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二十六 密約?
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謎な称号と早くもカンストしていたユリアン様の好感度にどうしたものか……。
「お嬢様。何かお飲物をご用意いたしましょうか?」
「ほわっ?」
――いけないわ。侍女がいたのよ。つい、いつものように机に座って確認していたわ。端から見れば何にも無いところを食い入る様に眺めてたのよ。
「いいえ、パーティーに出て、疲れからもう休みます。あなたももうよくてよ」
……うっかり奇妙なことをして、お兄様に報告されては堪らない。
しかし、鉄壁の無表情な彼女が初めて目を少し見開いた。どうやら驚いているようだった。そうよね。今までは我儘し放題ですものね。お兄様の言うことは絶対服従だったけど後は……。使用人など玩具としかみていなかったというか。今まではね! もう中身は小市民だから。
私はにへらと笑って誤魔化すと侍女はますます困惑気味だった。眠さもあって私はリアル・ユリアン人形を抱き締めるとベッドに入った。そう言えば着せ替え用にいろいろ持って帰ったの。白いタキシードに合わせて白いシルクハットなんか作ってもいいわよね。
侍女は何が言いたげだったけれど私がベッドに入ると大人しく出で行ってくれた。とは言え隣接する使用人用の小部屋だけどね。
翌日の朝食の席では休日のことが話題に上がった。それにしても皆様は小食です。私なんか朝からがっつりいきますよ。バターたっぷりのトーストにカスタードクリームたっぷりのパンケーキにスクランブルエッグ、食後のコーヒーとか紅茶も。え? 野菜たっぷりのホットサンドもあるって? 流石は私の好みを熟知している侍女が来てくれると良いわね。
「――まあ、アーシアはユリアン様とレイン子爵家のガーデンパーティに行っていたのね。教えてくれれば私も行ったのに」
ぷうと頬を膨らませるジョーゼットはとても可愛い。
「そうですわ。私どもも参加致しましたのに……。残念ですわ……」
そんな風に周囲からは声が上がっていたが私は侍女が持ってきてくれたホットサンドを口に入れるのに意識を集中させていた。
――でも、あのクリス様のパーティはこのご令嬢方には危険だったかもしれない。クリス様のターゲットにかかってしまっていたら、特にジョーゼットなんて大変なことになるからね。
「でも、レイン子爵家は古くからの名門ですけど最近は……」
ご令嬢のお一人がそんな事を言い出したが、しっと口止めするような声も聞こえて忽ち消えてしまった。
……あの、クリス様の噂のことをご存知な令嬢もいらっしゃるようね。
それにしても『ゆるハー』の攻略対象者は、メインルートのライル伯爵家のユリアン。次にレイン子爵家のクリス。そして、私の知ってる隠れキャラのアベル王大子。これはガブちゃんとも同じ。
騎士団長の息子のジルは私のやった方にはいたけど見た目が全然違う。テンプレのガチムチ筋肉系だったもの。ガブちゃんが言うにはそもそも攻略対象ですらなかったと言っていたわよね。何か違う。
それにガブちゃんが今回狙っているというルークお兄様は私の知ってる方はライバルキャラの兄がいるという設定だけで立ち絵さえ無かったのよねえ。でも、ガブちゃんと私の取り違えが分かったら、実の兄妹なんて禁断の相手になるのよ。いいのかしら? ガブちゃんはゲームの様に言ってるけど……。それに実際のルークお兄様がそんな生易しい相手とは思えないわ。まあ、頑張ってと言うしかないけれどね。
「……じゃあ、そう言うことでいいかしら? アーシア?」
――しまった。全然聞いて無かったわ。
「え? 御免なさい。聞いて無かったわ。ちょっと、その考え事をしていて」
「もう、アーシアったら、私と一緒に放課後は学園の庭を散策しましょうと言う約束よ」
「あ。ああいいわよ。そんなこと」
「まあ、では私もご一緒させていただきたいわ!」
周囲から口々にそんな声が上がる。
「あら、困ったわね。アーシアったら、人気ものだから。うふふふ」
そんな風にジョーゼットが困ったように笑うのも可愛い。つられて私も微笑んでみせると向かいに座っていたご令嬢がぽっと頬を染めた。――何々、どうしたの? 今日は暑いのかしらね。
今朝も私はお兄様の服を着ている。品の良い白と薄い水色のデザインのフロックコートに襟元がひらひらのブラウス。正しく某歌劇団の豪華衣装のようで楽しい。でも、侍女には手出し無用と断った。着替えは自分で出来て当然なのよ。黒い髪はストレートに戻したわ。小ドリル頭では眠れやしない。
「今日はアーシアと二人でね。だって、私は外出禁止でつまらなかったもの。それなのにアーシアはパーティに出て楽しい時間を過ごしたようだし」
先日の騒ぎでジョーゼットはどうやらお家からそんなことを言い渡されたようだった。少し可哀想なので私は承諾した。周囲からは残念そうな声が上がるが、次の日にと言うと次々に散歩の申し入れがあった。何? 今は気候が良いから散歩日和だけど。散歩がブームなの?
