1 / 12
第一話
しおりを挟む
長い睫毛に縁取られたアーモンド型の瞳を瞬かせ、ビアンカ・コルドゥラ・リンハルト侯爵令嬢は、数秒の間、自分の寝ている天蓋付きベッドの天井を見詰め、そして盛大に溜め息を吐いた。
「……また失敗してしまったわ」
これで通算六敗ね、と一人ごちながら彼女はゆっくりと身体を起こし、まじまじと自分の傷ひとつない手のひらや腕を眺めた後、寝台から降りて姿見の前に立つ。
「あぁ、やっぱりあの頃のわたくしだわ」
そしてそこに映った姿に二度目の溜め息を吐いた。
そこに映るのはビアンカの名の通り、透き通るような白い肌の娘だった。
冬の月光を思わせる淡い銀の髪と、リンハルト侯爵家の血筋に多く見られる薄紫色の瞳。
記憶と寸分違わぬその姿を見て、また時間を逆行したのかとビアンカは目覚めたばかりなのにどっと疲れた気持ちになってしまった。
──ビアンカは死ぬ度に人生を繰り返している。
罪人に仕立て上げられ冤罪に対する怒りと絶望の中、訳もわからず終わった一回目。
戸惑いながらも手探りで進み始めて全てが徒労に終わった二回目。
二度の失敗を経て慎重になるも、慎重になり過ぎて優柔不断が仇となった三回目。
周りの人間との関係を良好に保とうと奮闘したが何の成果も得られなかった四回目。
いっそ全てと関わるのをやめようと田舎に隠れた五回目。
そして。
「……こちらから婚約破棄を申し出たところで、結局運命って変わらないのね」
婚約破棄の宣言と共に下される断罪を回避するには、いっそ婚約自体をこちらから早々に破棄してしまおうとした六回目も、最終的に自分は冤罪で断罪され、王族殺害を画策した咎で処刑されてしまった。
いくら辿る道を変えてみても、最終的には絶対にそこに行き着いてしまう。
そして、実際にその光景を見た事はないけれど、自分の婚約者である王子殿下はあの平民上がりの男爵家の娘と結ばれるのだろう。
「ここまで来ると、わたくし何だか処刑台に慣れてきた気さえするわ」
そう自嘲気味に微笑んでビアンカはふと思案した。
この七回目はどうやって生きようか。
全てと関わらず田舎に逃げて身を潜めながら生きてもダメ、全ては冤罪であるという証拠を集めるために周囲との関係改善を成功させてもダメ。
何をしても何処にいても、力の限り足掻いてみても結局王子の婚約者になってしまうし、最終的に王子に毒を盛ったとして処刑されてしまうのだ。
後から出てくる大量の身に覚えのない証拠や、顔も知らない『友人』の証言、こちらの言い分などろくに審議もされずに行われた裁判に正義があるとは思えない。
どの人生だってビアンカは『悪女』にされてきた。
ただ一つ確信めいたものがあるとすれば、おそらく自分が生き残る為の分岐点は、あの男爵家の娘であるキャロル・ウィンズレッドだろう。
何度も人生を繰り返し、毎回違う行動をしてきたビアンカだが、どの人生でもキャロルと接触した頃から明らかに潮目が変わっている。
(でもどうしてかキャロルにはうまく近付けないのよね)
何か手掛かりを掴めないかと思って何度も親しくなる為に接近を試みてみたのだが、何故か学園の気軽なお茶会の招待状ですら不参加で返って来ている。
王家に次ぐ貴き侯爵家からの誘いを断るなんて、男爵家の娘ごときに甘く見られたものだと憤慨したのは、さて何回目の人生の事だったか。
避けられているのだろうが、それにしては妙な所で鉢合わせる事がある。
そしてそういう時は大体ビアンカにとって良い結果を生まない。
初対面からしてその調子だから、こちらも親交を深める為の対処の仕様がない。
(証拠もないままこんな事を言うのはあまりにも酷い事だけれど、私が死ぬのってあの娘が何か関係していると思うわ)
平民の母を持ち、平民として育てられた娘。
母亡き後、貴族の証ともいえる魔力が発現し、父である男爵家に引き取られて魔力保有者が通う学園にビアンカと同じタイミングで入学する事になるあのキャロルという娘。
何故だか初対面の頃からやたらとビアンカに対抗意識のようなものを持っていたように思う。明らかに怪しい。
男爵家の娘が、校内とはいえ王子殿下の周りをうろちょろ出来る時点で怪しい。
怪しいのに尻尾を掴めないのがもどかしい。
「あぁ、でもわたくしがどれだけ考えて努力しても、行き着く先は処刑台なのよね。まったく、冤罪で首を六回も落とされるだなんて、本当に人生って理不尽だわ。『事実は小説より奇なり』って何処かで聞いた気がするけれど、これでは『事実は小説より無慈悲』ね」
すり、と傷一つない美しい手のひらで細い首を撫でる。
今は繋がっているものの、数年後には刃に絶たれてしまうその場所。
