純愛-junai-

槊灼大地

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純愛Ⅳ《緋禄side》

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「死ぬって…なんだよ、それ」



誰にも知られたくなかった。



俺は弱いんだって思われたくなかった。




死ぬことを告げれば、生きてることを同情される。



同等でありたい。



生きてる間は同等でいたいんだ。



「あと数ヶ月で俺は死ぬよ。だから病院に行っても結果は見えてる」


「嘘だろ?」


「嘘であってほしいけどな」



俺は笑ってみせた。



それは、寺伝が悲しい顔をしてしまったから。



誰もこんな話聞いて笑ってられるやつなんていない。



だから、俺は笑わなきゃ。



「寺伝…咲輝の誕生日が終わったら…必ず明日には病院に戻るから、今だけは見逃して欲しい」




俺にはもう『来年』はなくて、



自分の誕生日まで生きてられるか分からないから、



「必ず戻るから。信じて」



だからせめて大切な人の誕生日には一緒にいさせて。



「…分かったよ。俺が病院に伝えとくから。今頃大騒ぎだろうし早めに戻れよ」



寺伝は、掴んでいた俺の腕を放してくれた。




「ありがとな。あと、一緒に咲輝に渡すアクセサリー選んで欲しいんだけど」



そう言って、寺伝をアクセサリーショップに連れて行った。



寺伝はセンスいいし、俺は全くこういうセンスないから助かる。



「前山の指の号数分かるのかよ?」


「あ、知らね…」



本当は咲輝を連れて一緒に選ぶ予定だったんだ。



でもまさか台湾に行くとは思わなかったから。




「お前なぁ。確認しとけよ。まぁたぶんこれぐらいかな…間違ってたらごめん」


「いいよ。チェーンも買ってネックレスとして身につけてもらうから」



大事なのは、忘れないように身につけて欲しいことだから。



身につけてる場所は関係ないんだ。















「倒れそうになったら連絡しろよ」


「あぁ。ありがとう」





そして俺は寺伝と別れ、咲輝の泊まっているホテルへと向かった。



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