いつものように礼法や語学にダンスといった授業を受ける。放課後になるとジョーゼットと学園内の散歩に出かけた。二人きりといいつつ。それぞれの侍女も少し離れてついてきている。だけど他のご令嬢が居ないだけで静かだった。
「ほら、ここ。向こうの学園が見えるのよね」
そう言って向かったのは立ち入り禁止の塔の一番上。――どうしてこんなとこまで入れるのよ? やはり、ジョーゼットって、高位ご令嬢だわ。ジョーゼットの言う方を見遣ると確かに小さいけれど人影とか見える。これってオペラグラスとかだったら十分見えるわね。塀が高いからお互い本当に見えないし、そもそも交流も無いけれど。あっても生徒会の役員くらいだし。何たって、経営方針からして違いすぎるわ。あちらは庶民も利用できる上級専門学校。こちらは貴族の花嫁学校。
「私ね。王太子妃になるのは嫌じゃないの。王太子様は素敵よ。だけど……少し不安になるし、その……」
ジョーゼットはそこで言葉を切ると今度は夕焼けに変わりつつある空を眺めた。
――そんな気弱なこと言って大丈夫なの? 私も一応高位貴族の令嬢。ルークお兄様からは王太子妃の座を狙えというとんでもないこと命令されたけどね。悪いけど私も前世か何か分からないけど二十年生きてきた経験値を思い出したから前のように盲目に従うという訳にはいかないわ。私の人生ですもの。
「あら、ジョーゼットとアベル王太子様はお似合いよ」
「ふふ。ありがとう。アーシア。あなたにそう言ってもらえると安心ね。これからもどうかお友達でいてね」
ジョーゼットは私の手を握り締めてきた。小さな綺麗な貴婦人の手。手袋越しに温かさが伝わってくる。貴婦人は素手にならないのよ。私はほら、ムチの出番があるから手袋は指先ないヤツだけどね。え? それ違うって? ムチを使うからノー手袋では怪我をするからね。
そんなことを考えつつ私は暢気にジョーゼットの可愛い笑顔を見ていた。俗にいう「禁断の塔事件」と後で噂されていることに私は全く知らないままだった。
「お嬢様。何かお飲物をご用意いたしましょうか?」
「ほわっ?」
――いけないわ。侍女がいたのよ。つい、いつものように机に座って確認していたわ。端から見れば何にも無いところを食い入る様に眺めてたのよ。
「いいえ、パーティーに出て、疲れからもう休みます。あなたももうよくてよ」
……うっかり奇妙なことをして、お兄様に報告されては堪らない。
しかし、鉄壁の無表情な彼女が初めて目を少し見開いた。どうやら驚いているようだった。そうよね。今までは我儘し放題ですものね。お兄様の言うことは絶対服従だったけど後は……。使用人など玩具としかみていなかったというか。今まではね! もう中身は小市民だから。
私はにへらと笑って誤魔化すと侍女はますます困惑気味だった。眠さもあって私はリアル・ユリアン人形を抱き締めるとベッドに入った。そう言えば着せ替え用にいろいろ持って帰ったの。白いタキシードに合わせて白いシルクハットなんか作ってもいいわよね。
侍女は何が言いたげだったけれど私がベッドに入ると大人しく出で行ってくれた。とは言え隣接する使用人用の小部屋だけどね。
翌日の朝食の席では休日のことが話題に上がった。それにしても皆様は小食です。私なんか朝からがっつりいきますよ。バターたっぷりのトーストにカスタードクリームたっぷりのパンケーキにスクランブルエッグ、食後のコーヒーとか紅茶も。え? 野菜たっぷりのホットサンドもあるって? 流石は私の好みを熟知している侍女が来てくれると良いわね。
「――まあ、アーシアはユリアン様とレイン子爵家のガーデンパーティに行っていたのね。教えてくれれば私も行ったのに」
ぷうと頬を膨らませるジョーゼットはとても可愛い。
「そうですわ。私どもも参加致しましたのに……。残念ですわ……」
そんな風に周囲からは声が上がっていたが私は侍女が持ってきてくれたホットサンドを口に入れるのに意識を集中させていた。
――でも、あのクリス様のパーティはこのご令嬢方には危険だったかもしれない。クリス様のターゲットにかかってしまっていたら、特にジョーゼットなんて大変なことになるからね。
「でも、レイン子爵家は古くからの名門ですけど最近は……」
ご令嬢のお一人がそんな事を言い出したが、しっと口止めするような声も聞こえて忽ち消えてしまった。
……あの、クリス様の噂のことをご存知な令嬢もいらっしゃるようね。
