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玄愛Ⅱ《炯side》
玄愛Ⅱ《炯side》4
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次の日、登校するなり綾と山田が俺に駆け寄る。
綾の叔父が来月居酒屋をオープンするから集まらないかという誘いだった。
「3月17日の金曜日。次の日学校休みだしどう?」
「俺はその日は部活が終わってから部員と懇親会で無理だ。3人で行ってこいよ」
「そっか残念。もう予約もいっぱいで、その日しか空いてねぇんだよな…そっちキャンセルできねぇの?」
「世話になった先輩達が来るから無理だな」
山田は残念そうな顔をしている。
「じゃあ次は哀沢くんが来れる時を選ばないとね」
「炯来ねぇけど雅鷹は来んの?」
いつもこういう時、山田は俺が行かないなら行かないと言う。
だから返事は分かっていた。
「行くー!だって駿河大典でしょー!俺大好きなの、行きたい行きたい!」
予想が外れた。
俺がいない場所で、俺以外の奴と楽しむのか。
―…これは嫉妬?
もし綾が山田を抱いたとしたら…
嫌じゃないと言いきれるのか?
「哀沢くん、チョコあげるー」
この笑顔を、この声を、俺だけのものにしたい。
日に日にその想いが強くなっていくことに気付いた。
失いたくない。
傍にいて欲しい。
俺だけのものにしたい。
あぁ、これは恋なんだ。俺は山田が好きなんだ。
そう思った。
きちんと告白をしたいと思ったが最近は部活が忙しくて時間がとれない。
春休みに入って部活の無い日に一緒に出掛けて、その時きちんと告白しようと決めた。
―3月17日ー
それから1ヶ月以上経ち、今日は居酒屋の日。
放課後になり、部室でジャージに着替えていると部室に山田が現れた。
「山田?」
「あ、ごめんね部活前に…」
「あぁ、…今日居酒屋行くんだよな?」
「うん。これから家帰ってお風呂入って着替えてから出かける」
俺がいないその場所で、他の奴と楽しむのか。
許せないな。
「居酒屋行く前に、哀沢くんにちょっと会いたくて、会いに来ちゃった……誰もこないよね?」
山田はバスケ部の部室のドアを開けて、左右を確認し、誰か歩いていないか確認してまたドアを閉めた。
そして俺の唇に、自分の唇を軽く重ねた。
「本当は哀沢くんと一緒に行きたかったけど、懇親会は仕方ないもんね」
こいつは―…
「だから哀沢くんの唇の温もりだけ一緒に連れてくね」
俺の好きという感情を簡単に増幅させてくる。
「じゃあ哀沢くんも楽しんで」
行かせたくない。
「山田」
山田が部室を出ようとドアに手をかけた瞬間、俺は山田を引っ張り抱き寄せて、激しいキスをした。
「んっ…は…ぁ…」
唇を動かし舌を絡めて唾液を送り込む。
誰か来るかもしれないのに。
すぐに止めるつもりが止まらない。
しばらくして唇を放すと、恥ずかしいのか山田の顔が赤くなっていた。
「舌の感触も連れて行け」
「哀沢くんが絡めたこの舌で、美味しい料理堪能してくるからねっ」
そして俺の背中に腕を回して、抱きしめて言った。
「大好き…じゃあ部活頑張ってね」
誰かくるかもしれない部室で、構わずキスをしてしまうなんて。
―…俺の方がお前のこと好きだと思う
その言葉は今は言えなかった。
PM7:00
部活が終わり、教師と部員でカラオケ付きのパーティールームで懇親会が始まった。
俺は卒業した先輩の隣でだいたいバスケのことを語っていた。
「哀沢さぁ、お前好きなやついないの?」
「あー、それ俺も気になる!」
他の先輩も俺の近くに座り始めて会話に入ってきた。
そういえば、山田は今は居酒屋だったなと思い出してスマホを見るとかなりメッセージが入っていた。
『すごいすごいオシャレだよー』
『大きなアクアリウムもあるしお料理も最高』
『哀沢くんもまた一緒に来ようね』
『釣れたてのお魚のお造りー!』
いちいち画像付きで。
「哀沢うちのクラスでも女子から人気だったんだぜ。お前無口で無表情だから声かけたいけど怖くて声かけられないって」
「さりげなく悪口言ってますよね?」
「いや、哀沢は心開いたらちゃんと笑うもんなー?お前の笑った顔とか究極魔法ぐらい破壊力あるよな」
「なんですかそれ」
俺はその発言につられて笑う。
「それそれ!俺が女子ならキュンてくるわ。妹紹介していい?お前の兄になりたい」
「いや…俺好きなやついるんで」
その発言に、隣にいた先輩たちは驚いて席を立ちながら周りの部員に言いふらしていた。
誰かのカラオケの歌声でその話しはほとんど伝わっていないのが幸いだった。
恋愛なんて興味ないと思われていたんだろう。
実際そうだったし。
しばらくしてスマホを見ると、綾から連絡がきていた。
『炯くーん、こっちも楽しいよ』
『終わったらきたら?』
『一応ここの住所送っとく』
あと2時間ぐらいしたら懇親会も終わるし、終わったらあっちに向かってもいいかなと思っていた。
その時また綾から画像付きで連絡が入る。
『早くしないと雅鷹食べられちゃうよ』
俺はその画像を見て、その場を立ち帰ることを決めた。
「すみません、帰ります!」
「えー、早いよ哀沢ぁ。もっと一緒にいてよ」
先輩に腕を捕まれ引き留められる。
「すみません」
「こっちより大事な用事?」
当たり前だろ。
そんなの決まってる。
「比べられないです」
そう言って部屋を出た。
居酒屋に行くにもタクシーを捕まえないといけない。
すぐに捕まるだろうか。
「哀沢さんですか?」
そう思っていると、施設の入り口で誰かに声をかけられた。
「…はい」
「私、居酒屋花菱の送迎の者です。綾さんから哀沢さんを迎えに行くように言われてここでお待ちしておりました」
そう言って俺を車まで案内し、助手席のドアを開けてくれた。
綾が手配してくれた?
