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糖度3*社員食堂での戯れ
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時は12月、街中はクリスマスの装飾が煌びやかに主張してる。
社内でも恋人同士の旅行の計画やディナーの計画などが、自然と耳に入って来るようになった。
「綾美は合コンで知り合った彼氏とクリスマスはどこか出かけるの?」
社員食堂で日替わりAランチを食べながら、綾美と雑談中。
「あれ?言ってなかった?あんなのとは別れたよ!」
あっさりと話す綾美に唖然として、食べようとして、お箸でつまんでいたハンバーグの欠片をお皿の中に戻した。
「えぇ!?付き合って一ヶ月じゃなかった?」
「…そうだけど、弁護士ってゆーのは嘘だったの。まだ司法試験受かってなかったんだって。顔は好みだっだけど、初めから嘘つかれると冷めるよね。
でもさ、こないだ総務課の高橋くんにお誘いされたんだ!これ、内緒ね!」
綾美は自分からアプローチもするが相手からのアプローチも多々あって、恋多き女性なのだ。
綾美は身だしなみに気を使い、スタイルも良くて、可愛らしく甘く華やかな雰囲気の中に大人としての女性らしさを持ち合わせている。
私も見習わなくては・・・とは思うが、せっかくウェーブをかけてフワフワにした髪も仕事中は邪魔だからと結局は束ねてしまったり、最近ではスーツもブラウスも新調していない。
綾美は流行りに合わせて、スーツもブラウスも新調したり、社内でも気を抜かない。
これだけでも女子力高いと関心するのだが、更に女子力高いと思う事は着なくなったスーツなどは買取に出したりして資金を作ってから新調してる部分は尊敬する。
ただ着飾るだけの女子力高い人ではなく節約もしながら、私はそんな綾美が大好き。
男の人とのお付き合いは長続きしないのは残念なところなんだけれど・・・・・・。
「ゆかりは例の男の子、進展あった?」
二週間位前だったか、社内で綾美にだけは香坂君の存在を伝えた。
香坂君とは何回か会ってはいるけど、お酒は二日酔いで懲りたし、あれからキスもしていないし完全に健全なお付き合いをしている。
キスはお互いに酔っていたから、雰囲気でしただけなのかな・・・・・・?
「たまにね、出かけてるよ。仕事帰りとか、日曜日とか。進展という程の何かはないかなぁ…」
「ちょっと!!中学生じゃないんだからさ、何にもない訳ないじゃん。キスもしてないの?」
話を聞いた瞬間に有り得ないとばかりに興奮して、声が大きくなった綾美。
周りに聞こえるってば・・・・・・!
「綾美ぃ、声が大きいよ。キ、キスはしたけど…それだけ…」
「進展遅いよ!何で夜も会ってるのにキスだけなのっ!?そんなに奥手なの!?」
彩美は興奮が止まらずに、注意しても声のトーンは下げないままだった。
私は薬指を立てて口元につけて「シーッだって!」と再度注意を促してから、
「分からないけど…酔ってキスしただけだったのかな…」
と言った。
「…へぇ、そうなんだ」
綾美が返事をする前に返事をしたのは、日下部さんだった。
「…席がココしか空いてなかったから仕方なく。どうぞ遠慮なく話を続けて」
私達の席は四人掛けで二席空いていたが、社員食堂は混んでいるけれど、他に座れない訳ではない。
当たり前の様にお膳を置き、割り込みをして来たのは一人ではなく二人だった。
咄嗟の事に恥ずかしくなり、顔の火照りを感じた。
日下部さんに余計な事を聞かれた───・・・・・・
「お疲れ様です。すみません、ご一緒させて下さい」
「あっ、高橋君。お疲れ様です」
「お、疲れ様です…」
偶然にも先程の話に出て来た、高橋さんだった事に驚く。
綾美の切り替えの速さについていけない私は、しどろもどろだった。
高橋さんは総務課に所属していて、日下部さんと私の一年下の後輩にあたる人。
面識はあるけれど、総務課に行った時に少し話をするだけ(主に社交辞令的な内容)の関係。
「実は高橋が杉野と一緒に食べたいって言うから…」
「先輩、余計な事言わないで下さい!」
日下部さんの余計な一言で高橋さんは慌てている様に見えた。
