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玄愛Ⅲー文化祭編ー《雅鷹side》
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高校最後の文化祭で、うちのクラスのテーマはハロウィンになり仮装することになった。
「じゃあうちのクラスの実行委員は山田と綾でいいんだな?」
学級委員長でもあり生徒会長でもある愁ちゃんが、実行委員に挙手した俺とアヤちゃんに確認をする。
「やるやるー」
「燃えるぜ」
「最後の文化祭だし、超盛り上げようね!俺今年も女装するー」
「祭りは盛り上げるのが常識。…炯は実行委員やんねぇの?」
隣の席で本を読んでる哀沢くんにアヤちゃんが問いかけた。
「…面倒だ。やらねぇ」
「だろうな」
面倒なことが嫌いな哀沢くんが実行委員なんてやるわけないじゃん。
俺も去年は実行委員なんて面倒だろうなと思ってたけど、アヤちゃんと愁ちゃんが楽しそうに準備してて今年は最後だし盛り上げようと立候補してみた。
「雅鷹、良いこと思い付いた」
「あのねぇアヤちゃん。良いこと思い付いたっていう人の考えは大抵はたいしたこと考えてないんだよ」
「いいから」
そう言って、俺の耳元でその思い付いた良いことを囁く。
「…無理じゃない?」
「まぁまぁ、もしかしたらさ」
「別にいいけど」
『炯を嫉妬させていい思い出作ろうぜ』
哀沢くん、嫉妬とかしないし無理だと思うんだけど―…
「てか、アヤちゃん去年も実行委員やってたよね?やっぱり楽しいんだ」
「楽しくねぇよ。面倒だしな」
「じゃあなんで?」
アヤちゃんの目付きが変わる。
そして何かを思い出したかのように拳を握りしめた。
「あの真面目野郎から愁弥を守るためだ」
「あー、ルイちゃん?」
「何かにつけて愁弥さん愁弥さんて連れ去ろうとしやがって。実行委員やってよかったぜ」
「そうなんだ」
確かにルイちゃんは愁ちゃんを見つめる目がハンターの目をしてるけど、もう大丈夫でしょ。
「実行委員まじで忙しいから覚悟しとけよ」
「了解♪」
そんな忙しいわけないじゃん。
―…と、甘くみていた
「山田、綾。さっそく生徒会室に集合だ」
教卓に立っていた愁ちゃんが俺たちの所に来てそう言った。
「え?授業…」
「バーカ、実行委員は特別に時間割りが変わるんだよ」
「山田…聞いてなかったのか?」
確かそんなことを言っていたようないなかったような。
俺は今年の文化祭を盛り上げられるってことと、ハロウィンで何の女装しようかしか考えてなかったからちゃんと聞いてなかった。
「今日から約1ヶ月、実行委員は1日の授業の半分以上は文化祭の準備だ」
「えー!」
哀沢くんと一緒にいれる時間がなくなっちゃう。
「あ…哀沢くんも一緒に実行委…」
「頑張れよ。実行委員」
俺の言葉を遮り、一瞬だけ俺を見てまた本を読み始めてしまった。
辛い…辛すぎる。
「じゃあ雅鷹は俺が預かるわ。じゃあな炯くん」
「あぁ」
「哀沢くん…」
「行くぞ雅鷹」
そして俺たちは教室を後にして、生徒会室に向かった。
「わー、実行委員なんてやるんじゃなかったー!」
「何でだよ」
廊下で騒ぐ俺を不思議そうな目で見つめるアヤちゃん。
「だって哀沢くんに会えないし、哀沢くんいつも通りだし」
「いやいやこれからだぜ雅鷹。あいつ内心イライラしてるって」
「そうかなぁ…?まぁもう引き受けたものは仕方ないしやるけどさぁ」
そして生徒会室で各学年の実行委員が集まり、誰が何の担当をするかを決めた。
俺は当日の司会を丸1日仕切る総合司会という担当に決まった。
「では割り当てた担当はこれで決まりだ。各自集まって費用などをピックアップしてくれ」
そう生徒会長の愁ちゃんが言うと、各担当ごとに集まって打ち合わせが始まった。
「俺は総合司会かぁ。ルイちゃんもだよね?よろしくね!」
「ええ。宜しくお願いします」
ルイちゃんは1つ年下の生徒会会計くん。
愁ちゃんと一緒に生徒会やってるから、何回か絡んだこともあったし知らない人じゃなくてよかった。
「え…雅鷹。お前結局総合司会なの?」
美術の担当になったアヤちゃんが、総合司会ゾーンにいた俺に話しかけた。
「うん。去年アヤちゃんの見て楽しそうだったから」
そうそう。
