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第三章
拭えない危険信号
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「こんな簡単でいいのか? なあジャンどう思うよ?」
(テディの活躍があるとは言え、確かにおかしい……あれだけ兵糧攻めまでしてきたのに、いざ戦ったらこんな穴だらけで一体何がしたかったのか……)
(いや、もしかして……そんな事ありえるのか?)
「どうしたんだよ一体」
(今ここで勝鬨《かちどき》を上げたら僕らはどうなると思う?)
「あいつらなら騒いで宴でもするんじゃないのか?」
(そうでしょ!? 誰もが油断するよね? ユウタに聞きたいんだけど、この場所、特に城付近を全部吹っ飛ばせるほど武器ってユウタの世界ではあったの?)
「魔法以外の話でだろ? 間近で見た事はないがあると思う」
(皆が集まっている時に故意に狙って爆発させたりとかそういうの)
「出来なくないと思うぜ。時限爆弾とか言って時間で爆発させたり出来るしな」
(……)
「それがどうかしたのか?」
(何かをきっかけにその時間が動くように出来ていて、僕らの喜んでいる時を狙っているとしたら? 苦労していた魔法国の首都を取ったぞ。バンザーイってしている時にドッカーン。一網打尽で簡単でしょ?)
「でもそれだと味方も巻き添えに、それに市民だって巻き込まれるぜ?」
(市民居た? 気配なかったでしょ。それに兵士だって首都が攻められているというのに圧倒的に少ないよ)
「なるほどなるほど。何がきっかけで爆発するか? だな」
(影武者の死が、きっかけって思わない?)
「そいつはマズイな! 逃げるぞ!」
(でもそんな証拠は、一切ないよ)
「馬鹿だな! 何年の付き合いだと思ってるんだよ! ジャンが俺の勘を信じるように、俺もジャンのそういった勘は信じてるんだ。もし間違ってても別に構わないしな!」
「おっと。もう終わったのかい旦那」
ちょうどそのタイミングで、シャオ達一行が部屋にやってきた。
「来たか! シャオ逃げるぞ!」
「えっ!? 逃げるって急に……」
「ここが爆発する。死ぬぞ! 早くしろ」
「おいおい本当かい!」
俺達は走って逃げた。
影武者を殺してどれ位時間が経った?
そもそも、それも間違っているかもしれない。
そん時は、そん時か。
真だら皆で一緒に地獄行きだな!
「クックックッ!」
(テディの元へ向かおうユウタ)
(何でだ)
(テディなら全員に忠告出来る。逃げろってね! それにいざとなったらテディの魔法は強力だからきっと助けになる)
(なるほどな、分かった)
城を出て、俺はテディの元へ目指す事にした。
今のやつなら声で知らせる事が出来る。
「シャオ……首都から離れるよう皆にも伝えてくれ!」
「おいおい、そんな大きな魔法があるのか?」
「魔法じゃない。説明してる時間ないから、早くしろ! 先行ってるからな」
全速力で俺は駆け出す。
「おっと。よっとよいっと!」
テディの体をよじ登って肩に立つ。
「ドクター。どうしたんですか?」
「ここが爆発するらしいからすぐ逃げるように皆に伝えてくれ!」
「爆発? 本当ですか?」
「いつ起きてもおかしくないから、早く頼むぜ」
「じゃあ急ぎますか! 捕まってて下さい」
「おお」
息を大きく吸うような動きをし、テディは大声を上げた。
「ドクターから命令だじょー! 大爆発が起こるから逃げろって言ってるじょー! とにかく逃げるんだじょー! 撤退だじょー!」
「さあ、私達も逃げますよ」
石の塊である巨体が走って地面を蹴っていく。
一度の蹴りで地面が凹み、着地した足で地面が凹んでいく。
ハードルを飛ぶかのように壁を飛んだテディ。
要塞を飛び越え着地した瞬間――。
今までに聞いたことがない轟音が聞こえた。
音に振り返ると、城が、さっきまで居た城が崩れていく。
残っていたら、完全に死んでたな。
「何かはわかりませんが、凄いスピードでおびただしい数の魔力がこっちに向かってきていますドクター」
「あっ!? 何だよそれ!」
「分かりませんが、いいモノではありません……」
「早く逃げろー!!」
テディが声を荒げた。
俺は上から魔力を感じ、不意に空を見上げた。
太陽の光とは別の何かが光って見える。
あれは何だ?