「二人ともB定だから魚ですね。私達はA定だからハンバーグです。デザートにミニプリンついてる!」
綾美は何も気にしないのか、定食の中身の違いを確認していた。
社内でも恋人同士の旅行の計画やディナーの計画などが、自然と耳に入って来るようになった。
「綾美は合コンで知り合った彼氏とクリスマスはどこか出かけるの?」
社員食堂で日替わりAランチを食べながら、綾美と雑談中。
「あれ?言ってなかった?あんなのとは別れたよ!」
あっさりと話す綾美に唖然として、食べようとして、お箸でつまんでいたハンバーグの欠片をお皿の中に戻した。
「えぇ!?付き合って一ヶ月じゃなかった?」
「…そうだけど、弁護士ってゆーのは嘘だったの。まだ司法試験受かってなかったんだって。顔は好みだっだけど、初めから嘘つかれると冷めるよね。
でもさ、こないだ総務課の高橋くんにお誘いされたんだ!これ、内緒ね!」
綾美は自分からアプローチもするが相手からのアプローチも多々あって、恋多き女性なのだ。
綾美は身だしなみに気を使い、スタイルも良くて、可愛らしく甘く華やかな雰囲気の中に大人としての女性らしさを持ち合わせている。
私も見習わなくては・・・とは思うが、せっかくウェーブをかけてフワフワにした髪も仕事中は邪魔だからと結局は束ねてしまったり、最近ではスーツもブラウスも新調していない。
綾美は流行りに合わせて、スーツもブラウスも新調したり、社内でも気を抜かない。
これだけでも女子力高いと関心するのだが、更に女子力高いと思う事は着なくなったスーツなどは買取に出したりして資金を作ってから新調してる部分は尊敬する。
ただ着飾るだけの女子力高い人ではなく節約もしながら、私はそんな綾美が大好き。
男の人とのお付き合いは長続きしないのは残念なところなんだけれど・・・・・・。
「ゆかりは例の男の子、進展あった?」
二週間位前だったか、社内で綾美にだけは香坂君の存在を伝えた。
香坂君とは何回か会ってはいるけど、お酒は二日酔いで懲りたし、あれからキスもしていないし完全に健全なお付き合いをしている。
キスはお互いに酔っていたから、雰囲気でしただけなのかな・・・・・・?
「たまにね、出かけてるよ。仕事帰りとか、日曜日とか。進展という程の何かはないかなぁ…」
「ちょっと!!中学生じゃないんだからさ、何にもない訳ないじゃん。キスもしてないの?」
話を聞いた瞬間に有り得ないとばかりに興奮して、声が大きくなった綾美。
周りに聞こえるってば・・・・・・!
「綾美ぃ、声が大きいよ。キ、キスはしたけど…それだけ…」
「進展遅いよ!何で夜も会ってるのにキスだけなのっ!?そんなに奥手なの!?」
彩美は興奮が止まらずに、注意しても声のトーンは下げないままだった。
私は薬指を立てて口元につけて「シーッだって!」と再度注意を促してから、
「分からないけど…酔ってキスしただけだったのかな…」
と言った。
「…へぇ、そうなんだ」
綾美が返事をする前に返事をしたのは、日下部さんだった。
「…席がココしか空いてなかったから仕方なく。どうぞ遠慮なく話を続けて」
私達の席は四人掛けで二席空いていたが、社員食堂は混んでいるけれど、他に座れない訳ではない。
当たり前の様にお膳を置き、割り込みをして来たのは一人ではなく二人だった。
咄嗟の事に恥ずかしくなり、顔の火照りを感じた。
日下部さんに余計な事を聞かれた───・・・・・・
「お疲れ様です。すみません、ご一緒させて下さい」
「あっ、高橋君。お疲れ様です」
「お、疲れ様です…」
偶然にも先程の話に出て来た、高橋さんだった事に驚く。
綾美の切り替えの速さについていけない私は、しどろもどろだった。
高橋さんは総務課に所属していて、日下部さんと私の一年下の後輩にあたる人。
面識はあるけれど、総務課に行った時に少し話をするだけ(主に社交辞令的な内容)の関係。
「実は高橋が杉野と一緒に食べたいって言うから…」
「先輩、余計な事言わないで下さい!」
日下部さんの余計な一言で高橋さんは慌てている様に見えた。
「二人ともB定だから魚ですね。私達はA定だからハンバーグです。デザートにミニプリンついてる!」
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