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逆愛Ⅷ《洸弍side》2
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俺は来期の企画案を持って、山田雅鷹のいる第2実習室へ向かった。
大空もいるのかな…
いたってどうせ会話なんてないんだ。
考えるな。
「洸弍くん、どうしたの?」
山田雅鷹は机で紅茶を飲んでいた。
「企画案です」
大空はいなかった。
「企画も俺の担当かぁ。面倒だなぁ…あれ?」
俺から企画案を受け取り、山田雅鷹は何かを探し始めた。
「あれ…スマホが無い」
俺には関係ないな。
「そうですか。じゃ俺はこれで…」
「俺の今のロック画面、この前の酔った洸弍くんなのにどうしよう」
―…何!?
「どこにある!?」
「あー、そういえば仮眠室で充電したまんまかも…落ち着いたら取りに行こうかな」
「今すぐ取ってきてください」
「えーやだよぉ。仮眠室地味に遠いじゃん?企画案も目を通したいし」
俺は慌ててこの部屋を後にして仮眠室へ向かった。
あの教師ならマジで俺をロック画面にしてそうだからだ。
人が嫌がること好きだからな。
誰かに見られたらどうすんだ。
仮眠室に入ると、そこには大空が寝ていた。
一瞬、大空に引き込まれた。
いけない。
あいつのスマホ探さないと。
「あの英語教師マジで苦手」
大空の寝ているベッドの近くに山田雅鷹の携帯が充電されていた。
「あった。これか」
携帯を手にして隣を見ると、大空がすやすや寝ている。
「…ムカつく寝顔」
この寝顔も、何度見てきただろう。
あんなに抱き合ったのに、
もう全て想い出でしかない。
まるで昨日のことのように思い出せるのに。
「なんで帝真なんだよ…」
やっぱり俺は大空が好きだ。
お前だけ吹っ切れて、別のヤツ好きになりやがって。
こんなに近くにいるのに、
まだ傍に居たかったのに、
こんなにも苦しい―…
気付くと無意識に大空にキスをしていた。
我に返り、大空が目を開けていないことに安心した。
早くこの場から出ないと。
そして俺が仮眠室を出て行こうとした瞬間、背後から手を掴まれた。
振り返ると俺の手を掴んでいたのは大空だった。
「大空っ!?」
「今、どうしてキス…」
「―…起きてたのかよお前。気まぐれだよ。気まぐれっ!」
そう言って大空の手を払いのけて慌てて部屋を出た。
起きてたのかよ。
ありえねぇ…
握りしめている山田雅鷹の携帯を見ると、ロック画面はやっぱり酔った俺だった。
―…ありえねぇ
「画像、消去してください」
「えー、あの洸弍くん可愛いのにぃ」
「訴えますよ。早く消して」
「ざんねーん」
なんでこんなやつと愁兄は仲がいいんだろう。
まぁ、綾くんとは確かに気が合う性格してるけど。
「あ、決算書見たけど去年と比較したいから過去資料室に行こう」
「…はい」
山田雅鷹から早く離れたい。
こいつと一緒にいるとペースが崩れる。
そして俺達は過去資料室に向かった。
とっとと資料を見つけて、仕事を片付けて…
「洸弍くんはまだ好きなんだ?嵐くんのこと」
「は?」
何を言い出すかと思えば。
まさか、この前の飲み会で俺何か言ったのか?
記憶無いし、そんな予感がする。
「好きでいたってもう無駄だから、忘れます」
「それでいいんだ?」
「大空は帝真が好きだから、それしかない」
忘れるなんて簡単なことじゃない。
好きだった日々を忘れることなんて出来ない。
戻りたいって思ったって、離れるしか術が無いから、
だから忘れるしか方法が無いんだ。
「はい、もしもーし。なーに?……あ、分かった。いま行く」
山田雅鷹は電話を切ると、過去資料室を出ようとした。
「姉貴が呼んでて…ちょっと行ってくる」
「理事長が?」
「あとで迎えにくるから、資料探しよろしく」
そして山田雅鷹は部屋を出て、俺は一人で資料探しを開始した。
大空もいるのかな…
いたってどうせ会話なんてないんだ。
考えるな。
「洸弍くん、どうしたの?」
山田雅鷹は机で紅茶を飲んでいた。
「企画案です」
大空はいなかった。
「企画も俺の担当かぁ。面倒だなぁ…あれ?」
俺から企画案を受け取り、山田雅鷹は何かを探し始めた。
「あれ…スマホが無い」
俺には関係ないな。
「そうですか。じゃ俺はこれで…」
「俺の今のロック画面、この前の酔った洸弍くんなのにどうしよう」
―…何!?
「どこにある!?」
「あー、そういえば仮眠室で充電したまんまかも…落ち着いたら取りに行こうかな」
「今すぐ取ってきてください」
「えーやだよぉ。仮眠室地味に遠いじゃん?企画案も目を通したいし」
俺は慌ててこの部屋を後にして仮眠室へ向かった。
あの教師ならマジで俺をロック画面にしてそうだからだ。
人が嫌がること好きだからな。
誰かに見られたらどうすんだ。
仮眠室に入ると、そこには大空が寝ていた。
一瞬、大空に引き込まれた。
いけない。
あいつのスマホ探さないと。
「あの英語教師マジで苦手」
大空の寝ているベッドの近くに山田雅鷹の携帯が充電されていた。
「あった。これか」
携帯を手にして隣を見ると、大空がすやすや寝ている。
「…ムカつく寝顔」
この寝顔も、何度見てきただろう。
あんなに抱き合ったのに、
もう全て想い出でしかない。
まるで昨日のことのように思い出せるのに。
「なんで帝真なんだよ…」
やっぱり俺は大空が好きだ。
お前だけ吹っ切れて、別のヤツ好きになりやがって。
こんなに近くにいるのに、
まだ傍に居たかったのに、
こんなにも苦しい―…
気付くと無意識に大空にキスをしていた。
我に返り、大空が目を開けていないことに安心した。
早くこの場から出ないと。
そして俺が仮眠室を出て行こうとした瞬間、背後から手を掴まれた。
振り返ると俺の手を掴んでいたのは大空だった。
「大空っ!?」
「今、どうしてキス…」
「―…起きてたのかよお前。気まぐれだよ。気まぐれっ!」
そう言って大空の手を払いのけて慌てて部屋を出た。
起きてたのかよ。
ありえねぇ…
握りしめている山田雅鷹の携帯を見ると、ロック画面はやっぱり酔った俺だった。
―…ありえねぇ
「画像、消去してください」
「えー、あの洸弍くん可愛いのにぃ」
「訴えますよ。早く消して」
「ざんねーん」
なんでこんなやつと愁兄は仲がいいんだろう。
まぁ、綾くんとは確かに気が合う性格してるけど。
「あ、決算書見たけど去年と比較したいから過去資料室に行こう」
「…はい」
山田雅鷹から早く離れたい。
こいつと一緒にいるとペースが崩れる。
そして俺達は過去資料室に向かった。
とっとと資料を見つけて、仕事を片付けて…
「洸弍くんはまだ好きなんだ?嵐くんのこと」
「は?」
何を言い出すかと思えば。
まさか、この前の飲み会で俺何か言ったのか?
記憶無いし、そんな予感がする。
「好きでいたってもう無駄だから、忘れます」
「それでいいんだ?」
「大空は帝真が好きだから、それしかない」
忘れるなんて簡単なことじゃない。
好きだった日々を忘れることなんて出来ない。
戻りたいって思ったって、離れるしか術が無いから、
だから忘れるしか方法が無いんだ。
「はい、もしもーし。なーに?……あ、分かった。いま行く」
山田雅鷹は電話を切ると、過去資料室を出ようとした。
「姉貴が呼んでて…ちょっと行ってくる」
「理事長が?」
「あとで迎えにくるから、資料探しよろしく」
そして山田雅鷹は部屋を出て、俺は一人で資料探しを開始した。
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