そう疑問を持っている間にそれは首都に降ってきた。
降ってきた場所で大きな爆発が起こった。
爆発を引き起こしたその光が、今度は数十、数百と空を覆い隠すように光り輝いていた。
その何かは、雨のように首都テンダールに降り注いだ。
(テディの活躍があるとは言え、確かにおかしい……あれだけ兵糧攻めまでしてきたのに、いざ戦ったらこんな穴だらけで一体何がしたかったのか……)
(いや、もしかして……そんな事ありえるのか?)
「どうしたんだよ一体」
(今ここで勝鬨《かちどき》を上げたら僕らはどうなると思う?)
「あいつらなら騒いで宴でもするんじゃないのか?」
(そうでしょ!? 誰もが油断するよね? ユウタに聞きたいんだけど、この場所、特に城付近を全部吹っ飛ばせるほど武器ってユウタの世界ではあったの?)
「魔法以外の話でだろ? 間近で見た事はないがあると思う」
(皆が集まっている時に故意に狙って爆発させたりとかそういうの)
「出来なくないと思うぜ。時限爆弾とか言って時間で爆発させたり出来るしな」
(……)
「それがどうかしたのか?」
(何かをきっかけにその時間が動くように出来ていて、僕らの喜んでいる時を狙っているとしたら? 苦労していた魔法国の首都を取ったぞ。バンザーイってしている時にドッカーン。一網打尽で簡単でしょ?)
「でもそれだと味方も巻き添えに、それに市民だって巻き込まれるぜ?」
(市民居た? 気配なかったでしょ。それに兵士だって首都が攻められているというのに圧倒的に少ないよ)
「なるほどなるほど。何がきっかけで爆発するか? だな」
(影武者の死が、きっかけって思わない?)
「そいつはマズイな! 逃げるぞ!」
(でもそんな証拠は、一切ないよ)
「馬鹿だな! 何年の付き合いだと思ってるんだよ! ジャンが俺の勘を信じるように、俺もジャンのそういった勘は信じてるんだ。もし間違ってても別に構わないしな!」
「おっと。もう終わったのかい旦那」
ちょうどそのタイミングで、シャオ達一行が部屋にやってきた。
「来たか! シャオ逃げるぞ!」
「えっ!? 逃げるって急に……」
「ここが爆発する。死ぬぞ! 早くしろ」
「おいおい本当かい!」
俺達は走って逃げた。
影武者を殺してどれ位時間が経った?
そもそも、それも間違っているかもしれない。
そん時は、そん時か。
真だら皆で一緒に地獄行きだな!
「クックックッ!」
(テディの元へ向かおうユウタ)
(何でだ)
(テディなら全員に忠告出来る。逃げろってね! それにいざとなったらテディの魔法は強力だからきっと助けになる)
(なるほどな、分かった)
城を出て、俺はテディの元へ目指す事にした。
今のやつなら声で知らせる事が出来る。
「シャオ……首都から離れるよう皆にも伝えてくれ!」
「おいおい、そんな大きな魔法があるのか?」
「魔法じゃない。説明してる時間ないから、早くしろ! 先行ってるからな」
全速力で俺は駆け出す。
「おっと。よっとよいっと!」
テディの体をよじ登って肩に立つ。
「ドクター。どうしたんですか?」
「ここが爆発するらしいからすぐ逃げるように皆に伝えてくれ!」
「爆発? 本当ですか?」
「いつ起きてもおかしくないから、早く頼むぜ」
「じゃあ急ぎますか! 捕まってて下さい」
「おお」
息を大きく吸うような動きをし、テディは大声を上げた。
「ドクターから命令だじょー! 大爆発が起こるから逃げろって言ってるじょー! とにかく逃げるんだじょー! 撤退だじょー!」
「さあ、私達も逃げますよ」
石の塊である巨体が走って地面を蹴っていく。
一度の蹴りで地面が凹み、着地した足で地面が凹んでいく。
ハードルを飛ぶかのように壁を飛んだテディ。
要塞を飛び越え着地した瞬間――。
今までに聞いたことがない轟音が聞こえた。
音に振り返ると、城が、さっきまで居た城が崩れていく。
残っていたら、完全に死んでたな。
「何かはわかりませんが、凄いスピードでおびただしい数の魔力がこっちに向かってきていますドクター」
「あっ!? 何だよそれ!」
「分かりませんが、いいモノではありません……」
「早く逃げろー!!」
テディが声を荒げた。
俺は上から魔力を感じ、不意に空を見上げた。
太陽の光とは別の何かが光って見える。
あれは何だ?
そう疑問を持っている間にそれは首都に降ってきた。
降ってきた場所で大きな爆発が起こった。
爆発を引き起こしたその光が、今度は数十、数百と空を覆い隠すように光り輝いていた。
その何かは、雨のように首都テンダールに降り注いだ。
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