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囚愛Ⅳ《エリックside》
囚愛Ⅳ《エリックside》6
しおりを挟む―翌朝―
寝ている雅を起こさないように、リビングへ向かう。
コーヒーを入れ、自分のスマートフォンをチェックすると、昨夜アルから大量に着信が入っていることに気付いた。
何か急用があったのかと思い、電話をかけた。
「“アル、どうした?”」
『“エリック!何で電話出ないの!?”』
「“あぁ、すまない。リビングにスマートフォンを置いていたんだ”」
『“待って、いま送るから。URL…見て!”』
そう言われ、アルが送ってきたURLを接続し、動画を再生する。
昨日の雅の配信動画だった。
「“配信動画?”」
『“何時間撮影してると思うの!?後半見てごらん!”』
後半?
後半の方を指定し動画を再生すると、真っ黒で音声だけが聞こえてきた。
「“音声だけ……っ!!”」
『“全世界に配信してたよ、君たちの声のみセックス。エリックの潮吹き…最高に興奮したけどさぁ…”』
昨夜の出来事を振り返り、昨日は久しぶりだったからかなり盛り上がったセックスだということを思い出した。
私は寝ている雅の元へ向かった。
「雅ーーーーー!!」
気持ちよく寝ている雅を叩き起こし、そして寝ぼけている目の前にスマートフォンを差し出し、動画を再生しながら怒鳴り続けた。
「なんっですかこれ!?私たちのセックスが声だけ配信されてます!今すぐ削除してください!今すぐ!今すぐ!」
雅は寝鉾眼で動画を見続ける。
「アルから大量に着信が残っていて、URLが送られてきて開いたら…なんてことだ…」
しばらく動画を見て、はっと思い付いたかのように雅はベッドを降り、自分の部屋へと歩きだした。
その先には、テーブルの上に伏せられて充電の切れた雅のスマートフォンが置いてあった。
「あー、あのあと配信止めてなかったんだ。そっかそっか、スマホ机に伏せただけかー。エリックとのキスで配信を止めるの忘れてた。充電満タンだったしどこまで配信されてんだろ」
「“笑えない!最っ悪だ…誰が聞きたいですか41歳の喘ぎ声など!しかも、しっ、潮…潮っ…”」
アルに聞かれてしまった―…というか全世界に!
あり得ないっ!
あり得ないっ!
「一気に俺のフォロワー300万人増えてるよ♪」
「OMG…」
「でも、俺たちへの応援コメントもたくさんきてる」
「それは嬉しいですが…」
その日から、私たちを応援する人がたくさん増えた。
世の中に祝福される中、私たちは雅彦様の誕生日である1月23日に入籍した。
そして2月22日、私の誕生日に愛しい旦那様は12本目の白い薔薇をプレゼントしてくれた。
4年ぶりにもらった白い薔薇。
これから毎年増え続けていくのだと思ったら嬉しくてたまらない。
「そうだエリック…卒業式の日に約束していた高級ディナーを食べに行こか?」
「ええ。喜んで」
「また置き手紙と枯れた白薔薇になるなんて許さないよ?」
「あり得ませんよ。あなたが私を手放さない限り、手放したとしても愛は消えません」
「光栄だな。もう逃がさないから覚悟して」
「囚われていますよ。心も体も。あなたに全て」
「奇遇だな、俺もだよ」
過去に囚われた愛。
そして互いに囚われ続ける愛。
そんな私たちだけの、私たちにしか紡げない愛を続けていこう。
「愛してる」
―…永遠に
【囚愛-shuai- END】
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