原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

三人目：魔王の娘ヘルクレア

魔王ヘルクレア４

山、街、海

目に映るモノを破壊した

赤ん坊が初めてモノを見て興味を示すように。

その中で、花畑を見たときに、またモヤモヤとした気持ちが湧き上がってくる。

学校の時よりも数倍感情的になっていた。

次第に、見ることがイヤになったヘルクレアは

全て、見えるもの全てを破壊すれば、何も目障りになるものはなくなると思うようになり

両手を挙げて、全ての魔力を注ぎ込んでいき、巨大な魔力球を作り上げようとした。


ヘルクレアが、その巨大な魔力球を作り始めたあたりくらいで、ファントムダンサーは限界を迎えようとしていた。

「うっ・・・！！」

ファントムダンサーは手を床につけたままの姿勢で吐血した。

滝谷は目を開いて横を向き驚いた。

「剣さん！！！」

「動くな！！！・・・動くんじゃねぇ・・集中しろ・・・」

「だけど・・・！！」

もうわけがわからない、どうしたらいいんだろうか

少年の頭のなかはめまぐるしく　迷走していた。

ただ思うことは一人の女性を死なせたくはないという強い気持ちだった。

滝谷は、我慢できずに、心の底から叫んだ

今まで溜めていた空気を爆発させたかのように。

勢いよく、腹に溜まっていた気持ちを叫んだ。

滝谷の叫びは、空間を歪ませる。

ファントムダンサーはその異常に高まった滝谷の魔力胎動に一瞬ヒヤッとしたものを感じ
反射的に目を開き、滝谷の方を見てしまう。

滝谷の姿は点滅して、薄れて消えていった。

「ばかなっ・・・この無限回廊から外に出れたっていうのか・・・？！」