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糖度2*主回路の誤作動に要注意!
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私達、閉じ込められた───!?
閉じ込められたのは初めてで、頭の中がパニックになっていた私は扉を無理矢理開けようとしたが、開くはずもなかった。
「どうしよう、日下部さん。開かない!」
私は日下部さんの左腕を掴み、上下に振って訴える。
「落ち着いて。電気ついてるから、停電ではなさそうだな。とりあえず、非常ボタン押して」
落ち着かせようとしてか、子供にする様に優しく、私の頭を軽く撫でる日下部さん。
妙に落ち着いている日下部さんに対して、私は焦っていて翌朝まで閉じ込められたら・・・とか、良からぬ事ばかりを考えていた。
非常ボタンを押して、冷静に対処してくれた日下部さんが男らしく、頼もしく見えた。
「一時間以内には警備会社が到着するらしい…って、何でガン見してんの?」
知らず知らずの内に私の視線は日下部さんを追っていて、指摘された事に赤面する。
「…し、してないからっ!」
私は思わずムキになって反抗するが、日下部さんは艶のある笑いを浮かべて、
「一時間もあれば、充分、お前を襲えるけど…」
と言って右手を壁につけて、逃げられないように壁際に私を追い詰めた。
日下部さんに上から見下ろされた私は目のやり場がなくて、唇を噛んで俯く。
日下部さんの顔が近づいてきて、壁際に追い詰められた私は為す術もなく、バッグを胸の前で握りしめて目を強くつむる。
日下部さんの唇が耳に微かに触れた。
私の身体は反応して、こわばる。
「……なーんて、嘘。俺にだって、理性はありますから女の子の日の秋葉を襲うほど、飢えてません!」
微かに吐息が耳にかかったと同時に、小声で冗談混じりにからかう。
からかわれただけなのに、その距離はとても近くて、鼓動が早くなるばかりで一向におさまらない。
「…怖いの落ち着いたでしょ?一時間なんてあっという間だから座って待ってればいいじゃん」
私の気も知らないで、この男はエレベーター内の床に座り込んだ。
二人きりのエレベーターの密室の中、冗談でもこんな事されたらドキドキしない方がおかしい。
知らない人だったら怖いだけの感情しか湧かないが、日下部さんにされたら脳内の回路が誤作動起こしそう。
何故だか、変に意識してしまう自分が居て戸惑う。
「はい、ここ座りなよ。直接座るよりもマシだから。PCは抜いたから安心して」
資料だらけのビジネスバッグを真横に置き、座布団代わりにして良いからとポンポンと叩く。
私が座るのを躊躇していると、左腕を引っ張られ体制を崩して日下部さんの方向へ倒れ込む。
「…きゃっ」
「…いたっ…」
倒れ込んだ瞬間、日下部さんを押し倒す形になってしまった。
さっきから何なの、この状況!?
予期せぬ出来事の連続に心臓が破裂しそうな位にバクバクと音を立てていて、日下部さんに聞こえてしまいそう───・・・・・・
「…襲う気?」
「ち、違います!つまづいただけっ」
私はそそくさと体制を直し、ビジネスバッグを座布団代わりにする事にした。
「…日下部さんの馬鹿」
体育座りをして、ひざに顔をうずめてつぶやく。
「いつもはガミガミうるさくて鬱陶しいのに、何で今日はそんなに優しいの?…」
エレベーターに閉じ込められた上に、日下部さんの行動も想定外で、私の脳内はパニック寸前で・・・
目から涙が溢れて、ヒザの隙間から床に零れ落ちる。
閉じ込められたのは初めてで、頭の中がパニックになっていた私は扉を無理矢理開けようとしたが、開くはずもなかった。
「どうしよう、日下部さん。開かない!」
私は日下部さんの左腕を掴み、上下に振って訴える。
「落ち着いて。電気ついてるから、停電ではなさそうだな。とりあえず、非常ボタン押して」
落ち着かせようとしてか、子供にする様に優しく、私の頭を軽く撫でる日下部さん。
妙に落ち着いている日下部さんに対して、私は焦っていて翌朝まで閉じ込められたら・・・とか、良からぬ事ばかりを考えていた。
非常ボタンを押して、冷静に対処してくれた日下部さんが男らしく、頼もしく見えた。
「一時間以内には警備会社が到着するらしい…って、何でガン見してんの?」
知らず知らずの内に私の視線は日下部さんを追っていて、指摘された事に赤面する。
「…し、してないからっ!」
私は思わずムキになって反抗するが、日下部さんは艶のある笑いを浮かべて、
「一時間もあれば、充分、お前を襲えるけど…」
と言って右手を壁につけて、逃げられないように壁際に私を追い詰めた。
日下部さんに上から見下ろされた私は目のやり場がなくて、唇を噛んで俯く。
日下部さんの顔が近づいてきて、壁際に追い詰められた私は為す術もなく、バッグを胸の前で握りしめて目を強くつむる。
日下部さんの唇が耳に微かに触れた。
私の身体は反応して、こわばる。
「……なーんて、嘘。俺にだって、理性はありますから女の子の日の秋葉を襲うほど、飢えてません!」
微かに吐息が耳にかかったと同時に、小声で冗談混じりにからかう。
からかわれただけなのに、その距離はとても近くて、鼓動が早くなるばかりで一向におさまらない。
「…怖いの落ち着いたでしょ?一時間なんてあっという間だから座って待ってればいいじゃん」
私の気も知らないで、この男はエレベーター内の床に座り込んだ。
二人きりのエレベーターの密室の中、冗談でもこんな事されたらドキドキしない方がおかしい。
知らない人だったら怖いだけの感情しか湧かないが、日下部さんにされたら脳内の回路が誤作動起こしそう。
何故だか、変に意識してしまう自分が居て戸惑う。
「はい、ここ座りなよ。直接座るよりもマシだから。PCは抜いたから安心して」
資料だらけのビジネスバッグを真横に置き、座布団代わりにして良いからとポンポンと叩く。
私が座るのを躊躇していると、左腕を引っ張られ体制を崩して日下部さんの方向へ倒れ込む。
「…きゃっ」
「…いたっ…」
倒れ込んだ瞬間、日下部さんを押し倒す形になってしまった。
さっきから何なの、この状況!?
予期せぬ出来事の連続に心臓が破裂しそうな位にバクバクと音を立てていて、日下部さんに聞こえてしまいそう───・・・・・・
「…襲う気?」
「ち、違います!つまづいただけっ」
私はそそくさと体制を直し、ビジネスバッグを座布団代わりにする事にした。
「…日下部さんの馬鹿」
体育座りをして、ひざに顔をうずめてつぶやく。
「いつもはガミガミうるさくて鬱陶しいのに、何で今日はそんなに優しいの?…」
エレベーターに閉じ込められた上に、日下部さんの行動も想定外で、私の脳内はパニック寸前で・・・
目から涙が溢れて、ヒザの隙間から床に零れ落ちる。
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