だが、とにかく断頭台での処刑は一瞬で終わるから良い。嫌なのは処刑前に自慢の髪を処刑人の手によって雑に切られてしまう事だ。聞いたところによると、長い髪は刃の通りを悪くするらしい。だからって酷いわとビアンカは憤慨する。
最初の頃はあまりにも恐ろしくて刃が落とされる前に意識を失っていたのだが、慣れてくると刃が首を切断する瞬間まで虚無な目をぼんやり開いている事が出来た。そんな事、出来たところで得など一つもないが。
「さて、どうしたものかしら」
何をどう努力したところで結末は変わらない。
自分は冤罪によって処刑され、あの娘は幸せを手に入れる。
それを思うとビアンカは何だかふつふつと怒りが沸いてきた。
毎回毎回、ビアンカは精一杯努力したというのに。
大体、王子だって婚約者という立場があるのだから、せめて一言くらいこちらの言い分を聞いてくれても良かったはずだ。
しかし彼は牢に捕えられたビアンカに会いに来ることさえしなかった。
家族だって友人と思っていた人達だって、最後はビアンカの言葉に耳を貸そうともしなかった。
全部無実であるにも関わらず、さもこれまでずっと悪行を重ねて来たような言われ方をして、ビアンカは断罪される。
そんなのはもう懲り懲りだ。
何よりも、侯爵家の名に恥じぬよう、誇り高くかつ清く正しく生きてきた自分が、身に覚えのない罪で断罪されるのが我慢ならない。
「自分の犯した罪で裁かれるならまだしも、わたくし何もしていないのに」
そこではたとビアンカは気が付いた。
どうせ善行を積んだところで全てが悪行に塗り替えられてしまうのなら、いっそ最初から悪行を重ねてしまえば良いのではないか?
「そうね。そうだわ! 重ねましょう! 悪行!!」
ビアンカはおー!と右手を高く天に突き上げた。
せっかくだから今生は悪行の限りを尽くして、きちんと自分の罪によって裁かれることにしよう。処刑が免れないとしても、それなら幾分か納得がいく。
この日この時、ビアンカ・コルドゥラ・リンハルト侯爵令嬢は、自らの手を悪に染める事を実に元気良く決意したのだった。
「……また失敗してしまったわ」
これで通算六敗ね、と一人ごちながら彼女はゆっくりと身体を起こし、まじまじと自分の傷ひとつない手のひらや腕を眺めた後、寝台から降りて姿見の前に立つ。
「あぁ、やっぱりあの頃のわたくしだわ」
そしてそこに映った姿に二度目の溜め息を吐いた。
そこに映るのはビアンカの名の通り、透き通るような白い肌の娘だった。
冬の月光を思わせる淡い銀の髪と、リンハルト侯爵家の血筋に多く見られる薄紫色の瞳。
記憶と寸分違わぬその姿を見て、また時間を逆行したのかとビアンカは目覚めたばかりなのにどっと疲れた気持ちになってしまった。
──ビアンカは死ぬ度に人生を繰り返している。
罪人に仕立て上げられ冤罪に対する怒りと絶望の中、訳もわからず終わった一回目。
戸惑いながらも手探りで進み始めて全てが徒労に終わった二回目。
二度の失敗を経て慎重になるも、慎重になり過ぎて優柔不断が仇となった三回目。
周りの人間との関係を良好に保とうと奮闘したが何の成果も得られなかった四回目。
いっそ全てと関わるのをやめようと田舎に隠れた五回目。
そして。
「……こちらから婚約破棄を申し出たところで、結局運命って変わらないのね」
婚約破棄の宣言と共に下される断罪を回避するには、いっそ婚約自体をこちらから早々に破棄してしまおうとした六回目も、最終的に自分は冤罪で断罪され、王族殺害を画策した咎で処刑されてしまった。
いくら辿る道を変えてみても、最終的には絶対にそこに行き着いてしまう。
そして、実際にその光景を見た事はないけれど、自分の婚約者である王子殿下はあの平民上がりの男爵家の娘と結ばれるのだろう。
「ここまで来ると、わたくし何だか処刑台に慣れてきた気さえするわ」
そう自嘲気味に微笑んでビアンカはふと思案した。
この七回目はどうやって生きようか。
全てと関わらず田舎に逃げて身を潜めながら生きてもダメ、全ては冤罪であるという証拠を集めるために周囲との関係改善を成功させてもダメ。
何をしても何処にいても、力の限り足掻いてみても結局王子の婚約者になってしまうし、最終的に王子に毒を盛ったとして処刑されてしまうのだ。
後から出てくる大量の身に覚えのない証拠や、顔も知らない『友人』の証言、こちらの言い分などろくに審議もされずに行われた裁判に正義があるとは思えない。
どの人生だってビアンカは『悪女』にされてきた。
ただ一つ確信めいたものがあるとすれば、おそらく自分が生き残る為の分岐点は、あの男爵家の娘であるキャロル・ウィンズレッドだろう。
何度も人生を繰り返し、毎回違う行動をしてきたビアンカだが、どの人生でもキャロルと接触した頃から明らかに潮目が変わっている。
(でもどうしてかキャロルにはうまく近付けないのよね)
何か手掛かりを掴めないかと思って何度も親しくなる為に接近を試みてみたのだが、何故か学園の気軽なお茶会の招待状ですら不参加で返って来ている。
王家に次ぐ貴き侯爵家からの誘いを断るなんて、男爵家の娘ごときに甘く見られたものだと憤慨したのは、さて何回目の人生の事だったか。
避けられているのだろうが、それにしては妙な所で鉢合わせる事がある。
そしてそういう時は大体ビアンカにとって良い結果を生まない。
初対面からしてその調子だから、こちらも親交を深める為の対処の仕様がない。
(証拠もないままこんな事を言うのはあまりにも酷い事だけれど、私が死ぬのってあの娘が何か関係していると思うわ)
平民の母を持ち、平民として育てられた娘。
母亡き後、貴族の証ともいえる魔力が発現し、父である男爵家に引き取られて魔力保有者が通う学園にビアンカと同じタイミングで入学する事になるあのキャロルという娘。
何故だか初対面の頃からやたらとビアンカに対抗意識のようなものを持っていたように思う。明らかに怪しい。
男爵家の娘が、校内とはいえ王子殿下の周りをうろちょろ出来る時点で怪しい。
怪しいのに尻尾を掴めないのがもどかしい。
「あぁ、でもわたくしがどれだけ考えて努力しても、行き着く先は処刑台なのよね。まったく、冤罪で首を六回も落とされるだなんて、本当に人生って理不尽だわ。『事実は小説より奇なり』って何処かで聞いた気がするけれど、これでは『事実は小説より無慈悲』ね」
すり、と傷一つない美しい手のひらで細い首を撫でる。
今は繋がっているものの、数年後には刃に絶たれてしまうその場所。
だが、とにかく断頭台での処刑は一瞬で終わるから良い。嫌なのは処刑前に自慢の髪を処刑人の手によって雑に切られてしまう事だ。聞いたところによると、長い髪は刃の通りを悪くするらしい。だからって酷いわとビアンカは憤慨する。
最初の頃はあまりにも恐ろしくて刃が落とされる前に意識を失っていたのだが、慣れてくると刃が首を切断する瞬間まで虚無な目をぼんやり開いている事が出来た。そんな事、出来たところで得など一つもないが。
「さて、どうしたものかしら」
何をどう努力したところで結末は変わらない。
自分は冤罪によって処刑され、あの娘は幸せを手に入れる。
それを思うとビアンカは何だかふつふつと怒りが沸いてきた。
毎回毎回、ビアンカは精一杯努力したというのに。
大体、王子だって婚約者という立場があるのだから、せめて一言くらいこちらの言い分を聞いてくれても良かったはずだ。
しかし彼は牢に捕えられたビアンカに会いに来ることさえしなかった。
家族だって友人と思っていた人達だって、最後はビアンカの言葉に耳を貸そうともしなかった。
全部無実であるにも関わらず、さもこれまでずっと悪行を重ねて来たような言われ方をして、ビアンカは断罪される。
そんなのはもう懲り懲りだ。
何よりも、侯爵家の名に恥じぬよう、誇り高くかつ清く正しく生きてきた自分が、身に覚えのない罪で断罪されるのが我慢ならない。
「自分の犯した罪で裁かれるならまだしも、わたくし何もしていないのに」
そこではたとビアンカは気が付いた。
どうせ善行を積んだところで全てが悪行に塗り替えられてしまうのなら、いっそ最初から悪行を重ねてしまえば良いのではないか?
「そうね。そうだわ! 重ねましょう! 悪行!!」
ビアンカはおー!と右手を高く天に突き上げた。
せっかくだから今生は悪行の限りを尽くして、きちんと自分の罪によって裁かれることにしよう。処刑が免れないとしても、それなら幾分か納得がいく。
この日この時、ビアンカ・コルドゥラ・リンハルト侯爵令嬢は、自らの手を悪に染める事を実に元気良く決意したのだった。
42
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説

【完結】己の行動を振り返った悪役令嬢、猛省したのでやり直します!
みなと
恋愛
「思い出した…」
稀代の悪女と呼ばれた公爵家令嬢。
だが、彼女は思い出してしまった。前世の己の行いの数々を。
そして、殺されてしまったことも。
「そうはなりたくないわね。まずは王太子殿下との婚約解消からいたしましょうか」
冷静に前世を思い返して、己の悪行に頭を抱えてしまうナディスであったが、とりあえず出来ることから一つずつ前世と行動を変えようと決意。
その結果はいかに?!
※小説家になろうでも公開中

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。

【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる