18 / 99
囚愛《テリーside》
囚愛《テリーside》2
しおりを挟む日に日に成長する雅様を見ていると、エリックに恋愛感情を抱いていることに気付いた。
エリックはそういうのに疎いし、ましてや雅様と20も年が離れている。
二人が結ばれることは無いだろう。
日本に来て11年が過ぎ、雅様は15歳になった。
俺もエリックも日本語が堪能になっていた。
「テリー、ダンス大会のときに泊まるホテルで、頼みごとがあるんだけど」
U-15の大会で遠征をするため、ホテルをとることになっている。
「ツインじゃなくて、ダブルでとって。俺はその日、エリックを抱く」
―…マジか。
「かしこまりました」
いやいや、エリック35歳だぞ?
君はまだ青い15歳。
というか、あなた抱く側ですか?
執事学校のときに恋人を切らしたことのないエリックを満足させられますか?
そういえばこの前、エリックとこんな話をしたことを思い出した。
「エリック、お前執事学校で何て言われてたか知ってるか?」
「ん?」
「100人斬りのエリック」
「…なんだそのふざけた名前は」
久しぶりに休みをもらえた俺たちは、深夜にワインを堪能しながら昔話に花を咲かせた。
そう、エリックは執事学校時代、恋人を切らしたことがなかった。
「お前は執事学校イチの美人だったし、恋人とっかえひっかえだったしなぁ」
「―…未経験だ」
「は?」
「まだヴァージンだ」
「嘘だろ?」
「嘘をついてどうする」
「前も後ろも?」
「そうだ」
エリックのまさかの発言で、ワインがブドウジュースに感じるぐらい俺の脳内はおかしくなっていた。
あのエリックが。
100人斬りのエリックが。
百戦錬磨のエリックが。
「明日の新聞記事になるんじゃないか」
「私は性欲が全く無くて、いざセックスしようとしても勃たないからすぐに飽きられたんだ」
まぁ確かに淡白ではあったよな。
ならなぜ恋人など作るのだろうか。
「みんな顔か体目当てで付き合ってきていたようだな。で、セックス出来ないと分かると数日で関係が終わる」
「いやでも、35だぞ?1度くらいは…」
「ない。恋人を切らさなかったのも、誰なら自分の体が性的に興奮するのか知りたかったからだ。未だに興奮したことはない。無駄な時間だったな」
「雅彦様とはしてなかったのか?」
「なぜ私があのお方とセックスしないといけないんだ。そんなことをしたら、雅彦様に主導権を握られる未来しか予想できないだろう」
…いや、主導権は常に三科雅彦が握ってただろ。
という会話をした。
だからまぁ、無理だろう。
あなたの初体験は散りますよ雅様。
あの三科雅彦にさえ性的興奮を覚えないようなド真面目な執事ですから。
ダンス大会から帰宅してきた雅様は落ち込んでいた。
これは失敗したな。
そりゃそうだろう。
予想通りだ。
落ち込んでいる雅様とは逆に、エリックは深刻に何かを考えている様子だった。
「テリー」
「ん?」
「雅様も年頃のようで。セックスについてきちんと教えないといけないんだよな。どうしようか悩む」
「何かあったのか?」
なんとなく予想はついていたが、雅様の初体験が未遂で終わったことを聞かされた。
あぁ、雅様お気持ちお察しします。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる