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三人目:魔王の娘ヘルクレア
別次元の私18
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私はとにかく走った。
生い茂る森の中を。
あの男はヤバイ、絶対にヤバイ
勝てるはずがないと、脳が語りかけているように思えた。
ふいに足音が増える、ハッと振り向くとそこには男の姿が。
「どこに行こうってんだ ヘルクレアアアア!!」
振り向いている顔を前に戻した時、後ろにいたはずの男が前方から鎌を振りかざして飛びつこうとしていた。
「!!!」
その刹那、私は首を咄嗟にさげて回避行動を取る。
男の振り切る鎌は空を切り、私の長い髪を切り裂き、髪の毛が散る。
男は地面に着地すると、間髪居れずに振り返りざまに再び飛びついてくる。
「ギャハアッ!!」
男は奇声をあげつつ何度も私を切りつけてくる。
そして鎌が私にヒットしようとしたとき、草むらから飛び出して来たのは一匹の黒猫
「!!!、あの時の!」
私の身代わりになるかのように飛び出してきた猫の頭を咄嗟に掴むと
猫を中心に発光した。
そこにいたはずの猫はおらず、私の手には一振りの剣が握られていた。
その剣で鎌を受け流す。
「チッ・・使い魔か、ようやくやる気になったってか」
どういうこと? なぜ剣が わからないことだらけで頭がおかしくなりそうになる。
ただ、今はそれどころじゃない、とにかくこの男をどうにかしなければ
しかし、フリルの願い虚しく
闇夜に光る一筋の銀色の刃が、とうとう私の足にヒットする。
鎌はまるで豆腐でも切るかのように、すんなりと私の足を切り落とした。
逃げる足を失った私は激痛に、その場に倒れ苦しむように転げまわる。
男は苦痛にゆがめている私の顔を見下ろしている。
「はぁ・・がっかりだぜ、てめぇ本当にあのジェノサイドの異名を持つヘルクレアなのか?」
男が何かをしゃべっているのはわかっていたが、激痛でそれどころではない。
何も聞こえない、ただひたすらに痛いという感覚だけ。
次第に、その痛みさえもなくなっていき、視界が真っ白になっていく。
真っ白、何もない。
ただひらすらに真っ白。
しばらくすると、真っ白の空間からたくさんの映像がながれて映り変わっていく。
大きなお城に、誰かわからないが大柄の男と、その横にベッドに腰掛けている少女の姿。
「ねぇお父様、この緑でいっぱいの世界はどこにあるの?」
「その世界はいまはもう、どこにもない。魔界に存在する緑は、全てファントムダンサーの力によって
全て焼かれてしまった」
「今となっては、この世界に再び緑を咲かせることは無理だろう」
「えー・・そうなんだ~ 残念」
誰かわからない・・・だけど・・私はこの人たちを知っている・・。
また場面が変わる。
「違う!!何度言えばわかるんだ」
またしても先ほどの二人の映像だった。
「もう一度・・・集中しろ」
少女の体が黄金色に輝き始める。
「体に存在する魔力を体の内側から外側に体全体を使うイメージで・・・」
その瞬間にギンッという魔力の波動が少女を中心に発生した。
「できた・・!できたわ!!!お父様!!」
「よくやった、これで第二開放イグナイトはもう自由に使えるようになったはずだ」
覚えている・・! これは この記憶は
私だ!!!
生い茂る森の中を。
あの男はヤバイ、絶対にヤバイ
勝てるはずがないと、脳が語りかけているように思えた。
ふいに足音が増える、ハッと振り向くとそこには男の姿が。
「どこに行こうってんだ ヘルクレアアアア!!」
振り向いている顔を前に戻した時、後ろにいたはずの男が前方から鎌を振りかざして飛びつこうとしていた。
「!!!」
その刹那、私は首を咄嗟にさげて回避行動を取る。
男の振り切る鎌は空を切り、私の長い髪を切り裂き、髪の毛が散る。
男は地面に着地すると、間髪居れずに振り返りざまに再び飛びついてくる。
「ギャハアッ!!」
男は奇声をあげつつ何度も私を切りつけてくる。
そして鎌が私にヒットしようとしたとき、草むらから飛び出して来たのは一匹の黒猫
「!!!、あの時の!」
私の身代わりになるかのように飛び出してきた猫の頭を咄嗟に掴むと
猫を中心に発光した。
そこにいたはずの猫はおらず、私の手には一振りの剣が握られていた。
その剣で鎌を受け流す。
「チッ・・使い魔か、ようやくやる気になったってか」
どういうこと? なぜ剣が わからないことだらけで頭がおかしくなりそうになる。
ただ、今はそれどころじゃない、とにかくこの男をどうにかしなければ
しかし、フリルの願い虚しく
闇夜に光る一筋の銀色の刃が、とうとう私の足にヒットする。
鎌はまるで豆腐でも切るかのように、すんなりと私の足を切り落とした。
逃げる足を失った私は激痛に、その場に倒れ苦しむように転げまわる。
男は苦痛にゆがめている私の顔を見下ろしている。
「はぁ・・がっかりだぜ、てめぇ本当にあのジェノサイドの異名を持つヘルクレアなのか?」
男が何かをしゃべっているのはわかっていたが、激痛でそれどころではない。
何も聞こえない、ただひたすらに痛いという感覚だけ。
次第に、その痛みさえもなくなっていき、視界が真っ白になっていく。
真っ白、何もない。
ただひらすらに真っ白。
しばらくすると、真っ白の空間からたくさんの映像がながれて映り変わっていく。
大きなお城に、誰かわからないが大柄の男と、その横にベッドに腰掛けている少女の姿。
「ねぇお父様、この緑でいっぱいの世界はどこにあるの?」
「その世界はいまはもう、どこにもない。魔界に存在する緑は、全てファントムダンサーの力によって
全て焼かれてしまった」
「今となっては、この世界に再び緑を咲かせることは無理だろう」
「えー・・そうなんだ~ 残念」
誰かわからない・・・だけど・・私はこの人たちを知っている・・。
また場面が変わる。
「違う!!何度言えばわかるんだ」
またしても先ほどの二人の映像だった。
「もう一度・・・集中しろ」
少女の体が黄金色に輝き始める。
「体に存在する魔力を体の内側から外側に体全体を使うイメージで・・・」
その瞬間にギンッという魔力の波動が少女を中心に発生した。
「できた・・!できたわ!!!お父様!!」
「よくやった、これで第二開放イグナイトはもう自由に使えるようになったはずだ」
覚えている・・! これは この記憶は
私だ!!!
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