それにしても『ゆるハー』の攻略対象者は、メインルートのライル伯爵家のユリアン。次にレイン子爵家のクリス。そして、私の知ってる隠れキャラのアベル王大子。これはガブちゃんとも同じ。
騎士団長の息子のジルは私のやった方にはいたけど見た目が全然違う。テンプレのガチムチ筋肉系だったもの。ガブちゃんが言うにはそもそも攻略対象ですらなかったと言っていたわよね。何か違う。
それにガブちゃんが今回狙っているというルークお兄様は私の知ってる方はライバルキャラの兄がいるという設定だけで立ち絵さえ無かったのよねえ。でも、ガブちゃんと私の取り違えが分かったら、実の兄妹なんて禁断の相手になるのよ。いいのかしら? ガブちゃんはゲームの様に言ってるけど……。それに実際のルークお兄様がそんな生易しい相手とは思えないわ。まあ、頑張ってと言うしかないけれどね。
「……じゃあ、そう言うことでいいかしら? アーシア?」
――しまった。全然聞いて無かったわ。
「え? 御免なさい。聞いて無かったわ。ちょっと、その考え事をしていて」
「もう、アーシアったら、私と一緒に放課後は学園の庭を散策しましょうと言う約束よ」
「あ。ああいいわよ。そんなこと」
「まあ、では私もご一緒させていただきたいわ!」
周囲から口々にそんな声が上がる。
「あら、困ったわね。アーシアったら、人気ものだから。うふふふ」
そんな風にジョーゼットが困ったように笑うのも可愛い。つられて私も微笑んでみせると向かいに座っていたご令嬢がぽっと頬を染めた。――何々、どうしたの? 今日は暑いのかしらね。
今朝も私はお兄様の服を着ている。品の良い白と薄い水色のデザインのフロックコートに襟元がひらひらのブラウス。正しく某歌劇団の豪華衣装のようで楽しい。でも、侍女には手出し無用と断った。着替えは自分で出来て当然なのよ。黒い髪はストレートに戻したわ。小ドリル頭では眠れやしない。
「今日はアーシアと二人でね。だって、私は外出禁止でつまらなかったもの。それなのにアーシアはパーティに出て楽しい時間を過ごしたようだし」
先日の騒ぎでジョーゼットはどうやらお家からそんなことを言い渡されたようだった。少し可哀想なので私は承諾した。周囲からは残念そうな声が上がるが、次の日にと言うと次々に散歩の申し入れがあった。何? 今は気候が良いから散歩日和だけど。散歩がブームなの?
いつものように礼法や語学にダンスといった授業を受ける。放課後になるとジョーゼットと学園内の散歩に出かけた。二人きりといいつつ。それぞれの侍女も少し離れてついてきている。だけど他のご令嬢が居ないだけで静かだった。
「ほら、ここ。向こうの学園が見えるのよね」
そう言って向かったのは立ち入り禁止の塔の一番上。――どうしてこんなとこまで入れるのよ? やはり、ジョーゼットって、高位ご令嬢だわ。ジョーゼットの言う方を見遣ると確かに小さいけれど人影とか見える。これってオペラグラスとかだったら十分見えるわね。塀が高いからお互い本当に見えないし、そもそも交流も無いけれど。あっても生徒会の役員くらいだし。何たって、経営方針からして違いすぎるわ。あちらは庶民も利用できる上級専門学校。こちらは貴族の花嫁学校。
「私ね。王太子妃になるのは嫌じゃないの。王太子様は素敵よ。だけど……少し不安になるし、その……」
ジョーゼットはそこで言葉を切ると今度は夕焼けに変わりつつある空を眺めた。
――そんな気弱なこと言って大丈夫なの? 私も一応高位貴族の令嬢。ルークお兄様からは王太子妃の座を狙えというとんでもないこと命令されたけどね。悪いけど私も前世か何か分からないけど二十年生きてきた経験値を思い出したから前のように盲目に従うという訳にはいかないわ。私の人生ですもの。
「あら、ジョーゼットとアベル王太子様はお似合いよ」
「ふふ。ありがとう。アーシア。あなたにそう言ってもらえると安心ね。これからもどうかお友達でいてね」
ジョーゼットは私の手を握り締めてきた。小さな綺麗な貴婦人の手。手袋越しに温かさが伝わってくる。貴婦人は素手にならないのよ。私はほら、ムチの出番があるから手袋は指先ないヤツだけどね。え? それ違うって? ムチを使うからノー手袋では怪我をするからね。
そんなことを考えつつ私は暢気にジョーゼットの可愛い笑顔を見ていた。俗にいう「禁断の塔事件」と後で噂されていることに私は全く知らないままだった。
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