と…」
答えようとすると私を遮り、代わりに日下部さんが口を開いた。
「花野井 有澄。彩羽コーポレーション社長の息子」
「え…!?嘘!?何で……?知ってるの?…って言うか、あれ?」
日下部さんが何故か、名前を知っていた。
有澄って名前はなかなか居ないと思うから、本人だと思うが名字が違う。
彼氏の存在を知っていても、綾美にも名前を教えてないし・・・まだ紹介もしていない。
それに"社長の息子"ってどういう事───!?
忘年会の会場は、来春から展開するブライダル企画に前向きなホテルのブッフェ。
今日は忘年会なので、参加不参加関係なくノー残業デー&17時には必ず退社デー。
司会進行や準備などは企画開発部が担当で、席順は毎年恒例のクジ引き。
企画開発部の先発隊は社員全員に当たるハズレ無しのビンゴ大会の商品を並べたり、席順の番号の配置が済ませると自分達が先に席順のクジ引きをする。
「ゆかり、何番?私は45番。後ろの方じゃん!」
「私は24番。真ん中の方だね」
私と綾美は先発隊で先に会場入りしていて、クジ引きの席順を見せ合いをしていた。
「そろそろ皆来る頃だね」
「社長は最後に来るかな?」
社長はいつも集合時間ピッタリに来て、宴会中はとにかく社員に挨拶をしまくる。
一人一人の社員の名前を覚えているのは流石だなぁと感心する。
話をするチャンスも自分をアピールするチャンスも年に一度の今日限りなので、社員は緊張もしているが期待も膨らませている。
忘年会開始30分前になると続々と社員達が集まり、クジ引きをしてから席に着いた。
社長も席に着いたので、企画開発部の社員も席に着き始めたが・・・私の隣には空席が1つ。
企画開発部の誰かかなぁ?・・・そう思いながら席に着くと隣には座って欲しくない人物が座って居た。
「…お疲れ様です」
私はおずおずと話かけると「お疲れ様です」とよそよそしく返ってきた。
今までなら嫌味の1つでも飛んでくるのだが、私の存在を無視するかのように私に背を向ける様にして左隣に座って居る女子社員と話している。
別にいいけどね、無視されても・・・。
「秋葉さんはビールにします?」
「私はビールは飲めないので…」
テーブル上にはビール、赤と白のワインのデキャンタ、烏龍茶、オレンジジュースが置いてある。
乾杯の前にテーブル上にある飲み物の注ぎ合いをしていて、私にも順番が回ってきたのだけれど私はビールの苦味が苦手で飲めない。
「お前はワインがいいんだろ。コイツ、ビール飲めないんで…」
勝手に白ワインを私のグラスに注いだ日下部さんは一口、口に含んで
「甘いからお前好みだから大丈夫」
と言って私にグラスを返した。
それを見ていた同じテーブルの女子社員からは非難の視線を感じた。
「日下部さんのワイングラスと交換して下さい…」
「何で?いいじゃん、別に。いつもの事だろ?」
おいおい、ちょっと待て。
話掛けて来たと思ったら、余計な事を言ってるし!!
"いつもの事"って、間接キスなど一度もした事ありません!!・・・キスはしたけど、ってそうじゃなくて・・・!
ますます女子社員からの視線が怖いよ、間が持たないから早く乾杯しちゃって欲しい。
綾美と席を交換すれば良かった。
気まづい・・・拷問を受けているかの様だ。
「秋葉さんて彼氏居るんですか?」
「秋葉さんは仕事も出来るから結婚は考えてないんですか?」
乾杯が終わるとしばしの歓談タイムなのだけれども、私に質問が集中した。
日下部さんファンの女の子が私に対する当て付けで聞いてるのがバレバレ。
テーブル上には個人盛りの前菜だけが並んでいるが、その他はブッフェスタイルだから早く取りに行きなよ!
日下部さんもどこかに行って!
「居るけど…結婚はまだ考えてないよ」
愛想笑いを浮かべて答える。
「どんな人ですか?職場はどこ!?」
「私も聞きたい!」
興味本位でしょ?
だいたいこの子達はどこの部署の誰ですか?
「え、と…」
答えようとすると私を遮り、代わりに日下部さんが口を開いた。
「花野井 有澄。彩羽コーポレーション社長の息子」
「え…!?嘘!?何で……?知ってるの?…って言うか、あれ?」
日下部さんが何故か、名前を知っていた。
有澄って名前はなかなか居ないと思うから、本人だと思うが名字が違う。
彼氏の存在を知っていても、綾美にも名前を教えてないし・・・まだ紹介もしていない。
それに"社長の息子"ってどういう事───!?
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