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糖度5*忘年会には危険がいっぱい!?

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クリスマスから香坂君の部屋と私の部屋を行ったり来たりしている。

職場から近い物件を探して住んでいる私。

偶然にも香坂君の住んでいるアパートも私のアパートから2駅と近いので半同棲の様な生活になっている数日間。

「明日は忘年会だから遅くなるね。でも次の日からは休みだから」

「うん、分かった。お正月は帰省するの?」

「お兄ちゃん達夫婦が実家に同居してるから、お嫁さんにも気を使うし…いつもお正月をずらして顔を出しに行く程度だよ。しかも…最近は結婚がどうとかお見合いとか言われるからあんまり行きたくない…」

お兄ちゃんが昨年に結婚し両親と同居をしているけれど、子供はまだ居ないから、お嫁さんも気苦労が絶えないだろう。

子供が居たら、お互いのクッションになり、私も行きやすくなるんだけども・・・。

お兄ちゃんが私よりも1つ年下の子と結婚したのもあってか、両親は結婚とかお見合いとか勧めてきて鬱陶しい。

「仕事ばっかりしてたら婚期逃すから」とか、お兄ちゃんまで言ってくるし、そりゃそうだよね、自分は私よりも若くて可愛いお嫁さん貰ってるしね・・・いじけている訳ではないが、そっちはそっちで家族仲良くやって下さいって感じ。

「再来年のお正月には、娘さんを下さいって言いに行けると思うんだけど…」

「………!?」

「お正月にならなくても大丈夫かも?」

夕飯を食べながら突拍子もない事を言うから、私の指からカランッと箸がこぼれ落ちた。

「仕事の事なら大丈夫だよ、来年の4月からは正式に社員採用だから。落ち着いたら広い部屋にも引っ越しも出来るかも…」

「いや…そうじゃなくて、"娘さんを下さい"って…」

淡々と話を続ける香坂君に対して私は赤面してるし、動揺もしてるし・・・。

「いずれは結婚したいと思ってるよ。クリスマスに言ったのは嘘じゃないから…。後はゆかりちゃん次第だよ」

付き合ってまだ2ヶ月目に入ったばかりで、私は結婚までは真剣に考えてはいなかった。

いつの日か、そうなったら良いなぁ・・・位で。

そうか、今更だけど・・・付き合うって事の先には結婚があるんだよね。

「香坂君はまだ大学卒業したばかりだし、私の事を考えてくれるのは有難いんだけど…結婚したら自分の自由もなくなっちゃうんだよ?いいの?それにほら、私の方が年上だし…」

「俺が年下だから頼りないとか思ってるの?だったら、覆すから絶対!…ごちそうさまでした」

香坂君は食べ終わった食器をさらっと流してから食器洗浄機に入れた。

「お風呂入ってくるから」

私を見ないようにお風呂場へと向かう。

完全に拗ねていると思われる態度。

多分、お互いに"年上"と"年下"を気にしてしまっているのだろう。

私が常に自分が年上だと気にしているから、香坂君にも余計に気にさせてしまっているのかもしれない。

「ゆかりちゃん、お風呂どうぞ」

お風呂から上がるなり、冷蔵庫からアルコール9%の強めの缶チューハイを取り出してグラスに注ぐ。

機嫌が悪そうにソファーに座り、テーブルに乱暴にグラスと缶チューハイを置いた。

「明日は仕事だから飲まないって言ったのに…」と私が小さく呟くと、「ゆかりちゃんが悪いんじゃん…」と小さく返答があった。

いつまでも拗ねているから少しイラッとしてしまい、グラスに注いであった缶チューハイを飲み干してドンッとテーブルに置いた。

「えーっ!?何で飲んじゃったの?」

「…香坂君がいつまでも拗ねてるから。年上の権限で飲みました!」

「…うわぁ、酷い。ゆかりちゃんって、そんな人だったんだ」

ため息を1つついて仁王立ちしながら
「猫被ってたけど、私、性格悪いんで」
と香坂君に物申す。

負けずに香坂君も
「俺だって性格悪いんで、ゆかりちゃんが明日仕事だって関係なく…」
と言って私を抱き寄せた。

「したくなったらするから」

「…や、だ。お風呂入りたいってば」

「聞こえませーんっ」

抱き寄せられて次第に行為がエスカレートしていくが、仕事帰りだからお風呂入りたい。

振りほどきたいのに、香坂君が離してくれなくて涙が出てきた。

「ごめん、ごめん。泣くほどお風呂入りたいなら、入ってからにしよ?」

「…もうしないもん」

香坂君から離れるとお風呂場へと向かう。

拗ねてる香坂君は危険だ。

自分で仕掛けたくせに謝って、香坂君も日下部さんも何なんだろう?

あれ?日下部さんの事をどうして思い出したんだろう・・・。

お風呂に入りながら、あれこれ考えていたら、先程飲み干した缶チューハイで酔いが回り始めた。

一気飲みは頭がフワフワする。

明日の忘年会は飲みすぎと一気飲みに気をつけよう───・・・・・・
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