確かに以前この懇親会の場所を聞かれて教えてはいたが、一体どういうつもりなのか。
その瞬間、綾からの着信。
電話に出ると、電話先からは居酒屋での会話が聞こえてきた。
『雅鷹、下ってこっちかー?』
『そこじゃな…アッ、あっあ』
『大丈夫。こっちもすぐ気持ちよくなるから。ここイイだろ?』
『や、あ…押さないでぇっ、アッ…き、気持ち…い』
『あーマジで開発してぇな。指だけでこんなに吸い付いてきたら挿れたらどうなっちまうんだよ』
―…一体何が起きているというのか
『想像してみろよ雅鷹。ここに炯のが奥まで入ったら気持ちよすぎるだろうな?…俺か愁弥のでもいい?』
『や、だ…哀沢くんのがいいっ』
『だよな』
『あっあっ、ん…アヤちゃんっ…イ、カせて、は、ぁ…イキたいっ、アヤ、ちゃん…イキたいよぉ。お願いぃ』
分かることは、山田の貞操が危ないということだ。
俺を試すためなのだろうか、さすがに綾はやりすぎだ。
でも愁弥も一緒にいるし大丈夫だろうと思った。
「もう少し飛ばせますか?」
「頑張ります」
それから10分ほど車を車を走らせると、山田たちのいる居酒屋に到着した。
「入り口に入って突き当たりの奥のスペシャルルームと記載のあるお部屋が、綾さんたちのいるお部屋です」
「ありがとうございます」
運転手が車を停めてすぐに車を降りて、急いでその部屋へ向かった。
綾の叔父が来月居酒屋をオープンするから集まらないかという誘いだった。
「3月17日の金曜日。次の日学校休みだしどう?」
「俺はその日は部活が終わってから部員と懇親会で無理だ。3人で行ってこいよ」
「そっか残念。もう予約もいっぱいで、その日しか空いてねぇんだよな…そっちキャンセルできねぇの?」
「世話になった先輩達が来るから無理だな」
山田は残念そうな顔をしている。
「じゃあ次は哀沢くんが来れる時を選ばないとね」
「炯来ねぇけど雅鷹は来んの?」
いつもこういう時、山田は俺が行かないなら行かないと言う。
だから返事は分かっていた。
「行くー!だって駿河大典でしょー!俺大好きなの、行きたい行きたい!」
予想が外れた。
俺がいない場所で、俺以外の奴と楽しむのか。
―…これは嫉妬?
もし綾が山田を抱いたとしたら…
嫌じゃないと言いきれるのか?
