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囚愛《エリックside》
囚愛《エリックside》7
しおりを挟む戻ってくると、小瓶に入った忌々しい媚薬を手にしていた。
あぁそんなものが無ければ。
雅様に抱かれることもあんなに乱れることも無かったのに。
「100mlの水に2滴で充分なんだ」
瓶の蓋を開け、自分の小指に1滴垂らし、それを私の唇に塗りその媚薬を舐めとるようにキスをした。
「ん―…は」
耳を舐められ、首筋に吸い付かれると吐息が漏れる。
「はっ―…ん…」
慣れた手付きで私をベッドに押し倒し、キスをしながらシャツを脱がし肌に吸い付く。
「んっ!―…は、あ…」
そのまま口を乳首へと移動させ、舌で舐め、唇で愛撫をすると体がビクビクと反応してしまう。
「あっ、―…アッ」
さすがドイツ校時代、女遊びを自慢していただけのことはあるなと思いつつも、そんなテリーのテクニックに翻弄されている自分がいた。
「あっ、んっ!テリーッ…は…」
数十分乳首を攻られ、息を切らしながら状況を整理する。
快感はある。
やはり雅様に欲情するのは媚薬の効果なのかもしれない。
しかしテリーが私の股間に手を伸ばした瞬間、その思考が破壊された。
「…!…勃起してない、だと?あんなに感じてたくせに!?演技だとしたら凄いぞエリック」
雅様の時のように体は反応していなかったのだ。
あんなに快感を感じたのに…
「そうなんだ。自慰をしようとしても勃たない。やはりテリーでも同じか。雅様に毎回抱かれるときはキスをされただけで硬くなるのに」
雅様に髪を撫でられ、キスをされただけで私の下半身は反応するのに。
テリーだと反応しない。
この法則は何なのだろうか。
「テリー、もう終わりでいい。すまなかった。…それ、口でしてやろうか?」
「いや、いい。自分で処理してくる!」
テリーは自分の股間を押さえて部屋を出ようとしたその時、ドアが開き誰かが私の部屋に入ってきた。
「なにしてるの二人で?」
「みっ、雅様!」
雅様は平日17時-19時までは専属のダンサーと一緒に家のダンスルームで踊っているはずだ。
時計を見るとまだ18時前だった。
「雅様、ダンスは?」
「先生が体調悪くて。帰った」
「そうでしたか」
「では、俺はこれで―…」
慌てて部屋を出ていこうとするテリーの目の前に雅様の腕が音速で現れ、それと同時に壁が割れそうなほどの低音が響いた。
そして笑顔でテリーを見つめて言う。
「あとでこの状況の説明をしてね、テリー♡」
「…」
「RITE?」
「は、はい…」
テリーが慌てて部屋を出ると同時に、雅様は笑顔でこちらへ近付いてきた。
「で、何してたの?」
雅様はベッドに腰をかけて問いかける。
「媚薬が抜けたのかテリーを使って検証してました。勃たなくなったので薬が完全に抜けたのかと」
「へぇ」
そう伝えた瞬間、髪を撫でられ、キスをされ、いつものように押し倒された。
「でももうこんなに硬くして…まだ18時なのにイヤらしいんだねエリック」
「!!」
「テリーとどこまでしたのか教えて」
やはり、雅様だとすぐに体が反応してしまう。
分からない。
自分の体はどうなってしまったのか。
いつもより早い時間、雅様に抱かれながら練習相手である私の脳はすぐに快感で一杯になった。
これからどうなってしまうのか。
そんな不安を感じる以上に、再び23時にドアをノックする音に胸を踊らせている自分がいた。
【to be continued】
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