去年はめちゃアヤちゃんが総合司会で仕切ってて盛り上げてかっこよくて、見てて楽しかったんだよね。
「お前…その担当…マジで地獄だぜ」
「え?」
「じゃあうちのクラスの実行委員は山田と綾でいいんだな?」
学級委員長でもあり生徒会長でもある愁ちゃんが、実行委員に挙手した俺とアヤちゃんに確認をする。
「やるやるー」
「燃えるぜ」
「最後の文化祭だし、超盛り上げようね!俺今年も女装するー」
「祭りは盛り上げるのが常識。…炯は実行委員やんねぇの?」
隣の席で本を読んでる哀沢くんにアヤちゃんが問いかけた。
「…面倒だ。やらねぇ」
「だろうな」
面倒なことが嫌いな哀沢くんが実行委員なんてやるわけないじゃん。
俺も去年は実行委員なんて面倒だろうなと思ってたけど、アヤちゃんと愁ちゃんが楽しそうに準備してて今年は最後だし盛り上げようと立候補してみた。
「雅鷹、良いこと思い付いた」
「あのねぇアヤちゃん。良いこと思い付いたっていう人の考えは大抵はたいしたこと考えてないんだよ」
「いいから」
そう言って、俺の耳元でその思い付いた良いことを囁く。
「…無理じゃない?」
「まぁまぁ、もしかしたらさ」
「別にいいけど」
『炯を嫉妬させていい思い出作ろうぜ』
哀沢くん、嫉妬とかしないし無理だと思うんだけど―…
「てか、アヤちゃん去年も実行委員やってたよね?やっぱり楽しいんだ」
「楽しくねぇよ。面倒だしな」
「じゃあなんで?」
アヤちゃんの目付きが変わる。
そして何かを思い出したかのように拳を握りしめた。
「あの真面目野郎から愁弥を守るためだ」
「あー、ルイちゃん?」
「何かにつけて愁弥さん愁弥さんて連れ去ろうとしやがって。実行委員やってよかったぜ」
「そうなんだ」
確かにルイちゃんは愁ちゃんを見つめる目がハンターの目をしてるけど、もう大丈夫でしょ。
「実行委員まじで忙しいから覚悟しとけよ」
「了解♪」
そんな忙しいわけないじゃん。
―…と、甘くみていた
「山田、綾。さっそく生徒会室に集合だ」
教卓に立っていた愁ちゃんが俺たちの所に来てそう言った。
「え?授業…」
「バーカ、実行委員は特別に時間割りが変わるんだよ」
「山田…聞いてなかったのか?」
確かそんなことを言っていたようないなかったような。
俺は今年の文化祭を盛り上げられるってことと、ハロウィンで何の女装しようかしか考えてなかったからちゃんと聞いてなかった。
「今日から約1ヶ月、実行委員は1日の授業の半分以上は文化祭の準備だ」
「えー!」
哀沢くんと一緒にいれる時間がなくなっちゃう。
「あ…哀沢くんも一緒に実行委…」
「頑張れよ。実行委員」
俺の言葉を遮り、一瞬だけ俺を見てまた本を読み始めてしまった。
辛い…辛すぎる。
「じゃあ雅鷹は俺が預かるわ。じゃあな炯くん」
「あぁ」
「哀沢くん…」
「行くぞ雅鷹」
そして俺たちは教室を後にして、生徒会室に向かった。
「わー、実行委員なんてやるんじゃなかったー!」
「何でだよ」
廊下で騒ぐ俺を不思議そうな目で見つめるアヤちゃん。
「だって哀沢くんに会えないし、哀沢くんいつも通りだし」
「いやいやこれからだぜ雅鷹。あいつ内心イライラしてるって」
「そうかなぁ…?まぁもう引き受けたものは仕方ないしやるけどさぁ」
そして生徒会室で各学年の実行委員が集まり、誰が何の担当をするかを決めた。
俺は当日の司会を丸1日仕切る総合司会という担当に決まった。
「では割り当てた担当はこれで決まりだ。各自集まって費用などをピックアップしてくれ」
そう生徒会長の愁ちゃんが言うと、各担当ごとに集まって打ち合わせが始まった。
「俺は総合司会かぁ。ルイちゃんもだよね?よろしくね!」
「ええ。宜しくお願いします」
ルイちゃんは1つ年下の生徒会会計くん。
愁ちゃんと一緒に生徒会やってるから、何回か絡んだこともあったし知らない人じゃなくてよかった。
「え…雅鷹。お前結局総合司会なの?」
美術の担当になったアヤちゃんが、総合司会ゾーンにいた俺に話しかけた。
「うん。去年アヤちゃんの見て楽しそうだったから」
そうそう。
去年はめちゃアヤちゃんが総合司会で仕切ってて盛り上げてかっこよくて、見てて楽しかったんだよね。
「お前…その担当…マジで地獄だぜ」
「え?」
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