「哀沢くん、チョコあげるー」
この笑顔を、この声を、俺だけのものにしたい。
日に日にその想いが強くなっていくことに気付いた。
失いたくない。
傍にいて欲しい。
俺だけのものにしたい。
あぁ、これは恋なんだ。俺は山田が好きなんだ。
そう思った。
きちんと告白をしたいと思ったが最近は部活が忙しくて時間がとれない。
春休みに入って部活の無い日に一緒に出掛けて、その時きちんと告白しようと決めた。
―3月17日ー
それから1ヶ月以上経ち、今日は居酒屋の日。
放課後になり、部室でジャージに着替えていると部室に山田が現れた。
「山田?」
「あ、ごめんね部活前に…」
「あぁ、…今日居酒屋行くんだよな?」
「うん。これから家帰ってお風呂入って着替えてから出かける」
俺がいないその場所で、他の奴と楽しむのか。
許せないな。
「居酒屋行く前に、哀沢くんにちょっと会いたくて、会いに来ちゃった……誰もこないよね?」
山田はバスケ部の部室のドアを開けて、左右を確認し、誰か歩いていないか確認してまたドアを閉めた。
そして俺の唇に、自分の唇を軽く重ねた。
「本当は哀沢くんと一緒に行きたかったけど、懇親会は仕方ないもんね」
こいつは―…
「だから哀沢くんの唇の温もりだけ一緒に連れてくね」
俺の好きという感情を簡単に増幅させてくる。
「じゃあ哀沢くんも楽しんで」
行かせたくない。
「山田」
山田が部室を出ようとドアに手をかけた瞬間、俺は山田を引っ張り抱き寄せて、激しいキスをした。
「んっ…は…ぁ…」
唇を動かし舌を絡めて唾液を送り込む。
誰か来るかもしれないのに。
すぐに止めるつもりが止まらない。
しばらくして唇を放すと、恥ずかしいのか山田の顔が赤くなっていた。
「舌の感触も連れて行け」
「哀沢くんが絡めたこの舌で、美味しい料理堪能してくるからねっ」
そして俺の背中に腕を回して、抱きしめて言った。
「大好き…じゃあ部活頑張ってね」
誰かくるかもしれない部室で、構わずキスをしてしまうなんて。
―…俺の方がお前のこと好きだと思う
その言葉は今は言えなかった。
PM7:00
部活が終わり、教師と部員でカラオケ付きのパーティールームで懇親会が始まった。
俺は卒業した先輩の隣でだいたいバスケのことを語っていた。
「哀沢さぁ、お前好きなやついないの?」
「あー、それ俺も気になる!」
他の先輩も俺の近くに座り始めて会話に入ってきた。
そういえば、山田は今は居酒屋だったなと思い出してスマホを見るとかなりメッセージが入っていた。
『すごいすごいオシャレだよー』
『大きなアクアリウムもあるしお料理も最高』
『哀沢くんもまた一緒に来ようね』
『釣れたてのお魚のお造りー!』
いちいち画像付きで。
「哀沢うちのクラスでも女子から人気だったんだぜ。お前無口で無表情だから声かけたいけど怖くて声かけられないって」
「さりげなく悪口言ってますよね?」
「いや、哀沢は心開いたらちゃんと笑うもんなー?お前の笑った顔とか究極魔法ぐらい破壊力あるよな」
「なんですかそれ」
俺はその発言につられて笑う。
「それそれ!俺が女子ならキュンてくるわ。妹紹介していい?お前の兄になりたい」
「いや…俺好きなやついるんで」
その発言に、隣にいた先輩たちは驚いて席を立ちながら周りの部員に言いふらしていた。
誰かのカラオケの歌声でその話しはほとんど伝わっていないのが幸いだった。
恋愛なんて興味ないと思われていたんだろう。
実際そうだったし。
しばらくしてスマホを見ると、綾から連絡がきていた。
『炯くーん、こっちも楽しいよ』
『終わったらきたら?』
『一応ここの住所送っとく』
あと2時間ぐらいしたら懇親会も終わるし、終わったらあっちに向かってもいいかなと思っていた。
その時また綾から画像付きで連絡が入る。
『早くしないと雅鷹食べられちゃうよ』
俺はその画像を見て、その場を立ち帰ることを決めた。
「すみません、帰ります!」
「えー、早いよ哀沢ぁ。もっと一緒にいてよ」
先輩に腕を捕まれ引き留められる。
「すみません」
「こっちより大事な用事?」
当たり前だろ。
そんなの決まってる。
「比べられないです」
そう言って部屋を出た。
居酒屋に行くにもタクシーを捕まえないといけない。
すぐに捕まるだろうか。
「哀沢さんですか?」
そう思っていると、施設の入り口で誰かに声をかけられた。
「…はい」
「私、居酒屋花菱の送迎の者です。綾さんから哀沢さんを迎えに行くように言われてここでお待ちしておりました」
そう言って俺を車まで案内し、助手席のドアを開けてくれた。
綾が手配してくれた?
確かに以前この懇親会の場所を聞かれて教えてはいたが、一体どういうつもりなのか。
その瞬間、綾からの着信。
電話に出ると、電話先からは居酒屋での会話が聞こえてきた。
『雅鷹、下ってこっちかー?』
『そこじゃな…アッ、あっあ』
『大丈夫。こっちもすぐ気持ちよくなるから。ここイイだろ?』
『や、あ…押さないでぇっ、アッ…き、気持ち…い』
『あーマジで開発してぇな。指だけでこんなに吸い付いてきたら挿れたらどうなっちまうんだよ』
―…一体何が起きているというのか
『想像してみろよ雅鷹。ここに炯のが奥まで入ったら気持ちよすぎるだろうな?…俺か愁弥のでもいい?』
『や、だ…哀沢くんのがいいっ』
『だよな』
『あっあっ、ん…アヤちゃんっ…イ、カせて、は、ぁ…イキたいっ、アヤ、ちゃん…イキたいよぉ。お願いぃ』
分かることは、山田の貞操が危ないということだ。
俺を試すためなのだろうか、さすがに綾はやりすぎだ。
でも愁弥も一緒にいるし大丈夫だろうと思った。
「もう少し飛ばせますか?」
「頑張ります」
それから10分ほど車を車を走らせると、山田たちのいる居酒屋に到着した。
「入り口に入って突き当たりの奥のスペシャルルームと記載のあるお部屋が、綾さんたちのいるお部屋です」
「ありがとうございます」
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