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逆愛Ⅱ《嵐side》1
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洸弍先輩と体の関係になって半年が過ぎた。
お互いに進級して、俺は2年、洸弍先輩は3年になった。
あれから何度抱いたか分からない。
日に日に洸弍先輩を好きになってる。
ただ、服従させくて犯したはずなのに―…
「おい、大空!」
「洸弍先輩」
午前の授業が終わると同時に、洸弍先輩が教室に入ってきた。
「企画案の話があるから、昼飯食いながら話す。学食行くぞ」
「了解です」
あれから、殴られることはなくなった。
キッカケは何だか分からない。
だからもう恨みを晴らす必要はないけど、体の関係は続いてる。
「お前…それ全部食うのかよ?」
「もちろんですよ!午後は長いですから体力つけないと」
俺が頼んだオムライスとラーメンと焼きそばを見て、洸弍先輩は驚いていた。
それに引き換え、昼にパンとコーヒーって。
「それで足りるんですか?何かあげます?」
「いらねぇよ。お前とは胃袋が違う。牛かよお前」
相変わらず毒舌は健在。
ただ、やっぱりこうして見ると洸弍先輩は綺麗だ。
「なに見てやがる」
「洸弍先輩、いつもパン食べてますよね。そんなに美味しいんですか?」
「…遠回しに食いたい発言してんじゃねぇよ。ほら、やる」
「先輩のじゃないですか」
「腹へってねぇからコーヒーで充分だ。残飯処理しろ」
そう言うと、食べかけのクイニーアマンを俺に差し出した。
殴られてる時代は、会話だってまともに出来ないくらい酷い扱いされてたのに。
「美味いっす!」
「ははっ。幸せな奴。本当、お前きっと前世は牛だな」
コーヒー飲みながら微笑む洸弍先輩に見とれた。
俺の前でこうして笑ってくれるなんて、久しぶりだ。
ダメだ。
やっぱり洸弍先輩と一緒にいれると嬉しい。
日に日に想いは強くなる。
「お前好きな奴いねぇの?」
いきなりの洸弍先輩の発言に驚いた。
「えっ!?いや…あー、気になる人はいますけど。叶わぬ恋っぽいんですよね」
きっと洸弍先輩は『リョウ君』を好きなわけだし。
俺なんて最近まで酷い仕打ちされてたし。
「へぇ。まぁ頑張れよ」
頑張れって…
頑張りたくても頑張れないだろこの状況。
そう思った瞬間、後ろから誰かに抱きつかれた。
「嵐!こんなとこにいた!」
聞き覚えのある女の声だ。
振り返ると住谷マリことマリちゃんがいた。
「え!マリちゃん何でここにいんの?」
「撮影でこの学園使うんだって。久しぶりだね、元気だった?」
マリちゃんは、俺の母親の芸能プロダクションに所属しているグラビアアイドルだ。
最近、雑誌だけでなくテレビでも見かけるようになった。
「おっといけない。今日は下見だけだからもう行かないと。たまには帰ってきなよ。じゃね!」
そう言ってマリちゃんは去っていった。
「知り合いか?」
一瞬、洸弍先輩が隣にいたことを忘れていた。
「まぁ…うちの母親のプロダクション所属なんで。あんまり実家帰らないんで久しぶりに会いました」
実家にいるときは、事務所の人がいつも相手をしてくれた。
母親も父親も多忙な人で、兄弟なんていなかったから。
「企画はとりあえず予算内なら5つぐらい考えてます。先輩はどれくらいですか?」
生徒会の話を始めると、洸弍先輩は上の空だった。
「…先輩、聞いてます?洸弍先輩?」
「えっ?」
「だからここの予算が…」
洸弍先輩が人の話を聞いてないなんて珍しい。
何かあったんだろうか。
お互いに進級して、俺は2年、洸弍先輩は3年になった。
あれから何度抱いたか分からない。
日に日に洸弍先輩を好きになってる。
ただ、服従させくて犯したはずなのに―…
「おい、大空!」
「洸弍先輩」
午前の授業が終わると同時に、洸弍先輩が教室に入ってきた。
「企画案の話があるから、昼飯食いながら話す。学食行くぞ」
「了解です」
あれから、殴られることはなくなった。
キッカケは何だか分からない。
だからもう恨みを晴らす必要はないけど、体の関係は続いてる。
「お前…それ全部食うのかよ?」
「もちろんですよ!午後は長いですから体力つけないと」
俺が頼んだオムライスとラーメンと焼きそばを見て、洸弍先輩は驚いていた。
それに引き換え、昼にパンとコーヒーって。
「それで足りるんですか?何かあげます?」
「いらねぇよ。お前とは胃袋が違う。牛かよお前」
相変わらず毒舌は健在。
ただ、やっぱりこうして見ると洸弍先輩は綺麗だ。
「なに見てやがる」
「洸弍先輩、いつもパン食べてますよね。そんなに美味しいんですか?」
「…遠回しに食いたい発言してんじゃねぇよ。ほら、やる」
「先輩のじゃないですか」
「腹へってねぇからコーヒーで充分だ。残飯処理しろ」
そう言うと、食べかけのクイニーアマンを俺に差し出した。
殴られてる時代は、会話だってまともに出来ないくらい酷い扱いされてたのに。
「美味いっす!」
「ははっ。幸せな奴。本当、お前きっと前世は牛だな」
コーヒー飲みながら微笑む洸弍先輩に見とれた。
俺の前でこうして笑ってくれるなんて、久しぶりだ。
ダメだ。
やっぱり洸弍先輩と一緒にいれると嬉しい。
日に日に想いは強くなる。
「お前好きな奴いねぇの?」
いきなりの洸弍先輩の発言に驚いた。
「えっ!?いや…あー、気になる人はいますけど。叶わぬ恋っぽいんですよね」
きっと洸弍先輩は『リョウ君』を好きなわけだし。
俺なんて最近まで酷い仕打ちされてたし。
「へぇ。まぁ頑張れよ」
頑張れって…
頑張りたくても頑張れないだろこの状況。
そう思った瞬間、後ろから誰かに抱きつかれた。
「嵐!こんなとこにいた!」
聞き覚えのある女の声だ。
振り返ると住谷マリことマリちゃんがいた。
「え!マリちゃん何でここにいんの?」
「撮影でこの学園使うんだって。久しぶりだね、元気だった?」
マリちゃんは、俺の母親の芸能プロダクションに所属しているグラビアアイドルだ。
最近、雑誌だけでなくテレビでも見かけるようになった。
「おっといけない。今日は下見だけだからもう行かないと。たまには帰ってきなよ。じゃね!」
そう言ってマリちゃんは去っていった。
「知り合いか?」
一瞬、洸弍先輩が隣にいたことを忘れていた。
「まぁ…うちの母親のプロダクション所属なんで。あんまり実家帰らないんで久しぶりに会いました」
実家にいるときは、事務所の人がいつも相手をしてくれた。
母親も父親も多忙な人で、兄弟なんていなかったから。
「企画はとりあえず予算内なら5つぐらい考えてます。先輩はどれくらいですか?」
生徒会の話を始めると、洸弍先輩は上の空だった。
「…先輩、聞いてます?洸弍先輩?」
「えっ?」
「だからここの予算が…」
洸弍先輩が人の話を聞いてないなんて珍しい。
何かあったんだろうか。
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