47 / 63
純愛Ⅳ《咲輝side》
3
しおりを挟む俺はベッドから降りてスーツケースを開けて、台湾で購入したコンドームとローションを取り出した。
「はぁ…はぁ…咲、輝…?」
「台湾で珍しいコンドームが売ってたんだ」
「ははっ。何だこれ。めっちゃポップだな」
バナナの形をした筒の中に、輪切りになったバナナで個装されたコンドーム。
現地の人が、半ば強制的に売り付けてきて断りきれず購入したが調度いいタイミングだった。
今日緋禄がホテルに来てくれるなんて。
「ついでに同じパッケージでローションも売ってたから調度買ってきたんだ」
「なぁ、咲輝。タイミング良すぎるだろ。まるで俺がここに来るの知ってたみたいじゃん」
ははは、と緋禄は笑った。
それに釣られて俺も笑顔になる。
「過去の俺は予知してたのかもな」
「なんだよ、それ。すげーじゃん」
そんな冗談を交わしてから、俺はローションを手にたっぷりと垂らしキスをしながら緋禄の秘部に塗りたくった。
「あ、ンッ…」
イッたばかりの緋禄を容赦なく指で攻める。
感じている緋禄が綺麗で、
早く俺で満たしたくなって、
改めて俺は緋禄が好きなんだなと実感した。
俺は指を1本から2本に増やして、指の動きを早くする。
静かな部屋に、イヤらしい音が響き渡る。
「あっ、あっ…アァ!ン」
緋禄のモノが再び硬くなると、俺は自分のモノを取り出し台湾で購入したばかりのコンドームを装着して、準備の出来てる秘部に押しあてた。
「悪い緋禄。…余裕ない」
「いいよ…早くきて」
そう言うと緋禄は俺の首に手を回し、キスをする。
ゆっくりと挿入した。
そして腰を揺らす。
「あっ、あっ!ん…アァ!」
久しぶりだからか、キスも出来ないぐらい喘いで感じてる緋禄が愛しい。
正常位で緋禄を攻めながらシーツを掴んでいる緋禄の手に、自分の手を重ねた。
緋禄はシーツから手を放し、俺の手を握った。
―…温かい
心も、体も。
「咲、輝…んっ!は、アァッ!」
俺はキスをしながら腰を揺らした。
唇から、
手から、
下半身から、
緋禄の温もりが身体中に伝わって。
満たしたかったはずなのに、満たされているのは俺で。
「咲輝ッ!もっ、とぉ…!」
もっともっと俺を感じて欲しい。
「アァッ!んっ、咲輝!イクッ!あっ、アァ…イ、ク!」
「緋禄…っ!」
そして俺と緋禄は同時に果てた。
行為が終わって緋禄がシャワーを浴びている間に俺は寝てしまったらしい。
夜中に目が覚めて起きると緋禄がいなかった。
『このままだと寝過ごしそうだから寮に戻る』と連絡が入っていた。
また数日経てば、いつものように学校で一緒にいれる。
早くまた緋禄に逢いたい。
そう思って再び眠りに落ちた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
愛する人は、貴方だけ
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。
天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。
公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。
平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。
やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
アタエバネ ~恵力学園一年五組の異能者達~
弧川ふき
ファンタジー
優秀な者が多い「恵力学園」に入学するため猛勉強した「形快晴己(かたがいはるき)」の手首の外側に、突如として、数字のように見える字が刻まれた羽根のマークが現れた。
それを隠して過ごす中、学内掲示板に『一年五組の全員は、4月27日の放課後、化学室へ』という張り紙を発見。
そこに行くと、五組の全員と、その担任の姿が。
「あなた達は天の使いによってたまたま選ばれた。強引だとは思うが協力してほしい」
そして差し出されたのは、一枚の紙。その名も、『を』の紙。
彼らの生活は一変する。
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・出来事などとは、一切関係ありません。

僕のために、忘れていて
ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
神さまに捧ぐ歌 〜推しからの溺愛は地雷です〜【完】
新羽梅衣
BL
平凡な大学生の吉良紡は今をときめくスーパーアイドル・東雲律の大ファン。およそ8年前のデビュー日、音楽番組で歌う律の姿を見て、テレビに釘付けになった日を今でも鮮明に覚えている。
歌うことが唯一の特技である紡は、同級生に勝手にオーディション番組に応募されてしまう。断ることが苦手な紡は渋々その番組に出演することに……。
緊張に押し潰されそうになりながら歌い切った紡の目に映ったのは、彼にとって神さまのような存在ともいえる律だった。夢見心地のまま「律と一緒に歌ってみたい」とインタビューに答える紡の言葉を聞いて、番組に退屈していた律は興味を持つ。
そして、番組を終えた紡が廊下を歩いていると、誰かが突然手を引いてーー…。
孤独なスーパーアイドルと、彼を神さまと崇める平凡な大学生。そんなふたりのラブストーリー。
必然ラヴァーズ
須藤慎弥
BL
ダンスアイドルグループ「CROWN」のリーダー・セナから熱烈求愛され、付き合う事になった卑屈ネガティブ男子高校生・葉璃(ハル)。
トップアイドルと新人アイドルの恋は前途多難…!?
※♡=葉璃目線 ❥=聖南目線 ★=恭也目線
※いやんなシーンにはタイトルに「※」
※表紙について。前半は町田様より頂きましたファンアート、後半より眠様(@nemu_chan1110)作のものに変更予定です♡ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる