純愛-junai-

槊灼大地

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純愛Ⅱ《緋禄side》-初夜編-

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翌日、咲輝と寺伝と3人で学食でランチ中。



咲輝の携帯に着信が入った。



「父からだ。悪い、先に食べててくれ」


「オッケー」

 

そう言って、咲輝は席を外した。


俺は咲輝が遠くに行ったのを確認して寺伝に話しかけた。



「なぁ、寺伝」


「ん?」


「咲輝がさ、口でさせてくれないんだよ」



寺伝は飲んでたコーヒーを少し吹き出して、むせり始めた。



「お前っ、何言い出すかと思えば…」


「俺ばっかり気持ちよくしてもらって申し訳ないのにさ、何で口でさせてくれないんだろ?」


「てかお前ら、いつからそんな感じなんだよ」


「1ヶ月ぐらい前から」



と言っても恋人ごっこだ、とは言えず。


まぁ言う必要もないし。



寺伝は色々と混乱しているようだった。



「洸弍先輩いた!あ、雨月先輩も。ちーっす!」
  


後ろから聞き覚えのある元気な声が聞こえて振り返ると、竜の同級生の大空嵐オオゾラアラシが現れた。


「おー、嵐じゃん。元気?」


「元気っす。竜また忙しそうっすねー」


「アルバム作ってるって言ってたからな」


「何の話してるんすか?」


「いや、大空。お前は話しに入ってくんな」



寺伝と嵐は同じ生徒会同士。



仲悪かったんじゃなかったっけ?



「咲輝が口でさせてくれないって話」


「雨月先輩と前山先輩ってそんな感じなんですね。雨月先輩ラブの竜も、前山先輩が相手ならさすがに許すかぁ。むしろお似合い。で、洸弍コウジ先輩は何てアドバイスを?」


「何のアドバイスもしてねぇよ。いーからどっかいけお前」


あ、やっぱり仲悪いのこの二人?


でも嵐ガンガン話しに入ってくるじゃん。


前と雰囲気違うような…



「俺も体だけの関係の人がいるんすけど、その人フェラされるのもするのも嫌いなタイプなんすよね」



おー、さすが大手プロダクションの社長の息子。
読モやってるだけあってそういう人いるんだ。


「俺はされるの嫌いじゃないから、そいつとはまた違うなぁ。寺伝はどう思う?」


「どうも思わねぇよ。マジで関わりたくねぇなこの会話」


「されたくないのに感じてる自分を見られるのが嫌なんですかね?してる側は興奮するのに。まぁいつも目隠しなんで相手の表情は見えないんすけど」


「目隠し…レベル高いな。目隠しなんかしたら咲輝の顔見えないし俺はしないな」



年下でさえ体だけの関係のやつと目隠しプレイをしているというのに俺たちときたら。



本当に初心者中の初心者。



「まじで消えろ大空。とにかく、前山はお前のこと考えてそうしてるんだから、愛情だと思っとけよ」


「えー、もっとこの話ししましょうよ」


「うるせぇな溶けちまえよ。塩酸かなんかで」


「こっわー」


「おい、隣に座るんじゃねぇ大空」



なんか寺伝と嵐見てると、やっぱり仲良くなった気がする。



前は寺伝、嵐の話題出ると顔が死んでマジで嫌いそうだったもんな。



「二人って前まで仲悪かったよな?仲良くなったんだ。見てて楽しい」


「楽しむなよ」



そんな二人を見て楽しんでると、電話を終えた咲輝が戻ってきた。



「二人とも、悪かった…大空?」


「前山先輩こんにちは!あの、口…」
「おーおーぞーら!!」



寺伝が嵐の口を押さえて、制服を引っ張って二人でどこかに去っていった。



咲輝は首をかしげた。


「口?」


「なんだろな?俺も分かんない」


あぶねー。
ありがとう寺伝。
持つべき者は友達。



「咲輝は、俺のこと大切なの?」



咲輝は笑顔で秒で答える。


「大切だよ」


「そっか。俺たちは俺たちのペースで頑張ろうな」


「?」


由輝さんお父さん何だって?」


「あぁ、今度祝賀パーティーがあるから緋禄も連れておいでって」


「え、行く行く!やった。スーツ用意しなきゃ」




いつか絶対、口でして咲輝をもっと満足させてやる。



俺は心の中でそう誓った。



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